前作の期待が凄いのに、超える程素晴らしい完成度の作品
ぬきたしの出来があまりにも衝撃的だったので次作品が超えられなくて当然だと思っていたが、完成度では今作の方が上に感じるほど素晴らしかった。
前作が肉体と溢れ出る熱さで困難を全て突破したのに対し今作は頭脳と内面の情熱で問題に立ち向かうという逆の内容にも思えたが、Qruppo節とでもいう敵からモブまで特徴的なキャラ達のハチャメチャかつまっすぐな話は読んでてとても気持ちいい。
理解が追い付かないエロ語録日常会話やどうやっても全年齢版が出せない変態的な手段で話が軽快に進んでいく一方、性問題や犯罪と囚人といった重い問題に正面から向き合っていく話は進むほどにのめり込んでいく。
途中何度も辛い空気になるが、主人公が自らの中で答えを導き出し絶対不利を覆す様が毎度楽しかった。
グランドルートをすべて終えた後の読後感と喪失感は最近の作品でもトップだと思う。
柊一郎は作中最もヤバいやつだが好感が持てるし、彼と仲間の話をもっと見たい。
ただ後日談含めあまりにも綺麗に話が纏まっていたため、続編が全く想像できないのは完璧ゆえの残念さ。