ビーズブレスレットからパールのネックレスへ
ルナ様√の中毒性が高く何周したのか分からない。「これループゲーじゃね?」というハマり具合ですが、ここで一つ、ビーズブレスレットの件について書いてみたくなりました。
▼ビーズブレスレット
幼少期のルナ様を語る上で欠かせない。丸目との思い出、そして裏切りの象徴である品。文化祭当日に丸目に再会する保証として渡した後、どこへ行ったのかと疑問に思いました。
可能性としては3つ。
1)丸目にそのまま持ち去られた
2)現場で破壊
3)朝日に返されている
3)に関しましてはその後のCGやテキストで一切触れていない。2)においても、そのような場面があればルナ様の元へ駆けつけた際に書かれるべき状況。なので1)が妥当なのではないかと推測します。
ここで少し。何故ルナ様はブレスレットを保証として与えたのか。保証としてなら学生証でもいい、自分の持っている物の中から与えればいい。それをあえて朝日から返してもらってまで丸目に与えたのか。
ルナ様は期待してしまったのではないでしょうか?あれだけの事をされたにも関わらず、それでもなお母代わりであった彼女を信じたく試したのではないか。そして少しでも悔いているのなら手切れ金でもいい、お金を工面したのではないか。
しかし、再会した丸目から出る言葉は自分の惨めな近況、同情を誘うものばかり。ルナ様の新しい生活を心配する事もなく、金目的で訪れただけ。
>ルナ様はふいと目を逸らした。空しかない窓の外を見つめていた、あれ?いや、見ているのは空ではなく……窓に写っている自分?
>「金の無心だった」
朝日に語った丸目に対する感想。あの頃と同じようにしか見てもらえない自分。丸目が去ったあの日、金銭的な価値がなくゴミ箱に捨てられたビーズブレスレットはルナ様の好意そのもの、それが最後まで届かなかった事。そしてまた人を信じてしまった事を悔い、心を再び閉ざしてしまう。
以降の流れは本編の通り。あのエロゲ史でも稀にみる初キスシーンは何度見ても飽きない。物越しに伝わる愛情もこの作品の魅力の一つですよね。
▼余談
丸目に持ち去られた後、ルナ様は朝日に返せなかった事が心残りだったのではないでしょうか。普段、自分のデザイン画を欲しがる朝日に、それとは別の絆と言える確かな物を与えたかったのだと思います。
シャイニームーンで客席に現れた彼女が手渡したパールのネックレス。それは表舞台への一歩を踏み出した今日を飾った物。裏切りを象徴する品ではなく未来を象徴する品として再度プレゼントされた物ではないでしょうか?
送られた朝日は意味が分かっていない様子でしたけどね。