奇をてらった部分の少ない、普通の魔法少女モノ。
変身ヒロイン犯されもので、例え体が屈しても心までは・・・みたいなテンプレ台詞まで言うので、良くも悪くも期待を裏切らない作品となっている。
本作は魔法戦士シリーズの一つということで、他の作品とも世界観を共有しており、作品単体で見るとシナリオは中途半端な終わり方をするし、次回作の主人公や、組織が意味深にちょっとだけ登場したりと、物足りない部分も多い。
しかし、魔法戦士を堕とすという肝心な部分はしっかり描写されているし、抜きゲーなのにしっかりとした世界観やバックグラウンドを作り、シリーズ化された作品というのは稀少なので、アリかなと思う。
メインヒロインのリリーはお嬢様で、頭も良くて音楽を愛し、市民のために自分を犠牲にしながら日夜悪と戦うという、正に絵に描いたような変身ヒロイン。
もう一人のヒロインのシュガーは、優秀だけど、感情表現が苦手で何を考えているか良く分からないけども、リリーが大好き(崇拝?)ということだけは傍から見ても良く分かるキャラクターとなっていて、テンプレな魔法少女モノの本作では数少ない変り種となっている。
また、Hシーンは1回しかないけども、主人公の秘書であるセラフィも良い味を出しており、普段は無表情なくせに、さり気なく拗ねたりするのが非常に可愛かった。
主人公はヒロインと戦いつつも、昼間は正体を偽って、リリーの家庭教師をしているため、魔法戦士としてのヒロインだけでなく、素の部分のヒロインについても知ることが出来るのも良かった。
Hシーンは、勝利する→犯す→解放という流れを繰り返して調教するために、Hシーン毎の繋がりが無いのが少々残念だったが、出来は良かった。
傾向としては、状況説明等の地の文が少なめで、代わりにヒロインの実況的なものが多くなっている。
収録されている音声が多いんだから、お得感が無いことはないのだが、もう少し地の文での説明も多めにした方が自然だったんじゃないかとも思った。
シーン数は全部で61回、CG枚数は84枚となっている。
シーン内約は主人公に犯されるものから、色んな種類の魔物に犯されるもの、操られたり脅されたりした市民に犯されるもの等豊富に用意されている。
ただ、本作に登場する魔物は下魔と上魔に分かれていて、下魔は爬虫類人間的な如何にも魔物です、という見た目なのに反して上魔は人間に擬態しているため、グロテスクな魔物に犯されるシーンは余り多くない。
その分、上魔はそれぞれの性癖に沿った多彩なプレイを見せてくれるので、それはそれで良かった。
また、シュガーのシーンは、リリーが敗れて犯されているところを助けに来るという展開上、リリーに見られている状態でのHが多く、レズプレイを強要されるシーンもいくつかある。
リリーのシーンにしても、ストーリー後半になると、市民に見られている状況で性感の開発がかなり進んだ体を陵辱というシーンが多くなるため、本作はヒロインが羞恥を感じる状態でのシーンが多いといえる。
本作のグラフィックは、結構古い作品なので、塗りが古臭いというのはあるが、概ね出来は良い。
ただし、モザイクが矢鱈と大きく、パンツを脱いだ後より、脱ぐ前の方がエロいという、悲しい逆転現象が起きているのが残念だった。
また差分も少なくて、テキスト上での状態と、実際の画面上のヒロインの状態が違うということが多かった。
システムの出来はお世辞にも良いとは言えず、発売された時期を勘案しても非常に不便だった。
ディスクレス起動不可なのは、最早Triangleの伝統とも言える仕様なので置いておくとしても、ホイールで文章を読み進めないのは流石に酷いと感じた。
また、バックログもテキストだけを遡るものではなく、シーンを巻き戻してしまう仕様な上に、右クリックで戻ることが出来ず、巻き戻した分は通常のテキストを読むのと同じ要領で読み進めないと戻れないのが不便だった。
バックログだけでなく、右クリックでキャンセルしようとすると出来ないということが頻繁にあり、他のゲームの操作感覚になれていると戸惑うことが多かった。
ただ、古めのゲームの割にはボイスカットのon/offが設定できる上に、スキップが超速なのはありがたかった。
・総評
グラフィックのモザイクが大きかったり、塗りも今と比べると少し古臭い。、システム周りも使いにくかったりするが、抜きゲーとしては全体的には悪くない出来だった。
テンプレートな魔法少女調教モノを探しているなら、一考の価値はあると思う。特にコンプリートディスクならコストパフォーマンスも良いのでお勧め出来る。