最後がイマイチ
全ルートクリアしての第一印象としては、一作目よりはシリアスなシナリオだったので好みの作品だったということ。政府が禁止区域強制退去法案を可決させ、話の大筋は禁止区域を中心に進むことになる。主に法案の執行日に合わせて禁止区域側の人間がクーデターを起こすというシナリオ。主に海斗が表側の人間としてそれを阻止する役回りになるシナリオと、海斗が禁止区域の組織側に付き彼に協力するというシナリオの2パターンがある。
組織のボスである五十嵐の考えが斬新であり面白いので、彼の考えを聞いてからの話、つまり組織側のシナリオの方が面白かった。五十嵐とその右腕である相馬の人柄も非常に魅力的。
話は1作目の裏ヒロイン、薫ルートの続きから描かれることとなる。薫が海斗を意識してしまうという理由で学園を辞め、家で見合いをしているという話を聞きつけそれの救出に向かう海斗。そこでは結局薫の家族や見合いを争っていた龍、尊の兄と仲良くなる。薫の救出にも成功する。その後、合宿に行っているうちに禁止区域のクーデターが起こり麗華が攫われ、助けに行くが間に合わないという麗華ルートのBADエンドにぶつかる。その後、麗華を助ける事に成功しアキラとの一騎打ちにも勝利するTRUEエンドが開放された。
次の表側としてのヒロインは薫、朱美、清美、詩音となるが、薫は麗華ルートの派生。主に薫とイチャイチャするだけ、最後には薫と夫婦ツーマンセルのボディーガードとなる。
清美ルートは警察である清美と協力して禁止区域の暴動を押されることに成功するルート、彼女の性格は非常に好みだった。詩音はハッキリ言ってシナリオの本筋からは離れることになるが、容姿が一番可愛かったのでok。
朱美は元々禁止区域で海斗にレイプされた経験のある人間で常に海斗に対して殺気を向けていた。さらに組織の逆スパイとして学園の教師をしていたので、海斗とは協力して禁止区域の暴動を阻止することになる。終わり方も綺麗だった。
海斗はアキラに杏子が危ないというハッパをかけられ、慌てて禁止区域に助けに行くが高熱が原因で返り討ちにあい組織の拷問担当である舞に拷問される所から、舞を精神的に超越し組織の仲間としての役割を担う裏側のルートに入れた。裏の主なヒロインは舞、楓、杏子とその他何人かいるが、シナリオの大筋はほぼ同じ。
海斗が協力する決定的な要因となったのはボスであり元政治家である五十嵐が海斗に見せた政府の退去法案の詳細文書。禁止区域の人間を捕縛したのち、一生施設で過酷な労働をさせるというものであった。
五十嵐の持論は「政府に捕縛される」という敗北の未来は変わらないが、人間たちの心に傷跡を残す事でその事件を忘れない人間を生み出す「過程を変えられる」というもの。そこで負け戦に挑む組織の人間たちの戦いぶりが描かれる。