人生を描かれてしまうとオタクは弱いのです
ラズリー=瑞羽>雪月>その他という感じだった
一般的なゲームだと高校での出会いから、描かれて卒業。その後飛ばしてウェディングの一枚絵だったり、愛娘と三人で手をつないでる描写だったりが多いが、この作品では中学での出会いから、基本的に間を大きく開けることなく二人の結婚までが描かれている。最初に走ったラズリー√の最中、小学生として語られ始めた雪月が、Afterで大人の女性として出たときに思わずうるっと来てしまった。成長のBefore Afterを楽しめるのは最初のルートだけなので、そういう意味で一番気になるヒロインの√を最初に走るはおすすめかもしれない。
シナリオについて。萌ゲーというほどキャラに入れ込む主人公ではなく、シナリオゲーというほど紆余曲折した人生が描かれているわけではない。基本的にいわゆる「やさしいせかい」であり、主人公とヒロインの障壁になるものはおおよそ存在しない。(雪月と平然と家でいちゃつくので、いつ親フラするかドキドキしていたがそんなことはなかった)ので、つまりはシナリオが平坦であるともいえる。そこがこのゲームの好みが分かれるポイントで、そもそもボリュームが多いので走るのが途中で辛くなることがある...かもしれない。
ラズリー√は国際恋愛に詳しくなれる。エロゲで久々に涙腺が緩んだ。カナダ編とその後は人によっては蛇足かも。ライターと性癖がとても合って満足。瑞羽√は年上よりも幼なじみ要素が強く、主人公の過去がちょっとだけ掘られる。ライターと性癖がそこそこ合った。雪月√は良くも悪くもふつうの義妹恋愛。本当に普通。ほんの少しスイーツ。くすはらゆいボイス最高。ライターと性癖が合わなかった。憤怒。あと省略
曲について。ルートごとに個別の曲が2曲ずつ付いてくる。それもかなりのクオリティーで、だ。とても嬉しい。名のある方がたくさん歌われているので、一曲くらいは好みの曲があるのではないだろうか。ただ、個別にリソースを割いているからなのか、bgmが若干少ない気がする。シリアスなシーンが少ないので、そういう系統の曲数が省かれているのもあるのだろうが、正直もうちょっとほしいなと思ってしまった。
イラストについて。CGはとてもきれい、唇がぷっくりしている。一枚絵は少なめで、アフター編だと、もう一枚ずつあったら嬉しかったなぁと思う。シナリオの長さを考えれば必然的に一枚絵の頻度が少なくなってしまうのはしょうがないのは理解できるのだけども。
主人公は中学生にして一丁前に大人と渡り合う、我々がバカガキだったころとは似ても似つかない男。基本有能で、鈍感力を発揮することも少なく、行動もすぐ起こす。普段だったら絶対に感情移入できないし、もっと叩かれるタイプの人間なのだけど、ここまで二人の人生を描かれてしまうと何も言えなくなる。主人公の名前別に変えられなくてもいいと思います。
キャラゲーとシナリオゲーを足して割った感じなのかと思っていたが、Hシーンは結構ヘキを感じてエロゲエロゲしていた。あと複数ライター作品なので、人によってHシーンの描き方とか性癖とか違ってそこを比べるのはちょっとおもしろかった。
「冬」という要素をうまく活かしているのは、ラズリーと瑞羽だけだと思ったというのが、他の人はあまり言っていなそうな感想。ほか三人は正直冬じゃなくても物語が成り立つ。ある意味冬モチーフ合同みたいな今作で、出来栄えを自分が分けた原因があるとしたら多分そこ。
長々とした、いや実際にクソ長いシナリオだが、最後まで走りきればそれ相応の感動が待っていることは間違いない。一シナリオごとが重いので、時間を開けながらプレイすると、もしかしたらより楽しめるかもしれない(私は3日で走ってしまったが。)一言感想どおり人生を描いた作品なので刺さる人にはとても刺さる。長さを許容できない人にはただただ苦痛。そういう作品だが、私はエロゲで久々に泣けたというだけでこのゲームをプレイした価値はあった気がする。FD作らなそうな会社だけどアリサifをちょっとだけ書いてくれtone work's。