Q「こういうのが好きなんでしょ?」 A「嫌いって言いたいんだけどさぁ......」
同作者の前作、『小坂さん。』から相変わらずの作風。あふれんばかりのスチルに、変なメインヒロイン。無駄な要素が嫌いなのか、話に出てきたものごと全部回収する勢いなのも健在。別に話に出さなくても本筋が成り立つ要素もけっこうある気がするが、狭い箱に荷物を入れるパズルのようで気持ちいい。
物語の終わらせ方が上手い。いや手垢はついてると思うんだけど。小坂さん。の場合はちょっとごちゃっとした印象であまり綺麗じゃなかったから、作者は前向きな物語を書くのが向いているのだろうと思う。私は前向きな物語は好きではないが。小坂さんも日葵も、主人公が成長するための舞台装置として働いていたように思うが、日葵は舞台装置として納得させられるようになっている。
ごちゃごちゃ書いたけどプレイ中はいい気分だった。大人になるというテーマが気に入らなくとも、雰囲気ゲーとして楽しめるのではなかろうか。