どうせならフルボイスにして欲しかった。
この作品よりも前に発売されていたAliveのリニューアル版という事でシナリオの大幅加筆とグラフィックの総入れ替えにより確実にパワーアップしている。おまけにシナリオ部分に後のMilkyway、FAKEへと繋がる一連の物語がここから組み込まれており、ある意味Witchの本気を垣間見た。
ただ、シナリオに関しては表と裏があり、裏シナリオを一言で表すと「神様のワガママ」というエゴ丸出しの理由から始まる。
ヒロインの一人が神(元)で、神の身で人に恋し、人の世に降り立つ。ここまではまだ良い。そこから自分のワガママ通すために、主人公の未来の伴侶を間接的に殺して、その後釜に自分が納まるよう世界を構築する。そして見事その後釜に納まるものの、綻びが生じ自分が死ぬ運命に向かってしまう。そして死んだ後、何故か自分が人の世に降りた日に自分の魂がリセットされる。そしてまたヒロイン殺して、後釜に納まり、子供を作り、そして死ぬ。
この行為を何回も何回も繰り返す。しかも毎回”まったく”同じ行動をしているので結末は同じ。そんな永遠とも取れる行いを理屈では不毛と解っていながら繰り返す・・・最低としか言いようが無い。そんなワガママに振り回される主人公と殺されるヒロインはたまったものではない。
このシナリオは後の作品に色々絡める事でそれら世界の理を徐々に見せていく手法は斬新ではあったが、これ単体で見た場合後味は非常に悪い。最後の最後で選択肢によるが、繰り返しを終わらせ、ヒロインを生かすエンドもありますが・・・残念ながら蛇足感が否めない。
また、音声面は非常に手を抜いており、表シナリオのみ声ありで、裏シナリオは声無しという仕様。おまけに声優紹介はスタッフロールにも一切無しのため声優判別は一苦労。主要キャラの声優は、このメーカーの他作品によく起用されているのでイコールで結ぶ事は可能だが、裏シナリオメインのキャラは表シナリオではわずか一言二言しか喋らないので判別不能(俺には無理だった。)そこは残念だった。
後、XPは非対応で、俺のパソコンでは、動きはするが、ー(伸ばし棒)が一切表記されないという罠。「メーカー」なら「メカ」になる、そんな感じ。まあ、当時はXPが無かったから当たり前と言えば当たり前ですが・・・。
なんか点数の割に酷評ではありますがそれだけ思い入れがあるという事で。