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asteryukariさんのジンキ・リザレクションの長文感想

ユーザー
asteryukari
ゲーム
ジンキ・リザレクション
ブランド
戯画
得点
55
参照数
4251

一言コメント

発売前に原作を読み込み、プレイ中は楽しむことを目的としていた。好きな声優さんも出演していた。しかしそれでも…ダメだった…。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

私がこの作品を購入しようと思った大きなきっかけは好きな声優さんが出演していることだった。この時代の新作に出演してくださるなんてありがたい、原作を読んで万全の状態で迎え入れてあげようと、発売前からテンションは最高潮に。

プレイして2時間程度経ったあたりで気付いてしまった。この作品はプレイヤーを楽しませる気がないことに。コマンド選択型の作品が作業ゲーになってしまうのは仕方のないことではあるが、それでもこの作品は酷すぎた。SD絵になって無言で手を振るだけって…そりゃあないだろう。しかもそれはクリアに必要な行動のために何十回、場合によっては何百回もその光景を見ることになる。

幾分かマシな外出選択も会話のパターンが少なく、何回も同じ会話を見ることになるから辛い。なんだかんだキャラをクリックして反応を見るのが一番楽しい時間だったかもしれない。まあ一休みしていると「休憩時間?」なんて煽りを入れてくるため心が安らぐ時間はなかったが...。

苦労してやっと読むことができるノベルパートはというと…これまた酷い。中盤まではエフェクトとBGMのおかげで誤魔化せているのだが、終盤はもうボロボロ。物語を何とかして終わらせようと、まるで制作陣の焦りを感じるかのように杜撰な出来だった。戦場がグチャグチャになり、いきなり場面が切り替わったと思ったら主人公達が勝利している。主人公が「何があった?~までは覚えていたんだが」と言い出した時は笑ってしまった。私の台詞だ。

また、個別√が3つあるはずなのに終盤が少し変わる程度のものだったのもいただけない。ヒロインが笑ってるそれっぽいCGだけ用意しとけばいいだなんて思うなよ…。

さて、じゃあ何を楽しめばいいのかとなった時、私に残されたのはもう陵辱シーンだけだった。あの面倒な作業も陵辱シーンのためなら乗り越えられる。そう思って無心で作業を続けた。

しかし、これもイマイチだった。何がイマイチって陵辱シーン(BADで回収できるもの)の半分以上がサブキャラなのだ。今まで共に過ごしてきたメインヒロインだからこそ映えるというのに…。あと一つだけ他のシーンとは比べ物にならないグロテスクなものが入っていたのは笑ってしまった。ライターさんの色が出ていたなと。

好きなところをたくさん探そうと足掻きに足掻いたわけだが結局、無駄な努力に終わってしまった。本当に残念でならない。

でもいつか笑い話にできる時がきっとくるだろう、その日が来るまでとりあえず押入れの奥底にしまっておこうと思う。