それぞれがトゥルーエンドを目指す物語。一番最初はよくわからず読んでたが、途中からガッツリ引き込まれる。
どのルートも他ルートへの伏線などではなく、全力でメインヒロインとの話を突き詰めたものだった。
一番最初は世界観すらよくわからず読み進めていたが、共通ルートで理解が進み一人ヒロインを終えるころには(公式の推奨通りヒナギク)世界を理解してすべてが気になるようになっていた。
各ヒロインが全力のため、それぞれのヒロインへの思い入れも強く読み終わったときの喪失感も(他社含めた)他の作品より大きく感じた。
どんな話も終盤に行くにつれ寂しさはあるが、特にヘルミリアルートでは最後の流れで喪失感がとてつもなく大きかった。
各ルートで理想にたどり着いており当然それは別のルートとは違う理想ではあるのだが、誰かが間違っているわけではないしどれも一つの形だとすんなり受け入れることが出来た。
メインライターが一人のおかげでルートごとにキャラが変わったり出番が偏るようなことも無く、各ルートで全員が自分の考えを持ったまま受け入れているのも気持ちが良かった。
神ちゃんも思惑はあって優しくは無いけど悪意もなく、まさに神といった立ち位置で物語の重要人物。
与えられた各ヒロインの能力はそれぞれと密接に関わっているのが読むほど分かって騙されてないのにハッとするような展開を生み出している。
序盤や設定が面白くて終盤勢い任せや失速するような作品も多い中、久々に加速していく作品を読めて嬉しかった。
全てを読んだ今では胸を張って素晴らしい作品だったと言える。