ふつうの兄妹からインセスト兄妹に飛躍する、ブレイクスルーの描写に難を感じました。
※こころナビのネタバレを含みます。
兄妹関係劣悪の状態からスタートする妹モノのエロゲーであり、ナビ娘というナビゲーター兼マスコットキャラがいることから、こころナビを連想しながらプレイしました。
冒頭、いきなり赤ん坊の妹が出てくるという、血縁関係を強調した重い演出や、妹モノのお約束演出を自分の妹を例に否定する主人公の言動に、このゲームのスタンスを感じ、期待が膨らみます。
そして妹を巡って起きるイベントが、捨て犬のことだったり、成績のことだったり、お金のことだったり……思春期の子供の、等身大の悩みを兄妹で乗り越え、次第に絆が育まれていく様は自然でした……。
しかし、そこからセックスへ飛躍する過程が唐突すぎる。それまでの描写にリアリティがあったから、尚の事唐突に感じる。
あまりにも軽くセックスに至るから、これが今の若者の感覚なのか? と自分の常識を疑ってしまったほどに軽すぎる。しかも初体験の当日は両親が通夜に行ってるんですよ? さすがに気の毒になったわ……。
そこはせめて、じゃれ合いのような前戯を何日か重ねていくうちに我慢ができなくなって……とか、そういうクッションを挟んでほしかった。というか、ふつうの兄妹からインセスト兄妹に飛躍するブレイクスルーについて、説得力のある描写がほしかった。
あんまり他のゲームと比較したくないんですけど、例えばこころナビだったら、電脳空間で体験した感覚が現実にフィードバックされる魔法のブラウザを通して、兄妹のアバターが電脳空間上でお互いの正体を知らないまま関係を結んでしまったことが鍵となったわけで、それは自然に感じた。(あとそもそもこころナビでは今関兄妹は現実世界でセックスしてないし……それが素晴らしいと思うんですが)
もうお酒がきっかけとかでもいいと思うんですよね。それがきっかけでお互い素直に言いたいことが言えた、みたいな。実際それで一線越えた、というような話も聞くし。
あと何のためらいもなく中出ししまくるのもどうかと思った。セックスからリアリティレベルが唐突に下がるんですよね。冒頭で血縁関係強調したのは何だったの?っていう。
セックスに入るまでが良かっただけに余計に残念。セックスしてからはただの抜きゲーになってしまった印象。
親バレとか妹と一線越えた葛藤とかはいらないと思うけど、一線を越えるまでのプロセスの描写は大切にしてよ、という感じです。
こういうめんどくさいユーザーがいるから、妹ゲーが廃れてしまったんですかね……。