いびつな作品
話はつまらないです。
雰囲気や情緒で勝負するにしても、構成や筋やコンセプトが不明瞭でなんでこんな変なことになってるんだと思いました。
たとえば、大きな3つのイベントが見れる分岐点(選択肢)があったのですが、そこからはなんとどうやってもバッドエンドにしかいけません。
主人公も結局なんに悩んでいたのかよくわかりませでした。
物語の最後なども、夏休みの宿題でしぶしぶ書いた作文の無理矢理なまとめ方そのものです。
裏事情など知ったこっちゃないですが、このゲームに関しては「戦犯のライターがろくに話も考えず、イメージだけで絵や音楽だけ発注して、案の定頓挫してしまった企画を、原画マンの熱意で素材だけをminoriに持ち込んで別のライターを初めとした違うスタッフの協力でなんとか形にしてもらった」という顛末が最高に納得いってしまいます。
音楽に関してもつまらない場つなぎ的な曲と、minoriらしいセンチメンタルかつ高音質な曲の2種類が混じっています。
特典のアレンジアルバムはminoriが引き継ぐ前に製作されていたようで、作風を捉えていない上に元の楽曲も微妙なのでやっぱり微妙です。(歌が入ってるのは◎)
それでも!このゲームの絵には他のエロゲにない独特な良さがあって、自分にとって代えが効かないものになりました。最後まで粘ったのが原画マンだったというのも納得の出来です。良い絵が出るときは音楽も良く、話の微妙さも雰囲気にボーっとひたるのにはまぁ良いかなと思えます。
自分はこんなエロゲはしたことがないので、非常に価値のある好きな作品になりました。
ですが、このゲームの良い所を引き継ぎつつもっと完成度高い(まともな)作品も容易に想像できるわけで、そういうまだ見ぬ作品への渇望を植えつけられる事にもなったのでした。