簡単にヤリ捨てできるヒロインと出会ったらどうするか。
絵、とりわけ萌え絵の非処女(既婚者除く)とエッチするのは、なかなか大変です。このゲームに登場する非処女ヒロインには、更に、「学園生」「おとなしい」「お話・恋愛重視のゲームのヒロイン」という、非処女ヒロインとしては特異な属性が付加されているので、もっと希少価値が高いのではないかと思います。あと、○辱ではなく任意での恋愛を経験というのも僕の中ではポイント高いですね。「おとなしい」性格とのギャップで。
このヒロインは、エロゲ非処女ヒロイン萌え界では、おそらく結構メジャーな部類に入るヒロインで、僕も、このゲームをやる前から、こういうヒロインがいるということは知っていました。それで、ゲームをやる前は、容姿・性格設定などから、いわゆる「清純系の非処女」かなというイメージを持っていました。ところが、ゲームをやってみると、事前のイメージとは全然違う感じのヒロインという印象を受けました。
まず、たった1つしか用意されていないの彼女とのエッチシーンです。なぜか、お互いの好感度がまだそこまで高まっているとは思えない状態で、唐突にエッチがはじまります。僕は、またエロ薄ゲー(最近では移植が予定されているであろうゲームなんかでもそうですね)にありがちな、テキトーなエッチシーンかー、まあでも「初めてじゃないから大丈夫」という台詞は萌えるから期待以上ではあるかななどと思いながらエロをながめていました。
ところが、物語終盤での、彼女が過去男とのいきさつを告白するシーンで、唐突だと思われたエロシーンにきちんと意味があったことが判明します。作っている人に問題があったわけではなく、唐突にエッチにもちこまれたのは、彼女が「そういう」ヒロインだったから、というわけです。僕は「清純系の非処女」も大好きですが、やはり、「自分に気持ちが向いていない男を繋ぎ止めるために体を投げ出してしまう非処女」のほうが、自分の中で、より印象が強かったと思います。
ここで体を「投げ出す」ではなく「投げ出してしまう」と書いたのは、このヒロインが「簡単にヤリ捨てできそう」な性格だからです。体を使ってでも男を他の女から奪い取る、というところまではいかず、彼女の中で、もうだめだー、という確信が得られた時にはあっさり身を引いてしまう。それは、過去男の場合には、過去男が本命の女と寝ていたという確証を得られた時。
もっとすごいのは、このヒロインの中では、「主人公の気持ちが絶対に自分には向いていない」ということになっていること。主人公の中では、前カノと今のヒロインを比較して悩む気持ちがある。僕は人間として、自然で、かつ、誠実だと思いました。ところが、このヒロインはエッチを経ても、主人公のことを全然信頼していない。極めて頑迷で自虐的ですね。そうでなければ、前カノに関するアイテムを見ただけで、主人公の釈明を一切聞かず、パニックを起こし、すべてを放り出して逃げ出したりはしないはず。
つまり、このヒロインは簡単にヤリ捨てできるということ。おそらく過去男がそうしたように、好意をチラつかせて弄んで飽きたら本命の存在を示唆、そうすれば勝手に逃げ出してくれる。後腐れなしでなしでポイ。きわめて都合のいいヒロインですね。
僕は、このヒロインを見て、こんな面白い非処女ヒロイン絶対離したくない、ヤリ捨てルートを作れ、普通に純愛したい、過去の性遍歴に劣情を催すなんて最低、もっと人間性を見て判断すべき、など、様々な相反する感情が湧き上がってきました。エロゲーをやってここまで感情を動かされることはあまりないので、自分の中では大きなヒロインなのではないかなと思います。そういう思い入れをもって、たった1回の、テキトーだったはずのエッチシーンを見直すと、抜きゲー慣れした自分にとっては何でもないはずのエッチシーンが、俄然エロく見えてくるというわけです。
ラストもいわゆるご都合主義なんでしょうが、さわやかで好きですね。「簡単にヤリ捨てできる」頑迷で自虐的なヒロインが、一転フツーの恋愛をして幸せになるためには、マスコットが三途の川を渡りかけた主人公を引き戻すというような大奇跡が必要だったということでいいと思います。
日常シーンも、「部員二人きりの美術部活動」、「料理が苦手」とかがエロくて良かったですね。大人しそうな雰囲気のヒロインはなんでもできそうだという錯覚がありますが、それを料理苦手シーンで崩してくれたのが、ギャップがあって良かったです。ああ、この人も普通の人じゃん、みたいな感覚でしょうか。