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asteryukariさんの魔法戦士エメロードナイツ -絆を紡ぐ女神たち-の長文感想

ユーザー
asteryukari
ゲーム
魔法戦士エメロードナイツ -絆を紡ぐ女神たち-
ブランド
Triangle
得点
78
参照数
4846

一言コメント

正直なところここまで楽しめるとは考えていなかった。話がそれなりにしっかりしていて、終盤なんかは熱さすら感じた。シーンに関してもヒロインがしっかりと嫌悪感を抱いており、より淫靡なものに仕上がっていた。ただ、この作品を楽しむためには過去作に触れる必要があり、過去作を知っているからこそ、ここまで楽しめたのだと思う。本作でもやっぱりキールくんがかっこいい...。。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

完全に絵目的で購入に踏み切ったのだが、ここまでハマるとは思っていなかった。
この作品というよりはこのシリーズの作品は基本的に過去作とのリンクがあり、故に初見だと話にイマイチ入り込めないし、この作品を楽しむことは難しい。

かくいう私も初見で、少し読み進めてすぐに「これはまだ読み進めてはいけないやつだ…」と思い、関連が深いであろう「魔法戦士エリクシルナイツ」と「魔法戦士イクシードナイツ」をプレイした。この二つも中々面白く、それぞれの作品に魅力的なキャラクターなんかもいたのだが、その辺の話はまた今度。

そのため本作再開までは少し時間が空いてしまったのだが、いやぁ、やっておいてよかった。あのままシーンだけを求めて読み進めなくて本当に良かったと思えるほど、熱くて素敵なお話が待っていた。というか最低でもイクシードはやっておかないとキールという存在、彼の行動目的が把握できなため、全然楽しめない。

本作でも大活躍だったキールくん。彼の徹底した勝ちっぷりには前作同様、見惚れてしまった。不足な事態が起きても焦らず冷静に、尚且つ楽しんで対処し、確実に女を堕としにいく。しかもそれが面白いほど上手くいき、ヒロインは笑みがこぼれるほど惨めな姿になるものだからたまらない。彼主導のシーンはすべてが爽快感に満ち溢れていた。

そんなキールくんは今作ではノエルのために動いているということで、これまた良い展開だった。前作、イクシードナイツでは自分にベタ惚れで、好き好きしてくるアピールしてくる彼女を軽くあしらっていたのに。やっぱり心の底では信頼していて、大切な副官だったのだなと思うと彼の評価もまた更に上がっていく。ただの変態のように見えて、実は律儀で思いやりのあるという、こういうところに私もマリエラも惚れたのだろう…。

さて、マリエラの話をすると、彼女もメインヒロインではないが、良いキャラしていたと思う。まあ一言で言ってしまえばただのちょろい女の子で、キールに堕と…忠誠を誓ってからは彼に付きっきりの彼女。

しかしただくっついているだけでなく、晴香がアビドの奴隷になる√ではキールのために身体を張ったり、TRUE√では自分を置いていこうとするキールを叱責したりとただの雌では終わらない。私はノエルがずっと好きだったため、気持ちとしては複雑だったが良い女だったのは間違いないかなと。後々考えてみると似た者同士の二人なのかもしれない。

TRUE√についても触れると、一言で表すと「ご褒美」だったかなと思う。キールの役回りといい、マリエラといい、とにかくイクシード陣営の会話が過去作をプレイした身としては嬉しいものばかりだった。そして極めつけはあのCG、あんなの熱すぎるだろう…。これまではその実用性の高さからシーンにばかり夢中だった私だが、終盤はすっかり燃えげーまーになっていた。

ここまで本作におけるメインヒロインの二人について話していなかったので感想を述べると、フィーネに関してはその絵の愛らしさからすぐに好きになり、シーンも堪能できた。彼女こそが本作のメインだと言わんばかりに服を剥がれ、色々突っ込まれ、色々出していた。戦闘における活躍はあまりなく、シーンでばかり活躍していたのは流石といったところ。意思も弱く、何かと付け込まれやすい彼女。でもしっかりと嫌がっているし、そういった描写も豊富だったため、マイナス点はあまりない。良い感じの弱い女だった。

ミスティの方はそのビジュアルから本作で一番好きになるだろうなと予想していたのだが、最初から半ば堕ちているような描写が多かったり、フィーネほど嫌がっている様子ではなかったため、陵辱がイマイチ消化不良なところがあり、可愛いがそこまでという感じであった。ただ、話では何かと活躍していたり、後輩ということでフィーネを助ける場面も多く、話の存在としては大いに役立っていたなと思う。
「私にとって、晴香さんは太陽です」。さらっと言ったが結構好きな台詞だったりする。

イクシード陣営はお話で、エリクシル陣営はシーンで(ライムちゃんが作中一えっちでした‼)活躍しており、TRUE√では晴香に関する重大な話が盛り込まれていたりと、楽しめる要素満載な作品だった。絵、シーン目的だったからこそ話の部分を楽しめたのかなとも思うが、この気持ちに噓はつけない。楽しかったなぁ…。