3人の呪術師おじさんによる愛憎因縁伝奇ピカレスク。
画面の半分くらい終始くたびれたおじさんで埋まる、ある意味挑戦的なゲームです。
出てくるキャラクターのほとんどが脛に傷を持っており、殺しにも躊躇しません。全員悪人。チームを組むのもあくまで利害の一致、そのドライな人間関係とそこが変化してくのかどうかも見所かも。
そして体験版では頼れる年長者だった苦松刑部がこんな厄介なキャラだと誰が予想出来たか。
文鳴、吐月、珠夜、偲とメインキャラは基本的に過去に囚われていたり精算をしようとしてるのに対して、刑部さんは辛い出生こそあれど、家族を理解しようと努力してみたり、ずっと前向きに歪んでるんですよね…。
歪みこそが呪術師の素養という設定のため、このおじさんが最強なのも納得しかない。
ヒロインに魅力がないというわけでもなく、珠夜の覚悟そして文鳴との関係(かわいそうな不二彦)、かつて限界集落の共有肉便器だったカノなど、刺さるところもありました。
また、インモラルな要素がメインストーリーに絡んでくるのも良い、終盤でこれが判明したときは結構な衝撃でした。
因縁が複雑に絡み合うシナリオやキャラクター同士の関係性が好きな人はハマると思います。