前作にて残された者達による更なる愛に満ちた物語。本作は中々読みごたえがあって、終盤なんかは話を盛り上げるために様々な工夫がされていたと思う。ただ、面白かったかというとそれは別で後味の悪さだけが残った。あと少し気になったのはシナリオ面も音楽面も大きく進歩したのにどうして絵はあんなことになってしまったのか...。
したいに群がる蝿達の中で一匹の蝶を見つけた。そう、楓ちゃんの事だ。友達想いの優しい女の子で、不器用でも直向きに頑張る姿がとても健気で愛らしい。そんな大切で愛おしい彼女がなぜあんな目に合ってしまったのか。彼女の事がお気に入りだった私としては、この娘はあの精神異常者に殺されたのではなく、作品に殺されたのだとすら思う。本当に残念で残念で仕方がない。