「AIがもたらす幸せ」が表向きのテーマで、裏のテーマは「いかにして自然な流れで３Pに持ち込むか」というお話
シナリオ分担は、たぶんツクヨミ担当がむらさきゆきやさん、ラナ担当が岩波零さん、霧香担当が三河ごーすとさん。
ＣＵＦＦＳ系列の作品といえば、絵師の層が厚い割にシナリオは大したことないというイメージで、
今作もその類ではあるんだけど、過去作よりはシナリオは頑張ってる方だとは思う。
メイン３人ともそれぞれのサブヒロインとの３Ｐが完備されていて
３Ｐ側に力点が置かれている気がする。
個人的にはハーレムシチュ大好きなので嬉しい。
ただ複数ライターの弊害か、ヒロイン間でのつながりが薄い。
個別ルートに入ると他のヒロインの存在感が消えてしまう。
メイン同士だけでなく、メインとサブのつながりも薄い。
ツクヨミと会長は設定的に薄いし、ラナとソフィアはシナリオの都合でソフィアが本気出す頃にラナが動けない。
メイン３人の統一感もあまり感じられず、読み進めれば印象は変わることを期待したもののそんなこともなく、最後までバラバラのままだった。
作品に物足りなさを感じるとしたら、ヒロイン間でのやり取りやつながりの薄さに起因するところが大きいんじゃないかと思う。
メインとサブで喧嘩しながら少しずつ仲良くなっていく霧香と愛彩莉が、ルートでは一番面白かった。
以下、各ルートについてクリア順に。
・会長（ツクヨミ）
ツクヨミから順番にやってくつもりが気が付いたら会長ルートに入っていた。釣られました。エロルートとしては良かったと思います。
射精勝負がエロゲ主人公にあるまじき早漏即オチ2コマで面白い。
・ツクヨミ
Ｃ－ＡＩが総力を結集して作った至高のヒロインという設定から入った感じのキャラ。
最後に主人公が主人公らしく活躍したとこは良い。
敵を倒した後に「エージェントは１体だけだからすぐには手を打てない」と言われても
ツクヨミ自身が一晩でお届けされたのであまり説得力を感じなかった。
敵のエージェントもグラサン親父じゃなくてツクヨミばりの美少女にしたほうが夢が広がったんじゃないかな。
「ツクヨミ自身が敵に回ってる」という状況が分かりやすくなるし。
・ラナ
ソフィアルートが本筋でこっちは力技で解決した感じではあるけど
単体で見ればそんな悪くはない。
ただラナの回復がちょっと早すぎで、主人公が卒業してＩＴ社長になってるぐらいの期間はあってよかった。
あと中出しバッドエンドは別にいらなかったと思う。昔のエロゲーか。
確かに無責任中出しは悪いことですけどね。
・ソフィア（ラナ）
３Ｐルートに寄せるためにソフィアの好感度を犠牲にしたルート。
ソフィアが主人公に言い寄るタイミングは最悪だし
いきなり失踪するのも身勝手だし
個別エンドもラナが可哀想すぎて素直に祝福できない。
大正義金髪巨乳というだけでどこまで許せるかだと思う。
まあ自分の場合は３Ｐルート一択なので、特に問題なかった。
むしろ主人公の葛藤のほうがいらない。
ツクヨミも混ざれば完璧だった。３人で幸せに～とか言ってるけどツクヨミのことを忘れないでほしい。
・霧香
評価が難しい。一本道シナリオならこれで良かったと思う。
けれどルート分岐型シナリオでこういう設定だと、他のルートでも霧香ほったらかしで大丈夫か？というのが引っかかってしまう。
敵が悪意の塊なうえ被害が霧香の周囲にまで確実に広がるというのが質が悪い。
このルートだけ見ればヤバヤバで面白いんだけど、分岐の一つにちょろっとねじ込む設定ではなかった。
人生共有サイトの閲覧者とプレイヤーの自分の何が違うのかともちょっと思ったけど、
シナリオ上でそういう切り口は特になかった。
・愛彩莉
霧香ルートのことを忘れれば素直に楽しめるルートだと思う。一番面白かった。
上述したけど霧香と愛彩莉のやり取りが面白かった。
霧香はテンパってるほうが可愛いので、愛彩莉が触媒になると魅力が倍増する。
主人公のハッキングで解決！は大っぴらにやりすぎなのでおまえが通報されるだろとは思うものの、深く考えなければ問題ない。
それはそれとして、薬で３Ｐは逃げだったと思う。
霧香がヤラレ損で可哀想。３人で幸せになっていただきたかった。
・まとめ
チラホラ不満点は述べたけど、全くダメってルートもないしカントク絵だし平均点は高いと思う。
もう少しヒロイン同士のつながりがあって他のルートでも出番があるのと、
霧香ルートみたいに他にまで影響してしまうような設定がなければもっと良かった。