クロノクロック以降の3作では一番話の作り方が上手かった。エロ分は補強されてるものの、内容はお話読みたい人向け。
クロノクロック以降の3作は、前作で物足りなかった部分を次作で補い、そこで物足りなかった部分をまた次作で補い、
と続いていっている。気がする。
特にラスボスについては、
アマツツミでは話引っ張った割にラスボスさんがそんな悪い存在には見えなかったんだけど、
（アオイトリの感想でアマツツミのネタバレするのもどうかと思うので、一応名前は伏せます）
アオイトリではそのような手加減は感じなかった。
最後までやって肩透かしってことはないと思う。
各ルートについて。
・メアリー
今作で唯一なんか物足りなかったルート。
共通の「始まりの３日間」のほうがメアリールートとしてはきれいにまとまっている。
共通は盛り上がって個別はそんなでも～なのは、自分にとってはアマツツミと同じ轍だった。
最後の締め方で、なんでそれで反撃できると判断できたのかよくわからないのが一番モヤっとする。
言霊使いや吸血鬼やら闇の救世主やらの、割とその場のノリでどうにでもなるふわふわ設定の悪いとこが出ちゃった印象。
とはいえ、可愛いメアリーちゃんを愛でるだけのルートとしてならそんな悪くはない。
コンプまですると、結局メアリーは物語の幕を開くだけの役割で、
悪魔さんが警戒したほどのイレギュラーでもなく、ただの可愛いマスコットで終わってしまう。
もう少し物語後半でも何か役割があってほしかった。
・小夜
アマツツミの愛みたいな超越者枠かと思ってたら一番普通の女の子でしたというルート。
クール装ってる裏の本音がお手軽にさらされるのが可愛い。
セックスから始まった関係のくせに個別に入ると雪ダルマ作りとか子供かよみたいなところも可愛い。
お母さんの過去語りからガラッと雰囲気変わるのも良いし、ルート通して面白かった。
・赤錆姉妹
メタ的にも閑話扱いされてる赤錆姉妹ルートだけど、意外と面白かった。
小夜とメアリーのボケツッコミのやり取りはこのルートが一番キレてたと思う。後半は2人の出番が少ないのが残念。
理沙の設定自体はベタではあるけど伏線の張り方が上手かったので相殺されたと思う。
まさかセックス覚えてないのが重要な伏線だったなんて。
ただこの設定、他のルートの理沙先生はどうなっちゃうの？というやつで、余計な爪痕を残してしまっている。この辺どうなんだろう。
あかりシナリオでは、～そして１年後～ で理沙が普通に出てくることで、
あー大丈夫だったんだなと察することはできる。
特に説明ないけど、他のルートでも同様・・・つまり赤錆姉妹ルートを経たことで
すべての可能性で理沙の設定は書き換えられたと脳内補完していいのかな。いいということにする。
・あかりシナリオ
アマツツミのラスボスさんと似たような立ち位置のヒロイン。
ここまでの個別ルートは全てあかりシナリオの前フリにすぎず、コンプ後の印象はほぼこのルートで決まる。
上にも書いたけど、個人的にアマツツミのラスボスさんで物足りなかったのは、
序盤から悪の権化として示唆されてた割に、いざ登場するとそんな悪い存在には見えなかったところ。
ラスボスさんと対峙して憤る主人公とは裏腹に、自分には登場当初から可哀想な子にしか見えなかった。
あかりについてはそういう乖離はなく、
何かやらかすだろうと期待したシナリオで想定してた以上のことをやらかしてくれる。
ルート半ばで行動原理を明かし始めるころには、もう何言ってるんだかわからない。
それが攻略ヒロインとしてプラスなのかはわからないが、あかりの黒さはガチだった。
後になって考えると「なんでそれで反撃できると判断できたのかよくわからない」という点では
メアリールートと同じではあるんだけど、あかりの迫力がそれに気づかせない。
一番大事なのは言葉より迫力なんだなあと感じさせてくれるルートでした。
・まとめ
評価したいのはライターさんの作りたいものとエロゲ作品としてのバランスが
近三作の中では一番うまく取れてたなというまとまりの良さ。
ただそれでもなんか物足りないなと思うのは
単純に、後半のメアリーの役割が少なかったから。
あかりトゥルーだろうがなんだろうが、もっとメアリーの出番がほしかった。そこだけです。
その他、どうでもいいことについて。
・絵
克さんの絵が一番映えるのって陥没乳首ではなく凝った構図の絵だと思うので
メアリーにはもっとふわふわしてほしかった。
ハピメアの舞亜みたいな感じで。
・陥没乳首
誰の趣味なんだろう。
陥没乳首に始まり陥没乳首に終わる話。なんでこんな執拗に陥没乳首なのか。
正直、良さはよくわからない。