言霊とかいう割と何でもありの力を特にエロ方面には使わず人助けに使うお話。共通で盛り上げる分、個別分岐後に微妙な蛇足感が。終わってから振り返ると、結局こころ共通√が一番良い話だった気がする。
Purple softwareのゲームをやったのはハピメアからで、前作のクロノクロックもプレイ済み。
クロノクロックの感想では「エロ薄いのは面食らったけど、ライト層向けなら別にいいんじゃね」みたいなこと書きましたが
以下はそういう人の感想ということで。
事前情報で確かテックジャイアンの何月号かで見たのは、
「当初はクロノクロックの続編みたいなの作る予定だったけど、
エロが薄いという声が多かったからその声を受けてリテイクしたよ」
という話で、確かに前作比ではエロ要素は補強されてます。
ただ、なんか別に話としては別にエロ薄でいいんじゃないかなー、というか
「えっ! ○○○さんが今にも死ぬかもしれないこのタイミングで一戦おっぱじめるんすか!」とか
「えっ! 誠さんの節操のない下半身が発端でこんな大事になってるのにどの口が『誠は優しい』とほざくんすか!」
みたいな、なぜここでというタイミングでのセクロスが多くなってしまったような。
あとイチャエロを重視した個別√という趣旨もいいんですけど
一本道の共通パートから個別に分岐するという、たとえるならシュタゲみたいな構成が影響し、
分岐前で大いに盛り上げてイイハナシダナーとなった後での個別√がどうにも蛇足くさい。シュタゲと違ってクライマックスが分岐前に来るしね。
この構成にしたのもエロ分と同じく、前作でのユーザーの要望に応えた結果だそうなんだけど、
共通で盛り上げて個別でつなぐって、構成としては逆じゃないかと。
なんか自分にはどっちも、そんな工夫はいらんかった、普通で良かった。という印象です。
あと割と序盤から引っ張ってたほたるの話がかなり肩透かしで、
悪として登場した人があんまり悪には見えずただ可哀相。
話の中身もだいたい序盤の情報だけで予想可能で、むしろ予想だけでははっきりわからないところは説明ほしかったのに特に何もなく、
たとえば今のほたるがどうやって生まれてるのかは与えられた情報だけでは細かい部分がよくわからないから
√に入って補足入るかなーと思ってたのに、
特に追加情報もなくなんか気合いを入れたらコピーが生まれ夜空を見たらホワイト化したという雑な設定なのが残念です。
主人公に「僕ならわかる(僕にはすごい能力があるから)」と言われてもね。絶対里の人間が絡んでると思ったんだけどなー。
別にほたるがサブヒロインの一人として埋没するぐらいの存在感ならこんなんでもいいんだけど
トゥルーっぽい√で序盤から引っ張って今更なタイミングでムービー入れたうえで
プラスアルファがないのは物足りないです。
結局は構成の問題かな。
最初盛り上げて後半肩透かしな構成と、最初はだらだらで後半盛り上がる構成では
プレイ後の印象はどうしたって後者のほうが良いものになりがち。
終わってから振り返ってみればこころ共通が一番良かった。
あれだけでこの作品でやりたかったこと全部網羅してる気がします。
以下、各要素について。
■絵について
克分多め。月杜分は少なめ。
克さんは尖り乳首以外は良い。なんであんな尖るんだろう。
乳首というかおっぱい全体が尖ってる感じ。
月杜さんは自分の中では10点満点の5点から9点を乱高下する人で、今作も相変わらず安定感がなかった。
響子ちゃんは可愛いです。すごく可愛い。
光一が角度によってえらいガタイが良くなるのはもう少し頑張りましょう
■音楽について
響子のテーマが好きです。ゲーム中であの曲が流れるだけで癒される。
キャラ補正入りすぎてるだけかもしれませんが。
■システムやら何やらについて
鑑賞モードについて。
こころん√終了後何気なく見たらまだ出番のないお嬢さんがフルネームで堂々といるのは困りました。
これぐらいは隠しててほしかった。
■シナリオについて
こころん共通→こころん個別→響子共通→響子個別→愛共通→愛個別→ほたるん→真ほたるん
とクリアした順番に
・こころん共通
こころん√というよりは織部家√って感じ。
人間を現実を捻じ曲げることをなんとも思ってないような禍々しい一面を見せてた誠さんが
言霊では解決しえない事態に直面し、人間のために苦しむ様は見てて楽しい。
「随分と人らしくなったものだな」と里の追手と化して嘲りたいです。
けっきょくこの√を経て誠さんは半人半神から割と普通寄りの主人公になってしまったので
それ踏まえると一番アマツツミらしい話はこれだったのではないかなと。
変わらなかったのは下半身のだらしなさぐらい。
ただ最後の辺りがよくわからない。
誠が雑魚すぎるから助かった・・・程度の説明ではなんか釈然としません。
・こころん個別
疑似家族の言霊を解いてからがエロ本番で良かったんじゃないかと。
あのタイミングで言霊解くと、誠がこころと思うがままにセクロスしたいからにしかみえないし
その結果こころんに距離を置かれる誠さんは指さして嘲笑したい。
家族を守るため禁忌を破り命を懸けた共通√からの
こころんと思う存分セックスするために相手の気持ちをまるで考えず言霊解いちゃう個別√という落差が辛いです。
・響子共通
上のほうではこころん共通だけがよかった、みたいに書いてるけど、
それはそれとして響子共通も良かった。
こころん√と立場を変えて誠さんが命を捧げる人を見守る√。
響子ちゃん可愛い。
・響子個別
続く蛇足感あふれる個別√。
結局なんで織部家に行くと死亡なのかよくわからなかったし最後起きたことは何もかもわからなかったし。
なんかもうシナリオ部分はなんだかよくわからなかったので、
あんなもんなしでひたすら響子といちゃついてたほうが良かったんじゃないかと。
・愛共通
共通では一番微妙。
というのも話が佳境に至るまでの事態の発端があれってのが・・・
まさかここに来て誠さんがその場の勢いでこころんと合体するとは。
必要なエロだったんでしょうか。
発端があれのせいで、その後のやりとりが愛が「なんでそんなに優しいの?」といっても
姐さんそいつぁ欲ボケですよとしか思えなくて辛い。
話自体は結構盛り上がって面白いのに。
発端はこころとのセクロスじゃなくて、
たとえば、誠さんが言霊の力を使わずに人助けしようとして事故に遭って死にかけたみたいな
「誠が人間に近づきすぎてヤバい」と愛が思わされる事態を起こすほうがよかったような。
・愛個別
共通はイマイチだったけど個別では開き直ったかのように
ストーリーもクソもなくひたすらイチャイチャしてて素敵。
個別では一番好きです。
一応里のことも考慮して最後ちょこっとだけ触れてるのも安心します。
個人的には「誠は人の世では生きられない」という愛さんの言うことは正しいと思うので
最後は里に帰ってほしかったなという気もするけど、まあそれはしばらく後の話か。
・ほたるん
で、満を持して感のあふれるほたるん√でしたけど、なんかいろいろ不満。
こころん共通のあたりでほたるが一週間で再生してるのわかるし、
ただ一週間で記憶がリセットされる不自然さへの対処とかがよくわからないので
√で何か補完されると思ってたのに特に何もなしとは。
変なタイミングで入るムービーもいらなかったと思う。
ムービー単体で見ると別に悪くないんだけど。
あと何より、この√で出てくる「悪意の人間」というのがあんまり悪には見えない。
むしろひたすら可哀相。
結局やったことって正ほたるんに悪意をぶつけたことしかないのでは。
一方で正ほたるんも「死んじゃえばいいのに」と悪態ついてたわけだし、
設定を踏まえても、正ほたるんとの違いがよくわからない。
正ほたるんと違いが出てる理由もよくわからない。
不治の病と一週間で死亡の何が違うんだろう。
不治の病で狂っちゃったほたるんがいる一方で、
一週間で確実に死ぬ同一個体が毅然と生きていられるのもよくわかりません。
話の締め方はいいんだけど、
真ほたるんがあまりにも不憫でこのまま終わってほしくないなーという√です。
・真ほたるん
最終的に下半身で解決する辺りはさすが誠さん。
ただ結果としてほたるの何が変わったのかはよくわからない。
エピローグのどこかで一言ぐらいは「死ね」とか悪態ついてほしかった。
■まとめ
前作ふまえていろいろ構成で工夫したというのを雑誌情報で知っちゃってるけど、それでもやはり
無理やりなエロシーンを入れずクライマックスを個別√の締めに持ってくるという無難な構成にすれば
それでよかったように思えます。
つまり工夫なんかいらんかったんや。
身も蓋もないけど。