シナリオの中身自体はありふれたものなのだが、構成が上手く、また視点の切り替えなどもいい方向に機能していたと思う。first taleの方でも感じたことだけどムービーやCGに関しては業界トップレベルと言っても過言ではない程のクオリティであったと思う。そういった部分も加味してこの点数。
ここからはネタバレ全開で中身についてオナニー感想を
今作のテーマは目標という意味での「夢」であろうか。
どの章でも頻りに明確な目標を持つことを啓発しているように思えた。
1 2章ではよくある思春期の迷いなどを恋愛と交えて描いていた。
3章では「当たり前」を嫌っていた主人公が13時間しか記憶を継続できない千尋と出会い、惹かれていくが、刹那的にしか生きられな
い彼女とつきあっていくことに困難を覚えてしまう。
しかしそれを乗り越えるために彼は努力することで成長していく。
「事実」としては覚えていられるがその時の気持ち等は忘れてしまうため、自分のことすら客観的にしか見ることができない彼女は自ら
が創作した物語によって世界へ対する絶望感や寂寥感を表した。
これは自分の「想い」を口にすることが少ない彼女のありありとした心理描写として見てとれ、胸を打つものがあった。
いろいろ考えさせられるシナリオだった。
4章は「死」が近づき、生きる意味を見失った主人公がミズキと出会うことで、その真っ直ぐな生き方に惹かれ、残りの人生を幸せに生
きようと考え直すストーリー。
ミズキに届いたヴァイオリンに一緒に入っていたメモに「ありがとう」と書いてあったシーンがとても印象的。
死ぬのが怖い人なんかいない。
無理に強がることもない。
そのようなことを教えてくれるシナリオだった。
また結末を描く前にこの作品のメイン2人のエピソードを挟んでくる。
先が気になってどんどん読み進めることができ、3章あたりで感じた中だるみもここ以降は全く感じなかった。
メイン2人の話である最終章ではこれまでの伏線が回収されていく。
中でも学校の屋上の鍵の受け継がれ方は秀逸だった。
学校の屋上=迷える人がいく場所ということなのだろう。
1章の主人公まで行き渡る経緯はとても面白い。
優子がレイプされまくっていて心の傷を負っていたというのもなかなか衝撃的な展開だった。
これに関しても優子や雨宮が寝不足であったところなど、伏線は結構あったのだが。
あとは最初に優子が飛ばした紙飛行機のくだりもとてもよかった。
彼女がずっと助けを求めていたと思うと何とも言えない気持ちになった。
優子が既に死んでいたというのはなんとなく予想できていたのだが、まさか事故であんなふうにあっさりと死ぬとは思っていなかった。
もう少しなんかファンタジーな死に方をするのかなーと予想していただけに拍子抜けしてしまった。
多少中だるみをする部分はあったが、かなり好きなゲームになった。
1 2章の登場人物がもう少し後半も絡んでくることを期待してたのにそれがなかったのが心残り。
みやこちゃんかわいいよみやこちゃん