悪くはない。悪くはないんだけど、主人公に芯が無いのと同様に物語にも芯が無い。「またか」と「今度こそ」の違い。
一体、何を主軸に据えたかったのか。
タイムリープもの?異能バトルもの?仲間との友情譚?
タイムリープにしては色々お粗末な点が目立つ。(記憶と時間のパラドックス的な意味で
異能バトルにしてはラスボスまでそういう要素が少ない。
友情譚にしても、既に物語の前に濃密な仲間関係が構築されているうえに、彼らの物分かりが良すぎる。その要素は最後以外ない。皆が集結して、という意味では。
メインヒロイン不在の脱落形式であることが最大の欠点。
やり直すたびに主人公の気持ちがぐらつくのは分かるのだが、いくらなんでも主人公が本末転倒な行動を取り過ぎて、リープによるやり直しが「またか」になってしまう。そして、最後の周を迎えても、「ようやく終わるのか」という感じしかしなかった。そこには、それまでに描写の少ない妹が、「あ、死なないんだね」で終わて何の感慨もない。ヒロイン間にも、「オーブを割ってよかったね」という意味で格差(ココネとアイル対セナとノノ)がある。
だから、大団円にもカタルシスが無い。
(せめて、アイルが嘘をつくところを描写すべき)
そういう意味で、「今度こそ」やり遂げるんだ、という印象がなく、上記3つの要素全てが中途半端になってしまった。