素材は良いけど話がまとめきれてない。グランドがあれば一気に名作だったのに未完成品みたい。
久々のカントク原画作品。
ツクヨミはメインとして十分の可愛さだし他のヒロインも魅力的。
キャラは立ち絵もイベント絵もかわいく描かれていて、背景や音楽もパッケージから伝わるどことなく神秘的な空気を持ちつつ優しさを感じていい感じ。
でもストーリーは微妙。各キャラで別のライターが書いたとはっきりわかる程にバラバラ。
まず、各キャラルートに入ったら関わるサブヒロインとツクヨミ以外のヒロインは出てこない。それはもう転校でもしたのかってくらいに。これなら整合性も必要ないけどさぁ…
同ブランド「恋する彼女の不器用な舞台」内で小説家のヒロインに対するアドバイスの一つに「登場人物が少ない閉じた世界だとキャラクターの魅力が伝わってこない」というのがあったがその実例を見せられた感じ。
あとは他でも言われてるけど霧香ルートは特に面白かったしツクヨミルートも楽しかったけど、ラナルートの出来は正直悪い。
共通ルートの延長で頭良い女の子とのやり取りや助手と相棒の関係を楽しめると思いきや、知能レベル下がりました。面倒見ることになりましたとか。
正直、ライターが頭の良さを表現できる文章書けないからヒロインを自分の書ける範囲までバカにしたとしか思えなかった。
加えて結局バラバラに各ヒロインの話を書いたから他のヒロインのルートでは問題にも触れずじまい。
各ルートでガンガン犯罪している連中が悪役に出てくるけど全部放置。特に霧香関連の問題は重要で、解決しないルートある方が問題なんだけどノータッチ。
問題に辿りつき暴ける頭脳のラナ、民衆を引き寄せる魅力と伝える声を持つ霧香、悪に挑む手段のある主人公とそれを隣で支えるツクヨミ。本来なら各ヒロインとそれを支えるサブヒロインが協力したグランドルートでこそ真価を発揮する組み合わせなのにそれが無いから中途半端な作品になってしまった。
最初の印象は良いし個々の要素も悪くないのに、後の印象が薄くて達成感も少ない勿体ない作品だった。期待していたし絵などは応えてくれただけに残念。