ゲーム的な面白さはほとんどなく、シナリオも非常にシンプル。最大の売りであろうシーンについても、ダークファンタジーのわりに軽めなものが多かったので、色々とスッキリしない作品である。
アストロノーツ・シリウスさんのダークファンタジーRPGということで、今回もちらほらバグが転がっていたが、とりあえずはやり切ることができたのでホッとした。RPGといいつつも、作りとしてはいつも通りの凄く簡素なポチポチゲームなので、難しいと感じる場面はほとんどないかなと。EASYなんかでやるとそれはもうぬるすぎて寝てしまうだろう。
難しいと感じる場面はない…が同時に面白いと感じる場面がなかったのも事実で、本作のゲームシステムを前に心の底から楽しんでプレイした方がどれほどいるのか少し気になってしまうくらいには虚無な時間が続いた。途中から”虚無のラビリントス”の間違いではないかと思うことも...。ウルスラグナやデモニオンを作っていた頃に戻ってほしいものだ。
といった感じゲーム性についてはネガティブな感想しか抱かなかったわけだが、このブランドの最大の売りであろうエロに関してはなかなか頑張っていたかなと思う。特に今作はパイズリを推している印象が強く、好きな人は充分以上に堪能できたのではないかなと。そこについては別に文句はないのだが、一方できちんとダークファンタジーしていたかというと微妙なところである。
勿論、主人公とのえっちシーンだけでなく、俗に言うBADシーンというものもいくつか存在したが、それでも数はかなり少なめだったので、個人的にはもう少し頑張ってほしかったなと。特にリューネとラステについてはキャラクターの性格的に、もう少しBADシーンを増やしてもよかったのではと思わずにはいられない。
あとはファザコン女騎士ことシャリオが途中から完全にネタ路線に走ってしまっているのも残念だったなと。女騎士ならばやはり「くっころ」を意識したキャラクターにしてほしかった。喘ぎ声は”父上”は流石に想定外というか…おもしろキャラとして見るのであればいいが、そこそこ彼女の容姿を気に入っていただけに、裏切られたという気持ちが強い。
そんな具合で目を付けていたシャリオは見事に怪物となってしまったわけだが、希望はまだ残っていた。本当にろくな女がいなかったので、彼女の存在はまるで肥溜めに咲く一輪の花のようであった。無謀な考古学者ことエルミットこそ、本作における唯一のヒロインである。
ほとんどのヒロインがシーン消化のために用意された存在であったのに対し、彼女にはしっかりとヒロインを名乗るに相応しいストーリーが用意されていたのが良かったなぁと。最後まで感謝をしながら、愛を込めながら主人公に寄り添ってくれる彼女を見て「他とは違うなぁ」と、つい嬉しくなってしまった。
また、そんな心優しい彼女だからこそ、BADシーンも良いものに仕上がっていた。主人公にしか気を許さなかった純粋な女の子が、周りの男や怪物に抱かれている。その辛さがとても…とても心地よかった。
総括としては面白味もなければ、個々のヒロインとの関係も薄めな少々残念な作品だったが、エルミットというキャラクターに出逢えたのは良かったことなのかなと。