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Predawnvagabondさんの夏恋ハイプレッシャーの長文感想

ユーザー
Predawnvagabond
ゲーム
夏恋ハイプレッシャー
ブランド
スミレ
得点
82
参照数
996

一言コメント

ギャグが面白く、細かい部分まで作りこまれてるのが良かった。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

非常にオーソドックスな学園もので、笑いやイチャラブを中心とした青春ストーリーなので、気軽に楽しめる作品となっている。
また、サブキャラのシナリオもあり、システムやちょっとした演出も凝っているため、非常に好感の持てる作りとなっているのも良かった。

舞台は寮制度で授業の一環にアルバイトがあったりと、特徴的な学園となっており、アルバイト先の温泉での話も頻繁に出てくるため、ヒロインとの学園生活だけでなく、アルバイト生活や寮生活も楽しめるストーリーになっている。
共通ルートは笑いが中心を占める内容となっており、下ネタ筆頭に色々なギャグが詰め込まれているので、楽しめると思う。
個別ルートも共通ルートの雰囲気そのままに、イチャラブを前面に押し出したシナリオとなっている。

主人公も中々好感の持てる性格をしており、ギャグシーンではツッコミ、ボケの両方が出来るため、シナリオ全編に渡って安定してギャグシーンが面白いのも彼の影響による部分も大きかった。
また、唐変木な性格ではなく、ヒロインが好きだと自覚してからの行動が早いのも良かった。

ヒロインはメインヒロイン4人+サブヒロイン3人となっており、メインヒロインの内誰か一人をクリア後、OP画面のオマケから、サブヒロインシナリオが鑑賞できるようになる。
サブヒロインルートはFDでというのが多い中で、短いながらもサブヒロインシナリオも用意されてるのは嬉しかった。
メインヒロインは、幼馴染で姉弟みたいな関係の月(ひかり)、同姓の友達のような気軽さと姉さん女房要素を兼ね備える美咲、ちょっと気弱だけども頑張りやで方言がチャームポイントの夕真、天然のマリアの4人となっており、個別ルートでもヒロインの魅力がしっかり描かれていたと思う。
サブキャラも面白く特徴的で、ハゲの学園長や、テレパシーが使える卑屈なパグなど、ギャグ要因としては必須のキャラクターだった。


本作のボリュームはCG枚数が87枚(SD含む)、回想数が20回となっている。
内約的には、各ヒロインほぼイーブンだが、夕真のみHシーンが5回(自慰シーンが夕真にのみある)となっている。
シナリオのボリュームはフルプライスものとしては、標準的なレベルで、多いとも少ないとも感じなかった。
Hシーンのボリュームも、各シーン平均的な内容、長さで、可もなく不可もなくな内容だが、軽く縛ったり、コスプレしたりと、初々しい恋人達がちょっと試しにマニアックなプレイに挑戦してみました的なHシーンもある。
グラフィックは安定しており、全編に渡って同一のクオリティが維持されている。
また、立ち絵や表情が台詞に合わせて動くのだが、動き方が自然で良かった。


本作のシステムはツブヤッキーという、ヒロインが主人公と一緒にいない時に今何をしているのかをつぶやくという、独特な(エロゲーとしては)システムが前作から引き続いて使われており、使いやすさも大幅に改善されている。
ポップアップ設定をすると、わざわざツブヤッキー画面を開かなくても一定時間新しいメッセージをポップアップ表示したり、ゲーム本体をウィンドウモードでプレイ中はツブヤッキーのみを別ウィンドウで表示できたりと、プレイのテンポを崩さないための工夫が凝らされている。
ただ、肝心のツブヤッキーの量が少ないのが残念だった。共通ルートはそれなりの量があるのだが、個別に入るとかなり少なくなってしまう。個別ルート突入後こそ輝く機能だと思うので、個別ルート時のつぶやきの量を増やして欲しかった。
また、細かいことだが、システムボイスが充実していたり、場面が切り替わる時に挿入されるカットインが凝っていたりと、細かいところまで配慮されているのが良かった。


・総評
比較的オーソドックスな内容の学園ものだが、ギャグが面白く、イチャラブも良かった。
ツブヤッキーや、カットイン、サブキャラも攻略可能と細かい部分まで配慮されていたのも良かった。