ネタの際どさ、クオリティ、物語のテーマなど全てが同人チックな商用エロゲ。ギャグや物語の質は異なりますが、Marronのエロゲと傾向がよく似ています。●学生に襲い掛かる不幸を彼らなりに解決するシナリオは、独特でかなりクセのある内容。エロ部分含めて遊び手を選ぶ作品です。
共通パートはギャグ路線、個別がシリアスパートのよくある流れ。子供達が大きな
不幸を前に打ちのめされる物語です。声が無くキャラもデフォルメされているため
表現はソフトですが、どのシナリオも陰惨な展開。いずれもハッピーエンドで終わる
のが救いですね。
ギャグの内容は旧Key風味。子供の悪戯をエロ増しで悪乗りさせたといいますか。
たい焼き食い逃げしたり、授業中暇だからとヒロインの髪を毟っても罪悪感の欠片も
持たない、あんな感じのノリです。犯罪バッチコイなので人によっては嫌悪感を
抱くかも。
個別ルートはいずれもクセが強め。罪悪感の無さ、大人ではない立場への焦燥感、
リスクに対する責任感の無さなど、いかにも●学生らしい行動が特徴的で、それを
面白いと感じるかはその人のセンスに拠りそう。
なんていうか、見てて苦々しくなる展開が多いんですよね。親の七光りで好き放題
やったり、意味もわからず快楽のみでセックスに明け暮れたり、人を傷つけるような
ことを平気で犯して、そのしっぺ返しをここ一番で食らったり。
状況と行為が共に陰鬱で、とても明るい気分にはなれないストーリーです。
特にくるみシナリオ終盤はエグいです。主人公も子供らしく、甘ったれなエロ悪ガキ
だから本当に救いようがない。
その苦味を越えて成長する様、踏み潰されても必死に成長し生きようとする、たんぽぽ
のような姿を善しとできる方であれば、本作を楽しめるかと思われます。
ということで、万人に受ける物語ではありませんし、シナリオ自体のクオリティも
高くは無いため点数は抑えめ。ロリエロも今ならより良好なものもありますしね。
ですが他のロリゲーにはない、子供が主人公だからこそ見られる物語を書いている
のもまた事実。
決してオススメはできませんが、興味のある方は食あたりを覚悟でプレイしてください。
苦味と毒だけを感じるか、その中に旨みを見つけるかは食べた人次第ですので。