篝火は星空をきらきらと照らし、星空は篝火をぽかぽかと包み込む。そして一緒に世界を渡っていく
各ルートの評点は以下の通り
かがり:90
雛 子:70
このか:50
鼎 :70
このうち、メインヒロインのかがりのルートの点数90を採用した。
かがりルートは頭1つどころか2つ以上飛びぬけている。芸術というもの、才能というものを活かしたルートであった。ルート冒頭の、才能に真摯なかがりによる才能から逃げ出した航への糾弾はとても苦く、ぐっと話に引き込まれた。そしてただ純粋に相手を見ること相手に見られること、一緒にいることの歓びと心から結ばれることの幸せが真っ直ぐ愚直に描かれていた。
かがりの不意に見せる笑顔と甘えに本当に蕩けそうだった。セックスをした後のピロートークならぬバスタイムトークもより甘々な2人の世界を演出していた。
全体として文句のない非常に素晴らしいシナリオだった。
雛子ルート、鼎ルートは、かがりルートと比較すると見劣りしてしまうが、決して悪くはない。むしろイチャラブゲーやドタバタコメディとして優秀な部類だろう。些か変態度は高いが。ヒロインを気に入れば十分楽しめる出来だと言える。
このかルートは、冒頭でこのかの微ヤンデレが発揮され面喰い、中盤では莉乃との確執と莉乃のまるで子供な言い分で盛り上がりに欠けた。そしてあのクライマックスである。もう驚愕としか言えない。父親の蒸発の理由も納得できない。
かがりルートにおいて、いちごが、「プラスのことが芸術家にとって必ずしもモチベーションにはならないし、逆もまた然りである」旨の発言していた。これに当てはめて考えれば、夫の失踪と言うマイナスのことが莉乃の芸術にとってプラスになるかマイナスになるかは不明である。それなのに当たり前のように芸術は身と魂を削るものだから、とあんなに明るく朗らかに言われても……