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asteryukariさんの魔法戦士レムティアナイツ -光の乙女たち-の長文感想

ユーザー
asteryukari
ゲーム
魔法戦士レムティアナイツ -光の乙女たち-
ブランド
Triangle
得点
80
参照数
664

一言コメント

メッツァー様万歳!メッツァー様万歳!

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

ついにあの御方が帰ってきた!
歴代の魔法戦士たちが大集合!加えて「銀髪の魔王」ことメッツァー様が再び自ら先頭に参加し、野望を実現させる…。

もう始める前から大興奮で「NEW GAME」をクリックする手が震えすらした。そして作品の出来のほどはというと…最高だった、彼の活躍っぷりに終始興奮していた。やはりメッツァー様だ。この作品の七割くらいは彼の魅力溢れる行動によって構成されているといっても過言ではない。

異世界ロアにて闇の首魁として暗躍し続けており、女王となったティアナ率いる女神近衛団と永きに渡る対立を続けていたメッツァー様。そんな時、地上に新たな聖涙石の反応を突き止め、その反応の正体を確かめる為、再び自ら地上へと向かう。そしてそこで本作の新登場の魔法戦士である彩姫くるみと出会うことになるわけだ。

読み始めてまず初めに感じたのは、やはり喜びだった。ああ、帰ってきたんだなぁと。正直なところシンフォニックナイツ、エリクシルナイツのファルケとシルヴァは素質こそ十分だが、メッツァー様と比べるとどうしても劣って見えてしまう。久しぶりに見た彼は輝いて見えた。狡猾で用意周到、これだよこれ、これこそが私たちの求めていた、帰りを待っていた御方の姿なのだ。

この意識は私のものだけでなく、制作陣営、それから他のファンの方も同じだったのだろう。振り返ってみると実にメッツァー様贔屓な内容だったなと。これまで彼の代わりに魔法戦士と戦い、篭絡してきたファルケとシルヴァ。そんな彼らですら本作ではどこまでもメッツァー様の引き立て役であった。

彼ら三人はあくまで対等な協力関係にあり、そこに上下関係はないと、そう序盤に語られていたのに…読み進めていくと「今はまだ協定を守る」という選択肢と「協定を破る」という選択肢が出てくる。流石だよ、メッツァー様。そしてこの選択肢によって物語が大きく動き出す。ここからが本番なのだ。

ファルケ、シルヴァの協定を破り、彼らの領地へ侵攻し現在は彼の配下にあるシンフォニックリリー、エリクシルライムたちと戦う。その時の彼女達に反応がそれぞれ本編をプレイしたものからすると中々に心躍る。あれだけ強い正義の心、反抗心を持ち合わせていた彼女達が従順な部下になっているのだ、こんなの興奮しないわけがない。

そしてそのうちファルケ、シルヴァとも直接戦うことになっていく。こいつらはメッツァー様に育てられた息子のような存在故に結構手強かったりする。それまで開幕パラライズで縛って殴りまくればよかったのだが、彼らにそんな手は通用しないし、バンバン即死級の必殺技を放ってくるのだ。

彼らを倒しても処分するのではなく、また別の条件を持ち掛け再び協力関係を持ちかけるというのがメッツァー様のお優しさとカリスマ性が光る場面でもある。実質配下のようになっていたし流石だ…。

そして彼らが配下にした魔法戦士は勿論、これまで登場した魔法戦士を次々と倒し調教し自らのコレクションにしていく様は見ていて気持ちいい以外の言葉が見つからない。全ての宝は俺のものだと、そう言わんばかりの強欲っぷりを見せてくれた。

歴代の魔法戦士が次々登場する光景は心が躍るもので、スイートナイツの面々まで出てきた時は声を出してしまった。しかもその集合絵が熱いのなんの。そしてそんな彼女達に力の差をわからせるのが実に楽しいのだ…!

また、魔法戦士だけでなくファルケ、シルヴァの副官であったセラフィやフィエナ達とも戦うことになる。これが個人的にかなり嬉しかった。特にセラフィはクローンでありながら、その心の全ては局長たるファルケのためにあるのだと、そう言い放ってくれたのが嬉しすぎる。本編でもずっとファルケの側に居て、ずっと尽くしてきたもんなぁと軽く感動してしまった。

尽くしてきたといえば忘れてはいけないのはココノ。彼女のメッツァーへの忠誠心は凄まじい。レムティアシータに剣を向けられ、「貴方は騙されている」と告げられた時も一瞬も迷わずその事実を否定していた。あのシーンはスイートナイツで彼らの絆の深さを見た者ならば感動ものだろう、素晴らしい。

物語の終盤では偉そうにしていたピエナもしっかり磔にしてくれて、ただただ感謝の気持ちに包まれた。やっぱりメッツァー様なんだよなぁ…。

最終的に相手の策略を逆手取って見事クイーンティアナを地上に召喚し調教することに成功したメッツァー様。ティアナとくるみに奉仕させているシーンが結末の全てを物語っている。最後の最後まで勝ち組でカッコいい姿を見せてくれた。

これで彼の物語は完結したと言ってもいいだろう。やっとすべてが彼のものになったのだ。メッツァー様が封印される結末で、その後を描いた「ネクストイグニッション」は今のところプレイするかはわからないが、ここまで綺麗に終っていると手を出さずに終わりそうな気もする。

振り返ってみると本当に楽しかったなと。こんなにも楽しかったのは彼のおかげだ。
お疲れ様です、メッツァー・ハインケル様。ありがとうございました!!!