ハーレムだけで5ルート作るという無茶を実行した無謀さを褒めたい。賑やかな雰囲気が好きなら楽しめる。
エロゲ界隈でもここまで徹底してハーレムを描いた作品はなかなかないと思う。
少なくとも自分が知る限りではここまでのはなかった。
ハーレムエロゲの障壁はたぶん高い。
まず、最大の理由で、絵がめんどくさい。作画カロリーが高すぎる。構図のパターンも少ない。
次に、書く側も辛い。ただでさえ妄想なエロゲテキストにさらにハイレベルな妄想力が求められる。普通のエロテキストを書くよりたぶんしんどい。
最後に、そこまで苦労して作ってもあんまり受けないかもしれない。
エロゲオタクはそのイメージに反して純愛脳のほうが多いのでハーレムシチュの需要が案外薄い(気がする)。
なろうハーレムが増えてる割に、より限界オタクが多いであろうエロゲはそんなでもないというのが個人的には不満だったので、
こういう作品が今後も増えてくれると嬉しい。
・シナリオについて
ルートは5つ。
各ヒロインの個別ルートをハーレムとして描く形式。
ハーレム形式なので、やはり普通のルート分岐型の個別ルートと比べると、ヒロインの印象は薄まっている。
ただその代わり、どのルートでも影が薄くなるヒロインはいない。
火属性(正妻バトル)とか水属性(癒し)とか、各ルートごとにテーマはあるものの
これ正妻バトルか?癒しになってるか?という疑問が生じることもないではない。
どっちかというと話のテーマじゃなくて、癒しやバトルといった「お題」を与えられたヒロインたちや主人公の行動を見守る感じだと思う。
全体的にコメディ力は高い。
ルートの最後にそのルートのヒロインのちょっと良い話を描いておしまい。
ED曲の「暁のLeaf Boat」が良いので、終わってみたらすごく良い話だったかのような錯覚を抱けることもたまにある。
個人的にシャルの話がすごく良かった。予想できる範囲の他愛ない話なのになぜか刺さった。
・Hシーンについて
ルート分岐後はすべて基本は3P、
各ルートに1つヒロインを全員相手するシーンが存在する。無茶もいいとこだと思う。
6Pについてはさすがに構図がつきたのか、ヒロインを2人と3人に分けたりするルートもある。
主人公が分身したりしなかったのは好感。
ファンタジーだとたまにあるんだけど、それただの乱交だろうと毎度思う。
・BGMについて
弟や美尻スライム等、イカれたテキストも楽しいんだけど
BGMの使い方の上手さが楽しさを高めてて良いと思う。
特に使い方が好きなのはこの辺
02:月下
10:ゴシップシャトル
それと、26:インフィニティーステーション も、このBGMが流れただけで前後の雰囲気に関わらず
問答無用でなんか良い話にしてしまうので好き。
ここから「暁のLeaf Boat」につなげると完璧。