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asteryukariさんのコイ×ミツ ~八重練紗祈と赤い糸の王子様~の長文感想

ユーザー
asteryukari
ゲーム
コイ×ミツ ~八重練紗祈と赤い糸の王子様~
ブランド
とるてそふと
得点
73
参照数
341

一言コメント

読めば読むほど八重練紗祈という女の子に見入ってしまうような、ヒロインの愛らしさを前面に押し出した作品だった。本当に外見だけでなく中身まで素敵だから困る。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

「ミツのようにアマいコイをするためのAVG」とのことで、はじめからかなり恋愛を意識した掛け合いが用意されていて、主人公と紗祈がやがて恋人になっていく様が丁寧に描かれていた。そう、良かったのがステップアップの仕方が凄く丁寧な点で、序盤からいつくっついてもおかしくないような空気が漂ってはいたが、知り合う場面は勿論の事、相手を意識し始めた場面なんかも明確に書かれていた。

また、主人公視点だけでなく紗祈視点を用意してくれたのも素敵で、「こんな相手じゃ、ありえない」と思っていた相手と付き合っていくうちに、段々と主人公の良さがわかってきて、次第に心惹かれていく様がありありと描かれていた。何となく好きになっていったのではなく、ちゃんと好きになるスイッチと時間があったわけだ。その辺をなあなあにしなかったのが凄く良い。

また、恋愛パートだけでなく女の子同士での会話が多かったのも個人的には嬉しかった。静玖と双鳩は後に出る作品にてメインヒロインへと昇格するため、紗祈と比べると出番は少なめだ。けれど早く攻略したいなと思ってしまうくらいには愛らしい部分が描かれていて、特に双鳩センパイなんかは二人の恋を後押ししてくれたという意味でも良いキャラしていたと思う。攻略の日が待ち遠しい。

さてさて、ここまで色々と語ってきたが結局、本作の最大の魅力は何だったのだろうかと考えると、ずばり八重練紗祈という女の子の愛らしさかなと思う。ええ、本当に紗祈ちゃんがとてつもなく可愛かった。

作品が発表された時から好みの容姿をしているなと感じていたが、実際にプレイしてみると次々と魅力が溢れ出てくる。少女漫画展開を夢見るエセリア充という設定に加え、母親に対するあの態度、そして表情の変化が物凄く豊か。怒り顔、困惑顔、笑顔…どの瞬間を切り取っても可愛らしい女の子だった。

また、恋人の関係になってからもそれは同じで、新たに「甘える」というスキルを身に付けた彼女はもはや止まる事がなかった。日常では人目がつくところでも自分の気持ちを抑えたりせず、えっちシーンでは主人公におねだりを連呼する。主人公の言葉を借りるのであれば紛れもない「最強にかわいい彼女」であった。

特別面白い展開こそないし、主人公の初恋の件なんかは何となく終わってしまったが、そこは次に繋いでくれるのだろう。ヒロインに期待していた私としては充分以上に楽しめる作品だったと思う。次回作でもまた紗祈ちゃんに良い出番が用意されていることを祈るばかりだ。