『性転換 みんながしちゃえば キモくない』 主人公のみが性転換して周りの男から迫られるゲームは勘弁だが、このゲームは攻略キャラ全員が性転換を頻繁に繰り返すため、仲間内で和気藹々と男女逆転を楽しむドタバタ作品になっている。キャラクターや日常会話も中々楽しく性転換モノの良い点を上手く生かし、悪い点をきっちりと殺している点が評価できる。
性転換というジャンルについて。
個人的には、好きなところと苦手とするところがあったりします。
その好きな理由としてはシチュエーション的に美味しいところ。
これは女装物と似てる部分もありますが、今まで男だったのに女になったら女以上に女らしく、可愛らしくなり
その結果、周りの女性から持てはやされたり、願望と嫉妬の目を向けられるのは見ていて面白い。
逆に苦手とする理由は、
①主人公が周りの男に犯られてしまうため広義的な『寝取られ』属性を持っていること。
②それが主人公の恋人とか妹とかならまだしも、主人公自身のため自分が犯られているように見えて気持ち悪いこと。
好きな部分/苦手な部分を比較してみると、苦手な部分が大きく、ずっと前にとある性転換モノをプレイしたら吐き気がしたため、
それ以後、性転換モノはプレイを避けてきました。
その変わりに苦手部分①②が当てはまらない、女装モノは結構好んでプレイしたりしてましたが。
以上が自分の性転換モノに対する認識であり、そもそも寝取られるから性転換がいいんじゃないか、等 認識が
違う人はあまり参考にはならない気がしますので、ご了承ください。
この作品について、どちらかと言えばストーリーはありきたり。 元は異性であれ同姓であれ、主人公(ヒロイン)と
逆の性別になって愛情が芽生え(もしくは気づき)そのうち何回もエッチしてエンディングを迎える。
別に泣き所も全く無いし、ストーリー自体に深い捻りもありません。 ストーリーだけで見てしまえば凡作でしょう。
でも一言でいえば、『このライターさんはバランスがいい』 上手く不満を感じさせない作りになっています。
怪しい&危険な発明と暴走で周りをかき回すきらら、それを止めるどころか助長させて楽しむ銀聖(ギン)。 この2人がおちゃらけ組。
基本的に真面目だけど妄想大爆発な日高に、少しおちゃらけだけどちゃっかりおいしい所をいただくギン先生。 こっちが真面目組。
そんな仲間達と共には流され、時には突っ込みと 主人公(ヒロイン)は大忙し。
この5人は定期的に男女が入れ替わったりしますが、男が偏ることも女が偏ることも無く、また性転換をすると少し状況が変わるため
日常会話を飽きさせにくい。たとえば主人公が男に戻ったら、同時に違うキャラが性転換をして構成に変化をもたせてます。
また、息子と娘で態度がころころ変わる父親とか、日高姉やクラスメイトといったサブキャラクターも良い味を出しています。
腹を抱えて大笑いする作品はないですが、クスリと笑ったり、ニヤニヤしたりは十分できます。
B級作品のわりに、と言っては一般的に失礼かもしれませんが(自分にとってはB級はほめ言葉)シナリオ自体が長めで、
クリアに多少時間がかかりましたが、だれないでクリア出来ました。
エッチシーンについて。
性転換モノの最大の障害が実はエッチシーンだったりします。その理由は最初にかいた苦手部分①②のことですが、
この作品では上手く処理を出来ています。
一つは恋人となったキャラが一度は性転換をしており主人公が男に犯された感が薄いこと。
元が女の子だったキャラが男になって主人公(女)とエッチしようが、元が女の子のわけで嫌味が少ないです。
もう一つは、逆に元が男だったキャラが女の子になった場合、実は初Hは男側が主人公だったりすること。
その後男女入れ替えエッチはありますが、どちらもプレイヤーが性転換にかなり慣れた状態のエッチのため、
純粋に恋人同士のエッチに見え違和感はありませんでした。
主人公寝取られについて、結論的に言えば『有ります』
しかし、こちらのほうも結構考慮がされていて最初の弄られシーンの時も相手を男か女か選ぶことが出来るし、
あからさまな寝取られコースの選択肢であり、これを選ばなければ寝取られはされないので嫌いな人は回避すればいいです。
(そのうち慣れてくれば気にならなくなってくるでしょう ルート回収用)
こういうところにもライターさん、もしくはシナリオ構成さんのバランス感覚の良さが現れているのでしょう。
もちろん、性転換モノの良さである『主人公が可愛い』という大前提は忠実に守れています。
主人公が女になれば、クラス1ぶっちぎりの巨乳で 対抗馬はギン(銀聖の女ver)だけというのはお約束。
優しくて優柔不断で流され易い主人公だけど、女になればその短所も一種の長所になり、たまに出てくるミニキャラヒロインはやっぱり主人公がダントツに可愛い。
当然周りの人間から弄られ続けますがw
最初は少しだけ、あの髪型がキモっぽかったですがすぐに気にならなくなります。
ストーリーについて。
上にも少し書きましたが、意外にボリュームがあります。 攻略対象4人+ハーレムでそれぞれ主人公が男と女の場合の計10ルート+αです。
ストーリー的に面白かったのは意外にも銀聖ルート。銀聖の兄が出てきて、主人公を取り合うバトルに発展します。きららが一番光っているルートでもありますね。
また、特定のエンディングの後に座談会があり、プレイヤーへのアドバイスや苦言wなどが入っています。いやあ、こういう雰囲気 好きですね。
淫乱ルートで終えた時は主人公(女)が周りから総ツッコミされて涙目、『ボクじゃなくって、プレイヤーに言って!』の言い訳は終始ニヤニヤしっぱなしでした。
まとめ。
Axisという新ブランドの処女作とちょっと苦手とする性転換モノでしたが、思った以上に楽しめました。
一見、雑な作りに見えても性転換モノの苦味を感じさせない作りはちゃんと考えて作られていますね。
少し共通部分が長いこと、男になるといきなり声が無くなること、もう一人男キャラが居たらもっと面白かったと思いますが、十分合格点です。
今後の作品にも期待です。