ErogameScape -エロゲー批評空間-

Peetaroさんの極限痴漢特異点3 千年の劣情の長文感想

ユーザー
Peetaro
ゲーム
極限痴漢特異点3 千年の劣情
ブランド
アストロノーツ・シリウス
得点
78
参照数
312

一言コメント

千年の時を超えるファンタジー。 作り手の情熱、アイディアとセンスに溢れた怪作。 話の規模が凄すぎて、もはやジャンルレス。 それでもテーマに一貫性があるからニクい。 3作全て面白かったので続編を希望します。

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

このシリーズ、やっぱ凄いですね。
作り手がクソ真面目におふざけしてるので内容がぶっ飛びすぎ。
作品のタイトルは一体なんだったんだよ!ってツッコミ入れたくなるほど物語がスーパーインフレしています。
もう何でもアリ。
改めて作品タイトルを思い返すと頭が???と追いつかなくなります。

痴漢の拡大解釈もここまでくると作品の存在意義が崩れてしまうよう不安に囚われそうですが、味付けが抜群なんですよ。
ニクい事にやりたい放題の展開が新たな価値創出に繋がっていました。


これは痴漢モノをダークで陰鬱な方針で描かず、あくまでエンターテイメントと割り切った作品方針が潔かったと言えるでしょう。

卓越した痴漢技術と、大きな愛をもって女を快楽の底へ堕とす界隈トップ触り手の主人公や、日本の闇の組織「蛮痴漢(ばちかん)」バーサス外資系痴漢配信企業「モンデルーン」という構図もぶっ飛んでるのに、それだけで終わらないのが凄い。
その先にも頭の悪い展開が続き、これは痴漢なの?って疑問もどこ吹く風。(褒めてます)
遂には千年前の純愛にまで遡り、歴史まで超える華麗さ。

初心に戻れば電車の中の痴漢の話だったのに、ここまで飛躍すればインフレと言っても差し支えないでしょう。
それなのに物語というか、作品の空気感がお笑いのズレた感覚が笑えるかの如く、ユーモア溢れている為に破綻してないのがやっぱり凄いんです。

主人公の存在も作品の格を上げていますね。
愛され主人公ですよ、ほんと。
真摯に向き合う姿勢は一匹狼のカッコ良さがあって憧れてしまうまであります。(やってる事は絶対にNGですが)
ヒロイン達が惚れるのも納得出来てしまうんです。
過程描写は不足しているものの、アドベンチャーパート込みの作品と見れば十分。
卓越した指先で快楽の桃源郷へ誘うバカらしさが清々しいんです。
堕ちてしまえば惚れたも同然という単純さも分かりやすくて良い。

過去作に比べてもエンタメ性は変わらず、最初から最後までしっかり楽しめましたので満足でした。
次回作も期待したいですが、願わくば同じ世界線で別主人公の話しも見てみたいですね。
ヒロイン視点のサイドストーリーでも良いかも。

まだまだ擦れる作品なので、新たな展開に期待して感想を締めさせていただきます。
ありがとうございました。