愛らしいヒロイン達と過ごすひと夏の物語。終わってほしくなかった夏が終わってしまった。
事情があって六人目の√がなかったり、ボイスがついていなかったりしてなかなか手を出せなかったが、ようやくそれらが実装されたという事でプレイに至った。後編は本当に楽しみで、センターヒロインである湊や隠しヒロインが攻略できる事実も凄くそそるが、何よりも美比呂さんが攻略できるという点が一番素晴らしかった。ポジション的に「良いサブキャラのお姉さん」くらいで終わるとばかり思っていたので…。
以下√ごとの感想。
●みひろ
スタイル抜群でお店を経営している優しくてかっこいいお姉さんとかこんな良物件を好きにならない理由がないわけで、前編の時から彼女の事を目で追っていた。加えてただ良い女であるだけでなく、良い姉でもある。両親こそ失ってしまったが、めぐるちゃんは本当に恵まれていると思う。
めぐるのため、両親の想いのために恋愛から目を背けひたむきに頑張ってきた彼女にもようやく春が訪れた。制服はちょっとやりすぎかなとも感じたが、まあ可愛かったので。自転車に二人乗りするCGなんかは目を奪われる方も多いのではないかなと。夕日をバックにしている点が青春を取り戻している感じがして素敵だ。
それでも最後はお姉さんらしく締めてくれるのが嬉しい。「今夜は寝かせない」の続きが見たい...。
●湊
センターヒロインという事もあり、主人公と過ごす時間の長さもかなり多め。それ故に恋人になるまでの関係は丁寧に感じた。というか開幕から部屋は違えど同じ屋根の下で暮らしているのは何というかずるいよなぁと。色々いなハプニングが起きて、その度に仲良くなる。約束された勝利のヒロインだった。
ただ、話に関しては物足りなさを感じていて、過去に出会っていたという事実を持ち出してきたは良いが、少し弱めに感じた。もう少し掘り下げるあるいは序盤から徐々に絡ませていくような作りになっていたら評価もグンと上がったと思う。ただ、湊は本当に可愛らしいヒロインだった。「…もっとかまって?」じゃないんだよ…かわいすぎるぞ。
●結李
本作の隠しヒロインこと結李。彼女を見て既視感を覚える人もいるかと。そう、前作のセブンデイズを思い出すヒロインなのだ。49日を越えて居続ける幽霊だなんて、前作のヒロイン達からブーイングが飛んできそうだ。
で、成仏できない理由が主人公がこの島に訪れた理由と重なってくる…のだがそこに感動を覚えたかというと微妙なところで、母親の気持ちを考えると父親に対する印象も悪くなるので単に寂しがりやな幽霊でもよかったのではないかと思ってしまった。みんなと過ごし、温もりを知ったことで成仏できる。その方が私好みだったなと。
ただ、何にせよこの√を読むことでタイトルの意味も理解できるので、そういう意味では実装されて本当に良かったと思う。
終わってみれば物足りなさはあるけれど、そこそこ満たされたなぁと。離島という魅力的な空間で個性豊かな女の子たちと温かな日々を送ることが出来た。その事実こそが本作の最大の魅力だと思う。だからこそ本作を終える時は自然と主人公と同じ気持ちに。
「もっと、この島にいたかった」
「もっと、みんなといたかった」
本当にその通りだ。
素敵な夏の日々もありがとう。