ファンディスクとしては無難な内容だが、それぞれのエピソードは短めで物足りなかった。
・教科書的なファンディスク
オムニバス形式のエピソード集という教科書的なファンディスクで、過剰な新キャラ投入等もない堅い内容だった。
シーン傾向も比較的本編に近いものが多かったが、それぞれにちょっとした変化を加えてあるので新鮮に感じた。
ミドルプライスに実質5つのエピソードが入っているが、本編中盤以降からのifストーリーという形なので、堕ちるのが早過ぎると感じることが無いのはよかったが、それでも一つ一つのエピソードが短くて物足りなかった。
・ありそうで無かったif展開
ファンディスク定番の、それぞれに繋がりのないエピソード集が収録されている本作だが、抜きゲーの恒例としてアフターストーリーではなくifストーリー集となっている。
そのため、本編ではボリュームの都合なのか、ありそうで無かった展開のエピソードが多かった。
基本的に時系列は本編の中盤以降のため、半ば肉体の方は調教が終わっている点もポイントで、シーン回数の限られているそれぞれのエピソードで、肉体調教パート無しでそれぞれのエピソードを始めることが出来たのは良かったと思う。
メインヒロインであるクレールは超正統派の心優しい魔法少女で、面白みの無いキャラクターではあるのだが、声優とのマッチングやヴィジュアルのお陰で稀有に魅力的な魔法少女だった。
もう一人のヒロインのノワールは所謂くっころ系キャラで、クレールよりも威勢のいいことを言いつつも、アナルが弱点というヒロインとなっており、こちらも好きな人はハマりそうなヒロインだったのだが、個人的にはクレールが非常に魅力的だったため、余り印象に残らなかったヒロインで、その印象はFDでも覆ることは無かった。
二人共Triangleお馴染みの堕ちそうで中々堕ちないヒロインで、肉体は半ば陥落しつつも危ういバランスの上で精神は持ちこたえるという状態が上手く描けていた。
・各エピソードについて
「今日からワシが主人公!(全11シーン)」は本編ではセイクリッドリネージュの側の人間でありつつも、服従の刻印を刻んでノワールを犯したりと、いい感じのクズっぷりを発揮しつつも殆ど出番の無かった後藤が主人公のエピソード。
本編主人公のフォルネウスは悪の秘密結社の幹部とはいえ、イケメンで有能だったのに比べ、後藤は小物でオッサンと陵辱者としてはよりヒロインの悲壮感を際立たせるキャラだった。
本エピソードでは二人共が服従の刻印を刻まれて犯されるという展開だが、本編でもコンセプトとして強調されていたヒロインが主従という部分がしっかりと活かされていたエピソードで、ヒロイン同士がかばい合って望まぬおねだりをしたり、積極的に奉仕したりというのが良かった。
また、サブヒロインのラジエルの陵辱シーンも本エピソード中にあり、アナルを犯されて口から精液が逆流という中々に激しいシーンだった。
後藤が主人公だが、ファンディスクの1エピソードでしかないので彼がヒロイン二人を堕としきれるわけではなく、あっけない終わり方をするが、ヒロインの主従設定がしっかりと活かされていたり、本編ではなかった日常を侵されるヒロインたちというのも良かった。
シーン内容では、アナル舐め+手コキ(クレール)、人がいつ来るかわからない中レオタード着用状態で体育倉庫で犯す(クレール)、上でも書いたラジエルの口から精液逆流が特に印象に残った。
「ミノタウロスの花嫁(全5シーン)」は異種姦枠で、クレールがミノタウロスと巨大なヒルに犯される内容になっている。
花嫁とタイトルにあるように、ミノタウロスの子の妊娠出産もあり、巨大ヒルに犯されるシーンではヒルに胎内に入り込まれて子宮改造されたりと、本作のエピソード中でヒロインが最も悲惨な目に遭うエピソードとなっている。
ただ、少ないシーン数で子宮改造から妊娠や出産と色々詰め込まれているので、子宮改造されたり化物の子供を妊娠したりすることによる、ヒロインの悲壮感や恐怖を感じる暇はあまり無かった。。
「儚くも美しき悪の華(全6シーン)」は悪堕ちを扱ったエピソードで、パッケージ絵の後ろの方で異様な存在感を放って悪い笑顔を浮かべているクレールを本エピソードで見る事ができる。
ただ、全6シーンでクレールが堕ちる過程や、捕らえられたクレールを探すノワールが犯されるシーン、堕ちたクレールがノワールを犯すシーンと詰め込まれすぎていて、悪堕ちクレールの活躍する場面が少ないのが残念だった。
また、ノワールのシーンは殆どがアナルを犯されるシーンとなっていて、アナル姦枠(?)でもある。
悪堕ちクレールについてだが、人間形態ではなくスキュラとなってしまう。
ちょっと期待していたのとは違ったが、何れにしろ悪堕ちクレールのシーンは1回だけなので、パッケージ絵の異常な存在感から、本編とは違った意味でのクレールの活躍を期待していたのに肩透かしだった。
クレールを堕とす過程はダイジェスト形式で、長期間モンスターに丸呑みされて犯され続けるというものなのだが、中間経過報告と堕ちる場面しか無かったのも、丸呑み好きとしては残念だった。
「姿なき襲撃者(全9シーン)」は本編でありそうで無かった的な他エピソードとはちょっと違ったタイプのエピソードで、パニック映画っぽい内容だった。
変身出来なくなってしまった二人と魔法を使えなくなったフォルネウスが学園に閉じ込められ、洗脳電波のせいで女を犯すことしか考えられなくなった男子生徒から逃げまわる(?)という内容になっている。
Hシーン内容は輪姦特化で、特にバトルで敗北した場合の輪姦が激しくて良かった。
また、心優しクレールが同じ学び舎の生徒に輪姦されるというのもポイントだと思う。
サブヒロインの陽乃のシーンもあるが、特に活躍したりすることもなく犯されるだけという取ってつけたようなシーンだった。
敵対しているフォルネウスとヒロインが、問題の対処のために一時的に共闘するという熱い展開が繰り広げられ、ラストバトルでは実際にクレールとノワールの二人を操作することが可能と、本作が燃えゲーだったら一番の見せ場になっただろう。
抜きゲーの本作では一番の見せ場とまではいかないが、本編もしっかりと楽しんだ自分としては共闘展開は読んでいて楽しかった。
「あるゲーティア幹部の憂鬱(全12シーン)」は本編に近いテイストのエピソードで、フォルネウスの代わりにシャックスという新キャラが主人公となりヒロインをキャッチアンドリリースする内容となっている。
また、サラクエルというラジエルの色違いが、新ヒロインとしてシャックスの助手を務める。
Triangleの魔法少女シリーズ伝統(?)の自信家で尊大な主人公と冷静な助手という組み合わせとは大きく違い、尊大なキャラに見えて実は豆腐メンタルで童貞のシャックスと明るくて前向きなサラクエルという組み合わせは面白く、本編よりもコミカルな雰囲気だった。
とはいえ、Triangleの主人公として相応しい鬼畜さも持ち合わせているシャックスは、キャッチアンドリリースが気に入ったみたいだし、もしかすると本作の世界観を引き継いだ次回作で主人公として登場するのかもしれない。
もしそうなら本エピソードは良い前日譚だったと思う。
サラクエルのシーンを除くとクズ市民参加型のシーンが殆どで、本編と比べると、市民に見られることで羞恥を与えるという傾向がより強く、市民の前で辱める→市民参加という流れが多かった。
「さらば月隠一心流」はまさかのHシーン無しのエピソードで、本編では主人公の友人として彼に手を貸したトカゲ人間のアンドラスとノワールの、奇妙な同棲生活を描いたほのぼのエピソードとなっている。
本編で色々と因縁のあった二人だが、フォルネウスは目的を果たせずに元の世界に帰還し、同様にクレールも元の世界に戻った後というパラレル世界で、敵対する理由も無くなったアンドラスがノワールに月隠一新流の教えを乞うという内容になっている。
マイペースで豪胆なアンドラスと生真面目なノワールの組み合わせは面白かった。
意表をつくエピソードでかなり楽しめたが、願わくばクレールの方も似たような雰囲気のエピソードが欲しかった。
・CGのクオリティは本編同様?
本作のCG枚数は46枚+SD絵2枚でミドルプライス相応の枚数となっている。
立ち絵に関してはサラクエルの立ち絵が追加されたくらいだが、基本的にラジエルの色を変えただけのものなので、メインヒロイン二人には新規の変身コスチュームくらいは欲しかった気もする。
CGのクオリティに関しては、本編同様に満足できる素晴らしいものだったが、少しクオリティが落ちたようにも感じられた。
確かに本編でもCGによっては少し幼く見えたりするようなものもあったが、エロいとか可愛いという点ではトップクオリティだったのに、クレールはCGによっては顔の造形(?)に違和感のあるものが数枚あった。
しかし、表情のエロさは相変わらず素晴らしく、全体の満足度としては非常に高かった。
また、作中で使用されているCG以外にもゲストイラストレーター寄稿のイラストが5枚あるが、本当にイラストだけで、それを使ったHシーンがあるわけではない。
Hシーンは回想数は43回だが、実のところCGそれぞれに回想がついているという感じで、実際の”シーン数”としてカウントすると35回くらいだった。
ヒロインの内訳としては、「ミノタウロスの花嫁」を除けばクレールとノワールの二人ともほぼ平等の回数で、「ミノタウロスの花嫁」エピソードの分クレールのシーン数が多くなっている。
サブヒロイン3人はラジエルと陽乃が2回ずつ、サラクエルが4回となっている。
・システム面はまずまず
システム面は本編同様で、必要な項目は基本的にそろっている。
ウィンドウサイズが可変なのは良かったが、コンフィグ画面から通常画面に右クリックで戻ると確認もなく変更が取り消されてしまうのはやめてほしかった。
未クリアのエピソードでもエピソード冒頭で戦闘をスキップするかどうかを選ぶことが可能なのは便利かもしれないが、難易度は低いし回数も多くないので、プレイ時間に差は出ないと思う。