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azureusさんのサメと生きる七日間の長文感想

ユーザー
azureus
ゲーム
サメと生きる七日間
ブランド
CUBE
得点
92
参照数
987

一言コメント

サメという言葉に含められた意味は3つ

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

今月いや2022年のダークホースとして突如登場したCUBE渾身の一品。五つ子事情!とか言ってたのに急にこのような方向に行ったのか、個人的には大正解と思われる。
SIRENを思い出させる(オマージュしている)和風ホラーとしての雰囲気は良くできているが、最後はB級映画よろしくぶっ壊していくところもコンセプト通りと言ってよいでしょう。
どこか粗削りなところもあるが、それを上回る不気味さを味わえる、スタッフ達がうまく化学反応してくれた名作といってよいでしょう。


B級映画を基にしているのはあくまでも各キャラのルートで、基本的に終わりもどこか何かを失ったり後味が悪い。しかし、この5つのB級映画には全て意味がある。しっかり読み進めてグランド√へ突入してほしい

中でも一人だけ異質なのは遠花。
彼女だけが唯一この島から脱出しているエンドで。主人公の元カノなのもあいまって、ジョーカー的な立ち位置なのか。
事実、彼女だけタコの興味から外れている。まあ彼女の信念の強さは視聴者の興味には合わなかったといえば。
別れ際に必ず「またね」と言ってくれることや、彼女が主人公のことを「きみ」と呼び変えてるのが強く印象に残る。もしかしてエンディングで彼女を外に連れて行ったのはプレイヤーなのか・・・?


このゲームの「サメ」とは。
・サメ=くーこ
・サメ=タコ(現代のスマートフォン越しの欲望。そういう社会派要素もあるので、アンダーグラウンドの創作物としては素晴らしい。
・サメ=主人公を狙うすべてのヒロイン(最終END)



あと映画好きならいろいろ元ネタがわかるかもしれない(僕はあんまりわからなかったです)