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asteryukariさんのランス03 リーザス陥落の長文感想

ユーザー
asteryukari
ゲーム
ランス03 リーザス陥落
ブランド
ALICESOFT
得点
84
参照数
247

一言コメント

仲間が増えることで会話がどんどん魅力的になっていく。酷い扱いをされている彼女達だからこその意見の一致を見て、たびたび笑わせてもらった。そして、ゲームとしても楽しむ幅がうんと広がる。笑って燃えて、本当に楽しい作品だった。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

リメイク作ということでかなり気合が入っていた。絵の綺麗さは勿論、まさかのフルボイス。つい先日まで02をやっていた私としてはその目まぐるしい進化に慄くばかりだった。一方で昔からランスシリーズを追い続けてきた人にとってはどうなんだろうか少し考えた。

調べてみるとシリーズの中でもフルボイスのものは本作だけということで、声なんかいらないという人もいたのではないだろう。ただ、私はかなり嬉しかったし、声もキャラに合ったものばかりに感じた。それもキャラクターを好きになる一つの要因とも言えるほどに。まあキャラクターごとの感想は後ほど。

さて、今回の物語は一作目の舞台リーザスからの救援要請で幕を開ける。いや、お前どの面さげて助けを求めてきてるんだよとリアには言いたくもなるが、可愛い可愛いかなみちゃんの頼みとあったら仕方ない。此度もランスと共に戦い抜いてやろうじゃないかと、腕まくりをする私だった。

ゲームシステムはここまでの二作と比べるとかなり戦力の幅が広がっていた。技のバランスを考えても良し、好きな技ばかりで組んでも良し、好きな女の子達で組んでも良し。本当にパーティを組むのが楽しくて仕方なかった。最終的に技も良くて顏もかわいい、そんな欲に塗れたパーティが完成していた。

そして戦闘は爽快。中には耐久戦になってしまうものもあるが、9割以上はスカッとする戦闘だった。クリティカルが出て一気に倒した時の快感は病みつきになる。エフェクトがいい味出していたなと。あとこんなに主人公が死ね死ね言うゲームも中々ないかなと。

敵と戦うのが楽し過ぎて自然とレベリングみたいなことをしていたので、ほぼほぼ止まることはないだろうと思いきや案外苦戦するところもあったので、難易度も丁度よかったと思う。

私が特に苦戦したのはトーマとノス。

トーマはもう硬過ぎてどうやって倒していいのかわからず、一時間ほど止まった。後に彼は遠距離攻撃ができないことに気付き、前の敵を倒さずにファイヤーレーザーでちまちま削るというハメ戦法で倒した。

実質ラスボスのノスでは軽い絶望感を味わったが、私を救ってくれたのは土嚢だった。それまであまり使用したことがなかったが、これほど便利だったとは。マジックバリアと合わせて大活躍だった。どのRPGでもそうだが結局、耐久戦が一番確実で強いのだ。毒技なんかがあれば役満だった。

他に印象深かったものとしてはホッホ峡での戦い。パーティメンバーがばらけて様々な拠点で戦う。こういった流れは大好物なため、最高に気分が高揚した状態で挑んだが…かなみとスーのどちらも育成していなかったためにまずはそこからという感じで中々に苦労した。でもそうやって苦労して育て上げたキャラの活躍を見るのがまた楽しいのだ。スーちゃんなんかは娘のように見えてきてしまって、もう可愛いのなんの。

ゲームの話はこのくらいで次にお気に入りのキャラクターについて軽く感想を述べていきたいと思う。

☆ランス
今作も勇ましく清々しい姿を見せてくれた。使徒でも魔人でも魔王でも迷いなく犯してしまう、そんな彼の凛々しい姿に惚れ惚れした。また、周りのキャラに対しても仲間になったからと言って優しくはしない。あくまで奴隷だと言い張るところにきゅんとしてしまう。

彼の下衆さが際立つシーンはいくらでもあるが、最も好きだったのはユニコーンの蜜を取りに行く場面。処女じゃないと逃げてしまうユニコーン(なのに処女だと迫りまくるという…)のために周りを見渡したが非処女ばかり。そこで彼が放った台詞がこちら。

「これだけ女がいて、非処女ばかりなのか、役立たず共め」

爆笑してしまった。志津香の「殺すわよ」があまりにも本気で再度笑った。他にはウ―くんの件なんかも非常におもしろい。

☆シィル
相変わらず良いようにこき使われている印象が強いが、魔剣が女を欲した時には断固拒否したあたり相当、ランスに大切にされている。02でもそうだったが、シィルがピンチになった時のランスは本当にカッコいい。逆にランスに危機が訪れると真っ先に心配する。最後に手を伸ばすシーンからは彼と彼女の絆の深さを感じた。

使い勝手が良いのは戦闘でも同じで、低コストでバンバン強力な魔法を打てるのが彼女の強みだった。回復役はセルにとられてしまったけれど、終盤は攻撃役として大活躍してくれた。攻撃の際の掛け声がとても愛らしい。

☆かなみ
何かと橋渡し役になることが多いかなみちゃん。一人でお使いが始まった時は笑ってしまった。挙句の果てには敬愛するリア様にも意地悪されてしまうし、どこまで不幸になれば気が済むのか。でもこれが彼女の魅力なのだ。今後も適度にいじめられてほしい。

忍者らしくカッコいい技が揃っているが、火力面では期待できず、かと言って防御もそんなに。まあ橋渡しになるもの頷ける性能だったが、可愛いから全く問題ない。忍者なのに悲鳴あげて敵に見つかっているのがまた可愛い。

☆志津香
アンゼルの件といい、ランスとの掛け合いといい、ヒロインの中でも特に出番が多かった彼女。おかげで大好きになってしまった。クールに見えて激情家な彼女がいじられて憤慨するたびに幸福感に包まれていた。加えて芯が通っているところも素晴らしい。そりゃあアンゼルも惚れるだろう。

アンゼルに裸を見せる作戦のシーンでは、彼女の心情を考えると中々複雑な心境になる。カスタムの事を気にし続ける彼女だ、恩を仇で返すような真似を平気で出来るはずがない。あの時ばかりはランスに少し怒りを覚えた。

好きだし、強いしで彼女はずっとパーティから外れることがなかった。HPが低いのが難点だが、そこは愛でカバーする。この先のシリーズでもわりと登場するようなので楽しみで仕方ない。

☆マリア
貴重な眼鏡っ子枠ということで何かあるかなと見ていたら埴輪への生贄となっていて吹いてしまった。しかも文句言われているし。印象深い戦車も彼女がいなかったら造られていなかっただろうし、何気に彼女の功績は大きいのではないかと思う。

彼女の土嚢には本当に助けられた。先人の知恵、それはどんな魔法よりも効果的であった。にしても科学の力を信頼している彼女が土嚢を整備しているのは面白い。そういう所も含めて好きだ。

☆セル
処女万歳!何かと人外の餌食になる彼女だが、物語が終わっても処女のままだったのには驚いた。ユニコーンとの一件ではいくところまでいってしまうんじゃないかと思ったが。彼女の回復がなかったら恐らくこのゲームはクリアできなかっただろう。本当によく頑張ってくれた。

☆スー
序盤はそうでもなかったが、仲間になってからはもう可愛さの嵐。初えっちの際に恥じらいから被り顔で隠してしまう所でやられた。一気に好きになった。レベルアップするたびに可愛いが溢れてきて、ニヤケ顔が止まらなくなってしまった。

戦闘面はトリッキーながらも案外火力があるのでそこそこ使っていた。にしても技の説明がいちいち可愛すぎる。本当にランスが、ランスの周りにいるみんなが好きなんだなと。

☆フェリス
性格といい、キャラデザといい、かなり好みだった。最も好きなキャラは志津香になってしまうが二番目は彼女かな。かなみとは違った不幸な女の子。ランスのせいで階級を下げられて、今度は急に旅へ連れてかれて。戦闘中に「なんでこんなことしてんだろ」と呟くのが地味に好きだ。

休むターンは多いものの、彼女の技はどれもインパクトがあって良い。クリティカルも出やすいし、ステータスも高め。おまけにタクシー代わりにもできちゃう。総じて使いやすいキャラだったなと。



本当に有意義な時間を過ごさせてもらった。戦闘だけでなくキャラの掛け合いも楽しめる良い一作だった。