これは何に重きを置くかによって評価がまったく変わってしまう作品。力と代償を使ったアクションなのか、呪いを解いていく現代ミステリーなのか、少女たち(一部男)の絆をスポットにあてたドラマなのか。作品自体ボリュームが大きいためどの要素もあるが、友情ドラマが一番と考えると一番しっくりくる。
少女達の特殊能力を使った派手なアクションシーンで気持ちいこともなければ、思わぬ複線でプレイヤーを驚かすのでもなければ
感動的セリフでプレイヤーを泣かせるものではない。
それでもこの作品を最後までプレイして一番に思ったことは、『寂しい』 という感覚でした。
るい、花鶏、こより、茜子、伊代、 そして、智。
彼女ら(一部似非)の居るこの世界にお別れするのが残念でたまらなく、そしてこの世界に続きがあるのなら是非見てみたい。
そんな風に思わせてくれた作品、久々かと思います。
まずは登場人物達がいい。
やっぱ6人一緒というのは最強。 毎度同じことを書いてますが、ヒロイン同士の掛け合いは魅力が魅力を生み、
気づいたらヒロイン全員が好きになってた。
どの作品にも一人や二人はどうでもいいヒロインがでてくるのに、今回は全員好き。地味で目立たないヒロインの伊代ですら可愛くみえてしまう。
いくつかお気に入りシーンを並べると
・智とるいのハイタッチ
・犬のるい
・虎と狼に追われる兎ちゃん
・花鶏とこよりの卵プレイ
最大のお気に入りは
『 チュパカブラ~~~ 』
思わずコーヒー拭きました、リアルで。
キャラ的にお気に入りは 花鶏、こより。
システムについては特に気になったことはありませんが、共通シーン含めて全体のボリュームが大きいためスキップ機能が
高速で結構助かりました。
あと、智の声があったならばもう+5点くらいされていたと思います。絵ももっと多かったほうがよかった。
あの6人の中で誰か襲っていいという話になれば、まず智が襲われる可能性が高いかと。
主人公だから声も無し、絵も少ない・・・・残念。
エロについては全く期待しないほうがいいかと。多くて3回 少ないと1回。 合計9回で平均2回以下ですね。
シナリオについては、ボリュームも多く中々練られていたと思います。最初はるいお姉さんのルートでそこそこの時間でいきなり
ぶった切られてスタッフロールが流れたときはどうかと思いましたが、新しい選択肢が追加されました、という表示に
wktkしてしまったのもそれだけのめりこんでいたからでしょう。
ルートによって同じ登場人物でも見方が反転しまう場合があったので(理由は明らかになってない)少し気になるところ。
また、結構重い展開(物理的にも、精神的にも)もあるので明るい一辺倒な作品ではありません。
そういう展開もまた、ヒロイン達の魅力につながっていると思うんですが。
文章はやや難解というべきか、ただ単に下手すぎるシーンもあり、わからなくはないけど・・・・という点が結構ありました。
その行間に『次の日』とかちょっとしたことで分かりやすくなるのに。
それと、能力を使ってのバトルや作戦、呪いに関する秘密や解明といった面白みもあるんですが、それってあんまり重要じゃないと思う。
あんな場所にあんな人がいるなんて! って過剰に食いついてしまったらおそらく落胆してしまうかも。
コメント文に書いたとおり、何を求めるかで感想が変わると思う。
プレイしているうちに『どうやって呪いを解くのだろう』、から『呪いを解いたらどうなるんだろう』に変わっていきました。
つまりはいつの間にか、視点が謎や伏線から、登場人物自体に移ってしまっていたんですよね。
同じ呪いを持った彼女たちがどんなに寂しい時間をすごしてきたのか、どんなにかけがえのない仲間を得たのか、
嘘をついても、信じられなくても、バラバラになってもなお取り戻そうとするのか。
その結果何を得て、かわりに何を失ったのか。
そして、これからも。
でも、彼女たちなら乗り越えて行ける。 だって、それは『同盟』ではなく『仲間』なのだから。