古い作品だが、映画の「エイリアン」を再現したかのような雰囲気を楽しめた
設定的にはエイリアンというよりアビスの方だが、状況的には密閉された脱出し難い環境で、惨殺事件が起こり、殺人鬼なのか、謎の生物なのか分からない恐怖に怯えながらも対抗しようとするクルーたちの悲喜交々な人間模様を描いた作品。
声もなく、演出もさしたるものではなく、シナリオも今ではだいぶ弱いだろうが、当時としては中々にサスペンスがあって面白かった。
結局、犯人は同じだし、結末も予想できてしまうほどにありがちだが、展開としては主人公の行動で、生き残るクルーも変わってくる。
お約束のように主人公はモテモテで、ほとんどの女性クルーと簡単に性的関係を持つので、純愛とは決していえないし、そういう主人公の下半身の軽さは正直に言えばあまり感心できないが、このゲームは純愛恋愛ゲームではないのだ。
あくまで閉鎖的な海底探査施設内で、惨殺事件が起こり、それが連続殺人となっていく中で、対処しようと謎に迫るアドベンチャーゲームだとするなら、当時は十分にその雰囲気は味わえた。
最初は男性クルーが主に犠牲者になり、徐々にクルー内でも疑心暗鬼やらあせり、脱出計画や対応処置について話し合うのだが、ついには女性クルーにも犠牲が及び始める。
それまでの主人公の行動で、ヒロインの誰が助かるかが決まっていくので、それによりヒロインの心境などが明らかになっていく。
一応主人公は彼女がいるのだが、彼女の妹も主人公に心を寄せていたり、男友達のようだった潜水士仲間の女性やラボの研究者の女性。誰が犠牲になるかによって彼女等とある種強引にその関係が進展してしまうわけだが、それでも主人公のいい加減さか、それほど不自然ではない気がした。(今ではどうかはわからないが…。)
さて、そしてこのゲームの面白いところは、襲われる立場だけでなく、初期の行動によって、主人公が襲う怪物になるルートも存在することである。
そのルートでは、主人公は女性クルーを順番に陵辱して同化しながら進めることになるのだ。
このルートがあることによって、このゲームは単なる脱出アドベンチャーではなく、エロゲーらしいゲームとなっているといえよう。
まあ、今プレイする価値があるかと問われると、正直に言えばそれほどの価値は無さそうに思う。点数も当時感じたレベルなので、今ならもっと下方修正が必要だと思う。