朋乃ルートは90点を点ける出来だった。
各ルートの感想
みかげ
エンディング前までは概ね良し。正宗の為に頑張るという単純な動機はバカップル度を大いに高める。
しかし、エンディング後がまるまる蛇足。特に決闘シーン。これほど蛇足という表現が相応しいものを目の当たりにしたことがないくらいに蛇足。唐突でプレイヤーは完全に置いてけぼり。過去の話は正宗の株を下げるだけ。何故それほどの後悔と恐怖を味わっておきながら、今まで研鑽を積まなかったのかと憤りを覚えるだけ。そして終幕も開幕と同様に唐突。途中途中挿入されるお伽噺も二人の話とマッチせず不必要。
朋乃(修正パッチver1.02で大幅修正された方)
まさかFizzに泣かされるとは思わなかった。本作最高のルートだろう。マフィアなども出てきて鬱にもなりかけるし、いきなり話が大きくなってしまうけれど、それを補う魅力を感じた。なんで朋乃が正宗にべったりで、正宗が文句を言いながらもそれを容認しているかなども明確な理由がある。正宗が最も活躍するルートであり、そして彼の力強さが最も描かれるルートでもある。
リディ
リディにキャラのブレを感じる。リディはノブレスオブリージュを説明し、領民を守るのは貴族の務めであると堂々と述べていた。そんな誇り高い貴族であるはずのリディがエドゥアールを会長職から追い出すために学園生を利用するのは些か不自然。頭ではノブレスオブリージュを理解していても行動が伴っていなかった、あるいはエドとの戦いの方が行動原理として上位に来てしまうとすれば理解できる。しかしそうすると高潔さと言う魅力が消失してしまう。リディ以外の貴族が平民を虐げることを当たり前のように行う中では、リディの一見気高い言動が目立ってしまう。そうするとストーリーを進めていってガッカリしてしまう。リディの魅力を表現するには背伸びをしている危うさをもっと前に出すべきだった。
凛子
いまいち起伏に欠ける。クライマックスも彼女には感極まる発見かもしれないけれど、一般人にはピンと来ないだろう。
郁子
そもそもなんで試練を受けたのかの理由説明がない。試練は棄権することも可能であったようだし、彼女が望んで試練を受けるようには感じられない。実際、流されるままに受けた、と後になって表現されていた。この状態で正宗が積極的にサポートする理由がない。郁子が望んだわけでなく、正宗が望んだわけでもない。むしろ二人とも消極的になるはず。二人が試練に挑むに至ったことが不自然極まりない。
しかも、輪をかけておかしいのは試練後である。継承権を放棄することが望まれていたのならば、何故その説明もなく試練を受けなければならなかったのか。試練に不合格でも構わず、合格しても放棄するか迫るなど不合理極まりない。郁子に状況説明をした後に、試練を拒否して継承権を放棄するか、継承権を獲得するために試練を受けるかを選択させるべきである。そうでなければ、試練全てがただの茶番にしかならない。試練を通して二人が成長したのは事実だが、それは全く別の話であって理由にはなりえない。そもそも試練はそのためのものではないからである。
文月
正宗と美香が仲良くなるのが速過ぎる気がする。それ以外は特に問題なし。