冒頭から5のキャラが登場してワクワクしたりもしたが、無印で放り投げられて本作で語って欲しかったような内容はほとんど語られず、ほぼ付き合った後のイチャイチャを少し提供するだけのありきたりなFD。雑設定てんこ盛りなのも相変わらず。全√打ち切りエンドみたいな無印の続編で見たかったのはそれじゃないんだよなぁ…。 長文感想は自分の思い出し用メモなので見る価値なし
(D.C.4をプレイするにあたって過去作の記憶が全部綺麗に飛んでて悔しい思いをした為、未来の自分の為の思い出し用プレイメモ。(原則上から順にプレイ中にメモしているだけなので、クリア後の感想とは異なる部分もあるかも)
点数に見合った酷評が多め。ネタバレを含むので未プレイの方は注意)
元々3までほぼプレイしていたが4には食指が動かずスルーしたままちょっと気になったD.C.5をやろうとしたら「先に4やれ」コメを見て腹を括ってプレイした所ひどい目に遭った4無印の続編。
果たして本作で無印の酷さを払拭できるのか!? …まぁ払拭する程の作品であるならもっと高い点数がついてるよね、ってことで一切期待せずにプレイ。
◆プロローグ
冒頭から5のキャラが出てきて、とっくにインストール済みの5と間違えて起動したかと3度見くらいして更に公式サイトまで見に行ってしまった。
一足先に顔見せだけ?それともここで人気が出たから5でヒロイン昇格?…さすがに前者かな、何にせよ面白い。BGMも良い。だが待て一切期待するな本作は中央75点だ。
前作では「生徒全員お祭り好きだから!」とかアホな事言ってたけど今作では「お祭り好きが多い」に変わってた。そりゃそうだよなんだよ全員って。
と安心したのも束の間、今度は1週間の前半が体育祭で後半が文化祭として開催するカガサイとかいう非常識極まりない設定出してきて「お祭り好きな学園」で片付けてる…相変わらず思い付きの雑設定すぎるでしょ。そりゃ全員に使える話のネタとしてめっちゃ便利なんだろうけど…。
既に嫌な予感しかしないが、やらないと気持ちよく5がプレイ出来ない為頑張る。
推奨攻略順はどうやら特に無さそうなので、無印とほぼ同じで。
ちなみにシステム回りがぱっと見無印と同じに見えて細かいところが結構色々改善されておりストレスフリーに。ありがたやー。
◆詩名√
一応無印では相対比較抜きにしてもそこそこ悪くなかった詩名√の続き。
あれ詩名さん微妙に声変わっ…続編あるある。
学生の体育祭でe-Sports採用も大概だけど、杉並に勝つために自分達だけ複座式とかレギュレーションって概念ないのかなこの世界…。相変わらず滅茶苦茶な設定多めかつ割と先の読めてしまうシナリオ展開。
めっちゃエヴ○で見覚えのあるシンクロ率特訓とかしてるけど、PvEならまだしもPvPのアクションゲーがこれであっさり最強になれるなら世のカップルや夫婦ゲーマー最強やんなぁ…。
てか結局ゲームの練習しかしてないし、実際文化祭のぶの字も無いまま終わった。だからセット開催とかアホな雑設定やめろと…。
無印で投げっぱなしで終わった詩名の事情周りについての覚悟や向き合い方も一応は見せてくれて、何よりくっついた後の短かさからイマイチ発揮されてなかった「デレたら私とんでもないですよ」をそれなりに見せてくれたのでなかなか悪くはなかった。
今でも帰還チャレンジして失敗し続けてるってことは、もしある時急に成功してしまったら念願成就と言えどしんどいねこのペア。でも向こうの世界の実の両親は娘が絶賛行方不明中でガチ悲しんでるだろうからこのままじゃあんまりだ…。
本作をプレイしているタイミングの都合でD.C.4は今作で終わりであることが分かっているので、つまりこの2人の問題は結局解決せずか…せめて例えば帰還は失敗しつつも偶発的に元の世界の両親に連絡だけ取れましたーくらいあればまだマシだったのにな。
え?この物語の中心だったゲーム(アマクラ)について? ……あ~……アクションゲーを文章でうまく描写するのってやっぱ難しいよね!
ボリューム的にはプロローグから始まった体育祭(e-Sports)に勝利して終わっただけなので普通に物足りない。恐らく他√もテキスト量的には大差ないんだろうな…。
それにしてもほんとD.C.4における杉並って「困ったら杉並に全部やらせとけ」くらいのただの便利キャラよなぁ…。
◆ちよ子√
無印では詩名にサポートされながら順調にくっついて、その後も3人で仲良くしてたことくらいしか印象に残ってない。ちょこ自身は割と好き。
ちょこのTuber活動まわりを軸に、勉強も恋も全部頑張るぜ!な物語。実況やらが褒めそやされすぎの優しい世界っぷりが若干キショいけどまぁこの√ではちょこがヒロイン、お姫様だからね…。
√全体でちょこの可愛さをちゃんと見せてくれてる。逆に言うとこの√って特別何かがあった訳でもなく「ちょこが可愛かった」くらいの感想しかないんだけど、元々魔法とか関係ない普通の女の子なヒロインだから、この√に限ってはこれで十分満足度高め。
あれだ、「こういうので良いんだよこういうので」って感じ。
あたしちゃん様との2度目の邂逅、内容は前回の続き…というのはプレイヤー視点であり、前回の邂逅は詩名√だったので主人公視点ではこれが初。なるほど平行世界…パスって言ってたっけ?を渡ってる的な演出か、面白い。
◆ひより√
無印では先に美羽√をやってしまったが故に「それさっき見たからもうええて…」からの、ようやく付き合ったと思ったらあっさり終わりで非常に物足りなかった、その続き。
文化祭に向けて杉並が暗躍してるけど俺達はどう立ち回る?杉並に協力するか風紀委員に協力するか…いや俺達は俺達で更に別の事をして盛り上げてやろう!って流れ。
ちなみにこの√では文化祭だけがメインで体育祭は1クリックで終わった。ほんとこの設定さぁ…。
ていうか後夜祭込みで8日間通しでカガサイ期間とかほんと設定エグい。生徒はともかく教師陣はぐったりだよこれ。
この√は先の二人のようにヒロインの可愛さを見せに来るというよりは普通にバランスの良い1エピソードって感じで締めも綺麗なんだけど、無印で特に足りなかったイチャラブが本作でも不足気味なのが残念。
あたしちゃん様3度目。これ全√にあるんだね。全クリ後にやり直したらこのパートどうなるんだろ…。
そして相変わらずBGMが良すぎる。D.C.5でこのキャラのBGMか魔法使いのテーマか何かなんだろうけど、D.C.4のどのBGMより良い…つまり本作のBGMが完全に食われてる(主観)のはどうなんだろう…。
◆美羽√
無印では割と早めから両想いになって初々しい恋愛模様をいい感じに描いていた美羽√。でも正直和風喫茶の制服を何度も着させられてたなぁくらいしか記憶にない。
冒頭から小動物系彼女全開…なにこれ可愛い。可愛さというか可愛らしさがヒロイン中でもピカイチだよね。
内容的には割とツッコミどころが多いけど、どうやらこの√は美羽の可愛さや内面を色々見せてくれる為だけのもので、ストーリー自体は割とどうでもいいのかも。
(そもそもこの作品はファンタジー要素除外して普通の事柄だけに絞っても考え無しな設定のオンパレードなのでいちいちマジレスしてたらキリがないんだ…)
力失ったなんて描写無かったから一応この子今でも他人の頭上に恋愛指数的な物が見えてるはずだけど怖いくらい一切触れられない。まぁ忘れよ忘れよ…。
魔法要素無かったことにするならこれで良いね。あぁ可愛かったー。
天文部が夜に受信機とツナマヨおにぎりを用意して宇宙人と交信ってさ…全く覚えてないけどもしかしてピンクのクマ型宇宙人だったりしないかそれ。シャケのが良いぞ多分、知らんけど。
…とか思ってたら、やっぱりそうじゃないか!でも本作においてkotoriがあんな感じってことは、うーん時系列…?でも時間の概念なんてあって無いような物か…?
◆二乃√
無印では地雷女詰め合わせパックで死ぬほど不快だった二乃√。”ライターの被害者”的な意味では可哀相なヒロインでもある。
愛別離苦だの遠回りだの大きなすれ違いだの勘違いだの辛い経験をしたからこそ今の幸せがあるだの、冒頭から無印のシナリオのフォローに必死な主人公くん…。
ストーリー内でキャラがクズすぎて炎上して、まるでそんな事実なかったかように振舞ったけど誤魔化し切れず露骨な火消しシナリオ実装して更に大炎上したソシャゲを思い出した。
無印二乃√のコンセプトだったと勝手に想像している「面倒な女の子は可愛い」(ただしやりすぎて超絶不快)と、全て受け入れてただ振り回されるだけの主人公は一応健在だけど、神様お姫様女王様妹様~が目立つのは序盤くらいで、途中からは普通に仲良く過ごしてお互いに心のこもったプレゼントしあってハッピーエンド。
無印の反省からか超無難にしてきたなー感あり、でも無印二乃がぶっ刺さった人がもし居るなら物足りないことこの上なさそうな内容でもあり…どうなんだろうねこれは。
◆諳子√
無印では書くべき項目リストを渡されて上から順に消化していっただけ感溢れるテキストで、導入や話の流れの作り方やシーンの繋ぎがとにかく雑で終始微妙な気持ちで読み進めた√。BADからの時遡の魔法で最悪の事態は回避したけどおれたたENDだったか。
そらねぇが常坂兄妹以外にも関心を向けるようになったという心境の変化自体は良い傾向だろうけど、
少なくとも引受けた時点で本人にとって体育祭で水泳に出場するなどトラウマ直撃なイベントであり、つまり結果クラスの足引っ張ったり最悪棄権も有り得る事が見えていたはずの役割を「クラスの為に」と引き受けてしまうのは、逆にその精神を心配するエピソードが作れるくらいの不自然さである。相変わらずの雑設定。
無印で最後まで「この設定が無い以上辻褄が合わないぞ、ライター間の連携ミスか?」と思ってた、姿(年齢)を自由にに変えられる設定が唐突に登場。でもこれについては恐らく本当に設定はあったけど語り忘れただけだったんだろうな…それに気付いて本作で無理矢理入れに来た感じする。
それはそれとしてロリそらねぇかわいい。通常時の立ち絵は初見からずーっとバランスに違和感あった(頭が縦長なんだよね…)し、こっちの方がシンプルに出来が良い。
何とは言わないけど、「は?ロリモードでやれよ!」と思った人はきっと多いよねこれ。合法だしやってやれないことはないだろうに安牌取りやがって…。いや何とは言わないけど。
ところでこの√、そらねぇ小さくなる必要あった?シナリオ的には別に何の意味もなかったよねこれ。単に泳ぎの練習だけじゃさすがに物足りないから説明ついでにもう一つまみ?まぁ可愛かったしなんでも良いかー。
無印とは異なり、目に余るテキストやシーンの雑さ、ツギハギ感は無く、特に不快感なく読み進められたのは嬉しい誤算。
しかし無印でおれたただったそらねぇの問題は解決しない…というよりろくに触れもせず、他√同様カガサイに向けた日常シーン描いて「この何事もない日常が一番大切なんだ」みたいな事言って綺麗に終わった風の雰囲気出してた。いやいや違うでしょ。たとえこの√以外の全てがそれで良くても、君たちに限ってはその何事もない日常を脅かす重大な問題があるでしょ。わざと言ってんのか?現実逃避してるんじゃあないよ。
その辺抜きにただのFDとしても物足りない寄り。
◆有里栖√
無印では途中までは魔法要素あり色々なネタバラシもありで結構悪くなかったけど、有里栖√に分岐してからはラストの山場としてエモ演出しようとしてクソしょうもない滅茶苦茶な展開繰り広げた√。島民勝手にマインドコントロール計画、マジでやってることヤバかったよね…。
そもそも有里栖と有里咲でなんで√分けたの?感が強かった…何なら今でも2人並べてどっちでしょうクイズされたら無理だし。センターだし尚更、1ルートにまとめてその分力入れて欲しかった。
とりあえずこっちの世界出身、食いしん坊の方。
ワンダーランドがまだ開発途中で来年の夏に新規エリアオープン予定…これは次回作以降への布石かな?
他√では触り程度でいつの間にか完成していたカガサイの出し物「ハートの女王のラブ裁判」に関する深堀りが主な内容。
といってもこの√を最後にやっている都合、他√でちょこちょこ触れられてきた情報で大方足りてしまっている為あまり目新しさもなく、製作過程を半端にそれっぽく描かれても面白くもなく退屈。
こういう技術的な話は某飛行機や某ロケット製作を扱った作品のようにがっつり深掘りするか、逆にほとんど触れないくらいの方が良いんだよね…半端に掘っても薄っぺらいご都合感溢れるシナリオになるだけ。しかもたった数日(実働3日間くらいじゃなかった?)でガチ初心者の集まりが1からVRゲー完成させるって、天才集団にも程がある。
どうでも良いけどお題に対して二人の回答が一致していれば正解なクイズで、有里栖の「初めて好きって伝えた時」と主人公の「有里栖に自分の気持ちを伝えた時」で正解判定なのはおかしいよね…君らの場合はそうだっただけで、イコールじゃないよそれ。
あと「文化祭終わった!SSRメンツ(だけ)で打ち上げだ!」って…クラス全員でめっちゃ頑張ったのに主導した連中が揃って抜けて残されたクラスメイトは一体どんな気持ちになると思ってるんだ。そのくせ「みんなに世話になったし、一緒に分かち合わないとだな。」とかよく言えたもんだなこの主人公サイコパスかよ。やっぱ主要人物以外のモブは人間じゃなくてNPCな世界観だろこれ…。
最終的にワンダーランドの公募で採用されてお城という特等席のアトラクションになるかもーとか言ってたけど、少なくとも今のところゲーセンの1筐体レベルの内容だよね…
ていうかそもそも不思議の国のアリスモチーフのテーマパークにハートの女王モチーフのアトラクションが予定すら無かったとかさぁ…。
◆後夜祭
幕間。後夜祭が終わった後、杉並からSSR全員に向けての挑戦状が叩きつけられ…主人公達が学校施設「を」やりたい放題しまくるだけの悪い意味で非常識なシナリオ。しかも校庭でものすごい事起きてるのに誰一人見に来ることすらなく「帰途についていたはずの観衆」だぁ…?
何度だって言いたくなるけど、本当にこの世界ちゃんと作中におけるリアルワールドなんだよね?魔法で作られた仮初の世界とかじゃないんだよね??ライターどうなってんのほんと…。
皆で和気藹々としているところに唐突に謎の有里咲+主人公?が現れ一曲披露して消えた。一体何だったのかはさっぱり分からないがちょっとワクワク。
◆有里咲√
上では有里栖と有里咲の見分けつかないとは言ったけど、キャラ的にもストーリー的にも有里咲の方が好き。 無印では魔法とかちゃんと出てくる方のD.C.らしいシナリオでなかなか悪くなかったのに終盤急に打ち切りみたいに雑になり、有里咲が転校してきて公開ビンタ&キスして、これからだろうって所であっさり終わった√。
過去改変してマナの乱れがなくなってるからひより(と美羽)の魔法もなくなっていたり詩名なんてそもそもいなかったりする。
無印のルートロック的にまさか有里栖の方が正史なのか?とも思ってたけど、本作的にやっぱりこっちで良いっぽいね。じいさんの「俺を追いかけて来い」みたいな奴も回収しなきゃいけないだろうし。
本√は後夜祭シナリオでちょっと登場した後に解禁される√ではあるが、開始日は他ヒロイン同様11/9。
つまりまたしても他√と同じカガサイの流れで一体何番煎じだよ…と思いかけた所で、他√では少し会話しただけで何も起きなかったあたしちゃん様(愛乃亜(めのあ)というらしい。定期的にフリガナ振られるのおもろい)がついに直接的に接触してきて持ち去った懐中時計を取り返すために魔法を駆使して追跡する、その為に愛乃亜が各ルートでの接触時に残していた痕跡を1つ1つ回収していくという流れになる。…のだが、せっかく魔法で他の世界線を渡り歩くなどというワクワクしそうな内容だというのに中身が薄すぎて2回も見ればお腹いっぱいな作業をご丁寧に7回繰り返されるという冗長シナリオ。
またプレイヤーはともかく主人公達は痕跡が全何個か知らない癖にのんびりしすぎだとか、カガサイで語り手不在で中止になりかけている朗読劇の代役務める話も1回やって有里咲が満足して終わったけど全1回公演な訳が無いんだから残りは中止になってるよねとか、他にもちょこちょこ書き手が語りたい事以外の雑さが目に付く。
そして本√最大の見せ場が、後夜祭シナリオでチラ見せされた上ここまでの流れで全部丁~寧~にネタばらしまでされてる為、焼き増しとまでは言わないが恐らく書き手が狙った程の盛り上がりにはならない。
昨今のアニメに散見される、既に想像で補完するに足るだけの十分な情報が開示されてるにも関わらずわざわざ追加要素盛ってまで過去回想シーンにがっつり4話くらい使われたような感じ。
先に後夜祭シナリオで謎の現象を見せて「一体あれは何だったんだ?」と思わせた所までは面白い演出だったのに、ここまでだらだら解説パートを挟まれては興醒めもいいところ。まさに冗長、蛇足。何でもかんでも全部書けば偉いなんてものではない。
さすがに全く不要だったとまでは思わないが、ネタばらしパートは薄くなり過ぎない程度に簡潔にまとめて続きに尺(テキスト量)を割くべきだった。プレイヤーがより見たいのはそっちだ。
じいさんの「俺を追いかけて来い」も未遂でまたしてもおれたたエンド。既に5の続編まで発売が予定されている現状で4の3作目が出るとも考えにくいし、もしかして本格的に5とかに引き継がれるんだろうか…。
結局愛乃亜が言うところの「凡人」やED前最後に出てきた白髪のキャラって誰だったんだろう…5をやれば分かるのか、過去作キャラか。過去作の記憶が全リセされてるのが悔やまれる。(スタッフロールのCVで「凡人」の正体はバラされた気がするけど、兼ね役的な感じでたまたま同じだけかもしれないので確定ではない…まぁ確定なんだろうけど、まぁ。。)
それとED後の最後のシーンはめっちゃ嬉しかった。D.C.4は無印から初代(D.C.1)の色が濃い目の作品だったのもあるし、何なら本作での宇宙人ネタも改めて”初代を”意識させるための仕込みだったのかな…からのアレでしょ、不意打ち大成功だよ。してやられた。
けどどういう意図のシーンだったんだ…?じいさんが若かりし頃に彼女と出会ってましたと。…で?次回作への伏線…?
◆総括
無印も本作も、何気なく読んでるだけなのに「ん?いやそれはおかしいでしょ」とつい引っ掛かってしまう設定なり言動なりがあまりにも多すぎて、その度に冷や水をかけられたような気持ちにさせられる。その積み重ねで最終的に「本当に隅から隅まで雑な作品だったなぁ」と思わされてしまう、そんな作品だった。
いちいちツッコミを入れても仕方がないと分かっていても、人が生きてそこに居るならそうはならんやろというレベルの不自然さ故に、喉に刺さった小骨のようにチクリと向こうの方から主張してきて実に鬱陶しい。
おかげでこの世界が生きてない感、書き割りのような薄っぺらさがいちいち付きまとう。そのせいで無印では途中まで何らかの力で作り出された仮初の空間に主人公達だけが居て他は全てNPC、といった世界観なのかと誤解していた程だし、本作でも分かっていても尚「やっぱりそういう世界観だろこれ…」と何度も思わされた。
書き手が語りたい事以外はどうでもいい、細かいことは気にしないという考えが根底にあり、そのくせキャラゲーと割り切るでもなく中途半端な温度感で話を展開する。よって作品としての軸も定まらず、つまらない。
勿論良いところがゼロとは言わない。前作レビューでも褒めている点もある。が、マイナスのあまりの大きさの前には霞むどころか完全に見失ってしまうレベルだった。
総テキスト量はこれくらい、D.C.シリーズだからヒロイン数は多めに8人、じゃあ頭割りで1人当たりのテキスト量はこれだけね、としたであろう結果の、この「広く浅く」なシナリオも本作を残念足らしめた大きな要因だろう。(それでも書き手次第ではマシにもなれたのだろうが…)
商業である以上予算の中でやりくりせざるを得ないのは仕方ないのだが、それをプレイヤーに感じさせてしまうのだけは駄目だろう。
もし無印と本作が最初から1本のゲームとして出ていたなら、(それでも救いようがない部分もあるとはいえ)もう少しマシな点数がつけられたとは思う。
でも実際は、無印は大半の√が凡作以下かつ全√打ち切りエンド、そして本作はほとんどが無印に不足していた結ばれた後のイチャイチャを少し見せてくれるだけのありきたりなFD。全√が似たような構成で展開に飽きがくるのも実に良くない。
恐らく大半のプレイヤーが見たかったのはこんな全√似たような毒にも薬にもならないサイドエピソードではなく無印でぶん投げっぱなしの内容を補完する物語であり、そういう作品であったのならまた評価も違ったろうに…。
D.C.シリーズとしては残念と言うしかない。
全√クリスマス前で終わってるし、もしかしたら売れ行き次第ではクリスマスシナリオや更にその先なんかも小出しで少しずつ補完していくつもりだったのだろうか。
でも愛乃亜が出ている事からもこの時点で4は終わりで残課題は5に持ち越しだったとも見える。この製作は一体どういうつもりだったんだろうなぁ…色々な意味で。
無印、本作含めての総評としては、
本作独自の設定:×~△ …D.C.シリーズの設定を除いた物を指す。別に普通の設定もあるので一応「~△」
シナリオ&テキスト:×~△ …分けて考えるのが難しかったのでこれで…
CG:◎ …個人的には可愛い寄り過ぎるけどレベルは高いでしょう。立ち絵も込みなら1ランク下がる
演出:△~〇 …並としか。パス移動時のぐるぐるはシンプルにウザかったです。たびのとびらかよ
キャラ:△ …これは個人的好みかな…元々D.C.シリーズ大半やってるのにスルーしようとしてたくらいなので…
声:◎ …好みはあれど演技面の不満などはそうそう無いレベルの声優さん方
BGM:△ …日常シーンのBGMとか大抵やかましいだけ。”悪くはない”レベルの曲がちらほら程度
えちちなシーンは前作同様全員2枠と昨今のゲームとしては少ない。
CG内訳は、無印の1回目に2枚→2回目に使いまわし2枚+新規1枚の計3枚というやり方がすこぶる不評だった反省からか、本作は2回×2枚の計4枚になった。
CG枚数だけで語れるものではないけど、シンプルに総枚数が増えてるのは確かなので良いことかな。
無印でエロ薄と評したテキストは、本作でも大差ないような、気持ちマシになったような、くらい。
無印では一応計5シーンというか5カットというか?だったのに対し本作は計4シーンな分、1シーン当たりのテキスト量が増えたのはありそう。
次回作への伏線と取れそうな物が散見されたり普通に未解決項目だらけだったりするのは気になるけどD.C.4という作品は恐らく本作で終わりということで、、なら5に続くのか?5やろうとして見かけた「先に4やれ」コメはそういう事なのか?
もしかしてD.C.4って言ってしまえばD.C.5/Zero(有里咲√ )的な位置づけの作品なのか…?
まぁ、ようやく4をクリアして待ちに待った5がプレイできるようになったので、やれば分かるよね。
元々5はヒロインに興味を持ってプレイしようとしていた所だったし、その評価も現時点で(データ数29は若干心許ないけど)中央80の偏差5とそれなりに期待して良さそうなレベルだし、普通に結構楽しみ。