製作陣の偏執的な情熱と暴走によって誕生したとしか思えない、色んな意味でトンデモナイ作品。ちくしょう、大好きだ。
一枚の絵。
駅ビルの屋上。
一人佇む少女。
金曜の空。
その、どこまでも広く深い青空に、吸い込まれそうになる、
物語の始まり。
”Down the Rabbit-Hole”
語られるのは小さく無限の世界の顛末。
少女の贖罪。
少女の救済。
それは、素晴らしき日々。
”Down the Rabbit-Hole”
語られるのは世界の終わり。
不快にして不可解。
不安にして不安定。
辿りつくのは終ノ空。
”It's my own Invention”
語られるのは壊れゆく世界。
正気と狂気が交錯し、
理性と知性を嘲笑う。
不快な世界? 故に快適。
不安な世界? 故に、安心。
”Looking-glass Insects”
「 全米が泣いた!
いじめられっ子美少女たちが、
手に手をとり合い世界を救う!!
愛と感動の超大作!!!
『 ザクロ・イン・ワンダーランド 』
ついに日本上陸!!!! 」
醜悪な幕間劇。
見逃すヤツは虫けらだ。
”Jabberwoky”
一枚の絵。
校舎の屋上。
並んで座る少年少女。
その姿は幻。
その存在は不連続。
語られるのは世界の真実。
少年の信じた、世界の真実。
”Which Dreamed It”
〈 夢見たものは ひとつの幸福
ねがつたものは ひとつの愛 〉(※1)
語られるのは世界の真実。
優しく悲しい世界の真実。
切なる想い、踏みにじられた。
ささやかな夢、砕けて消えた。
”JabberwockyⅡ”
彼らの生に祝福を!
彼らの世界に祝福を!
語られるのは過去と現在、そして未来。
「幸福に生きよ!」
さあ行こう、終わりの先へ。
「幸福に生きよ!」
さあ行こう、ありふれた日常へ。
夢見たものも、
願ったものも、
それらはすべて、そこにあるから。(※2)
素晴らしき日々はきっと、
そこにあるから。
※1. 〈〉内は、立原道造「優しき歌 Ⅱ」より、Ⅹ 夢見たものは…… から
引用したものです。
※2. 夢見たものも~※2の前までは、同じく Ⅹ 夢見たものは…… の文章を
一部変更して引用したものです。