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amadanさんの嘘つきナレットの優しい暗殺者の長文感想

ユーザー
amadan
ゲーム
嘘つきナレットの優しい暗殺者
ブランド
雨傘日傘事務所
得点
95

一言コメント

全体的にあっさりした印象。たぶん日常シーンが薄かったからだと思う。しかし、燃えるシーンはさすがの一言

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

このサークルの作品は「ヴィザルの日記」「午前零時の賛美歌」「黒曜鏡の魔獣」「ヴィザルの日記~補記~」がプレイ済みで、現在「エリュズニールの騎士」をプレイ中。

基本的にはすごく面白かった。
登場人物の掛け合いは相変わらず笑えるし、ほとんどのキャラは個性的で萌えるし、燃える作品だった。

不満と言うか残念だったのは一言にも書いたが、あっさりしていること。
日常シーンの部分が短かった気がする。
特に主要キャラ四人での掛け合いはもっとあってもよかったんじゃないかと言いたい。
かっこいい悪役はいない印象。あえて言うならテオドールかな。

雨傘日傘事務所の作品で一番新しくやったのが「ヴィザルの日記~補記~」なので間の作品はわからないが演出面の強化が半端なかった。キャラが本当によく動く。この手の作品ではプロアマ問わずにこのサークルが一番なんじゃないかと思う。

エロシーンはほとんど和姦。1つだけスティラじゃない奴に抱かれているシーンがある。
和姦と言ってもプレイのうちいくつかはSMしてたりする。
作者もブログで書いているが、エロは見ずに話を進めても支障はない。
1つを除いて。

終盤はもうかなり燃えた。
終盤からエンディングまでの流れが、演出も加わってすごい疾走感がある。
全員かっこよすぎる。

オープニングのムービーも曲もかなりかっこよくてサントラを買おうかと思う。



~こっからネタバレ~

ナレットが城にいるときに他の男の相手をさせられていたが、レグリアが生きていたときもそうだったのかがよくわからない。それともレグリアと結婚してたときだけ相手してなくて侍女だったときからやってたのか?(ナレットはやたらと手馴れていた)

最後に追加された日誌はどういう意味なのかも微妙にわからない。
ナレットがアラト・アラトを暗殺したときの回想というのが普通の解釈だとは思うんだが、冒頭で「とおいさきいつかの時代」となっていたり、黒琥珀の断章のナンバリングが698563になっていたりしていて死んだ魔女はナレット本人じゃないのかと深読みしたくなる。(ナレットが魔女を殺したのもスティラと出会う前のことだったハズ)
でも、もしそうだとしたら魔女は不老不死になるのかとか新たな疑問も出てきてしまう。

スティラの「ノッキング・スワロウ」という二つ名がついたダークエルフとの戦闘ももうちょっと詳しく説明が欲しかった。

そういう意味ではモヤモヤした部分もある不完全燃焼なところも残ってしまった。

とはいえ、終盤に向かっての熱はすごく、夜会のシーンからかなり燃え上がった。
そのときの主要キャラは全員かっこよすぎる。

死者二名はテオドールと、もう1人はおそらくナレットとHしてた北方貴族なんだろうな。

どうでもいいことだがドレイクの声優が「ヴィザルの日記」のクリノラスと同じ人で慣れるまで違和感がひどかった。