私の中では17年越しの「天地創造」完結編という特別な位置づけの作品になった。
ゲーム全体として面白いかというと微妙だが、
トゥルーエンドを見た時の感動はここ最近でトップクラス。
以前95点をつけた「大帝国」連合艦隊エンド(トゥルーエンド)と同レベルかそれ以上に評価したい。「大帝国」と違って本筋では分岐はなく普通にやっても1周目からトゥルーに到達できるので、ゲームが苦手な人はこちらの方がおすすめ。
(どうでもいいですが、今見たら、5000文字以上かけて書いたはずの大帝国レビューが登録されてなくてマジ涙目なんですが・・・。)
<関連作品>
☆天地創造
・鬼畜王ランス
・Rewrite
・エイジオブエンパイア
・デモンベイン他クトゥルー神話系の物語
・テイルズオブエリクシア
・スターオーシャン3
・装甲悪鬼村正 邪念編
・風の谷のナウシカコミック版
ゲームはおおまかに3つのパートに分かれている。
パート1はジパングによる世界統一(版図拡大)を描く。
パート2は世界の闇を集める秘密結社との闘いを描く。
パート3は世界の真相および主人公の存在の謎と向き合う過程を描く。
分量としてはパート1が8割、パート2とパート3がそれぞれ1割となる。
大部分を占めるパート1は極めてシンプル。
この間は物語は殆ど無い。世界統一という目標を淡々とこなすだけ。
順番に周辺国に宣戦布告していき、占領地域で仲間を集め、
その仲間とのイベントをこなして勢力を強化していく単調な作業の繰り返し。
世界の英雄を元ネタにした豪華なキャラクター陣とそこそこ手強い戦闘は、
個人的にはとても楽しめた。
パート2では、世界統一を阻む勢力との闘い。
序盤からそれっぽい伏線は頻繁に登場しているのでまぁ予想通り。
ここでも敵は思わせぶりなことを言うが詳細は何も語らず消えていく。
ここまではほとんど物語がない。
ひたすら世界をまわって勢力範囲を広げ、
仲間の輪を広げ、キャラとのかけあいを楽しむだけ。
私は大帝国を6周しても平気なくらいこの手のゲームが好きなので問題ないが
物語がないと楽しめないという人には少々つらいものがあるかも知れない。
しかしキモはパート3である。
ネタバレになるが、この作品では世界が何度も作られては壊されている。
世界の住人は神の退屈つぶしの玩具として
シミュレーションゲームのように何度も設定を弄られ、ループさせられている。
(我々プレイヤーがいる世界も、シュミレーションの1つ)
そんな中登場するのが主人公である。
細かい設定の説明は省略するが、私はこの主人公の設定を読んで
「天地創造」の主人公が世界に溶けて消えた後、
再び一人の少女の願いによって人の形となって戻ってきたような感覚になった。
(細かいところは違うし、矛盾もあるかも知れないが)
「天地創造」の主人公は、一人で世界を周り、地上を復活させ、
己の存在についての真実を知り、
故郷にいる大切な人を思いながら世界の要素となって風の様に消えていく。
小学生の時、訳もわからないながら感動的な音楽や演出のせいでボロ泣きしたが、
後から考えると不満というか、納得できない点が多かった。
http://www8.atwiki.jp/storyteller/pages/126.html
天地創造ストーリー
http://ww6.et.tiki.ne.jp/~jun-ichi/tenstory.html
天地創造への不満の例(大体同意します)
これに対し「英雄戦姫」の主人公の道筋はかなり納得度が高かった。
彼は一人ではない。
そもそも彼を出現させたきっかけは「ライトガイア」や「プレイヤーの欲望」などではなく一人の少女の純粋な願いである。fateの英霊システムのように、決められた役割を果たして消えていくためだけに登場したわけではない。運命に従うだけの存在ではない。
あるいは、一人で戦っていたら「天地創造」の主人公と同じ運命をたどったかも知れないが、彼はその少女や、その他大勢の仲間と共に闘い、思い出を積み重ねていく。
多くの人間にとって大事な存在になっていく。
そして、自分の意思を持って、運命に抗い、皆を守ろうとする。
結果として彼は、物語が終わった後も残り続け、皆と共に歩み続ける。
この筋立てとしての設定が自分には十分説得力があり満足できるものだった。
(もちろん彼が自然から人の形をとったメカニズムや
彼が役割を果たした後消えなかった理由など
説明されていない部分もあってSFマニアとかには許容できないだろうけれど
私は幸い?細かい設定の問題とかはよくわからないのです)
というわけで、あくまで個人的な感想だが、
およそ20年ぶりに「天地創造」のその後、
そして、返歌というか完結編のような形を見せてもらってとても感動した。