OHPにあるトリプルおっぱいのCGに釣られて買ってしまったが、案外シナリオが良かった。正統派な青臭さ全開の学園物。
振り返ってみると一番良かったのはプロローグで、
カリユのエピソードみたいなそんな引っ張るような話かと思うものもあったり、
ところどころ絵が不安定だったりして不満点がないわけではないです。
感想書いてから他の人の感想見たら有希の評価が高いみたいで
なんか自分の感想ズレてますけど気にしないことにします。
●絵について
絵は良いものは凄く良いけど、質を維持できてないのが残念。
正面からの立ち絵が一番良く、イベントCGはかなり不安定。
織衣が虎太郎にチョーカーをつけられるCGなんかは別の人が描いたんじゃないかという気さえします。
正面立ち絵のレベルで全体的に安定してればもっと評価してました。
●キャラについて
テンプレ的なキャラはあまり印象が良くない。
具体的にあげると揚木室長と宰叔父さんと銭ゲバの銀さん。出番はほとんどないけど、まるなの父親なんかも。
揚木室長は面白ければOKというキャラ立てばっかしてた結果、ただの嫌な人になってしまってたので、
最終的に酷い目に合うとこが見たかった。なんかバランスを取ってほしかった。
宰叔父さんはストーリーの都合通りに動いてるだけで、作中では「すごい人」と言われてるけど実在感が希薄。
お銀さんは客となる学生にまで不遜な態度とってたのが商売人らしくない。
まるなの父親は印象が悪くて当たり前ですが、
あのタイミングで現れて芸術家肌な振る舞いをしてるところがすごく変に感じます。
室長以外の3人は所詮は端役なんで、どうでもいいといえばどうでもいいんですが。
●設定について
・ラ・ニーシュ
一応主人公たちが暮らす「寮」という設定ですけど、主人公が住んでる家を寮と言い張ってるだけにしか見えません。
プロローグをニーシュの取り壊しの通達で引いたりして後々重要に要素になるのかなと思ってましたけど
ストーリー上はほぼ影響がないのがちょっともったいない。
3話か4話辺りで妹や保科さんが寮に愛着あるみたいな描写になってきますけど、
外部の人間として登場してるのでイマイチ伝わってきません。
なんで寮暮らししてる設定にしなかったんだろう。
・ソラリス
世界観に比して明らかに理不尽で非現実的で説明不足な存在で、なんでこんなもん出したのかわかりませんが、
にもかかわらずゲーム全体に与える影響が非常に大きく、面白さの5点か10点ぐらいはソラリスの力で底上げされてる印象。
作品通じて合ったり合わなかったりするところはありましたけど、ソラリスが出てくるところはすべて面白かった。
これだけ特殊な存在でありながらストーリーにはほぼ関わることなく
ストーリーを円滑に進めるための便利なOSに徹したのも素晴らしい。
●各ルートについて
プレイ順での雑感。織衣とソーニャ以外は辛め。
名前の隣の()はABCの3段階評価です。
・織衣(S)
3段階評価といいながらいきなりぶっちぎってますが、
織衣が可愛いし話のボリュームはあるしで特に不満点ないです。
あえて挙げるなら脇役の雛瀬さんの行動がわけわかんねえということぐらい。
・ソーニャ(A)
もう少しソーニャから虎太郎に気持ちが向くイベントを描いてほしかった。
なんか共通のままゴロゴロ抱きついてたらそのまま発情してたみたいな感じ。
まあソーニャが可愛いので深く考えなければおk。
深く考えてしまうと、最終話のイベントとか見た目は派手だけど
気持ちを伝える方法は別にそのやり方じゃなくても良かったんじゃないかとか
志穂さんを元気づける結果としてソーニャが辞めちゃったらそれはそれでアカンのではないかとか
疑問が湧いてしまいますが、深く考えなければ問題なし。
・まるな(C)
このルートだけは最初から最後まで楽しめなかった。
まるなが卑屈だったりやたら従順だったりするのは、その生い立ちから自己防衛のためにやってるようにしか見えず、
その違和感をルートのどこかで拭ってほしかったけど、最後までそういうものがなかった。
大人不在の状況がマイナスに働いてしまってます。
・姫里(B)
姫里さんの場合、2人がくっつくように外野がやたらお膳立てしてしまい
「このまま放っとくと何も進展しそうにない」なんて言い出したりするので
書いてる側もどうくっつければいいかわからなかったんじゃないかって気が。
棗との対決になったのも、こんな大事にする必要あったのかちょっとわかりません。
・保科(B)
他の人の感想見ると評価いいですけど
「恋愛対象として見られない存在」を描こうとしてなんか変になってしまった印象です。
作中でおかしい関係だとは言及されますけど、
カリユのエピソードはあんまり大したことないので、答えに足りてない。
有希側が主人公をそういう対象にしなくなった理由はアホかと思いつつもわかりますけど
主人公が保科さんを恋愛対象として見ることを織衣にキレるぐらい頑なに拒否する理由はよくわかりませんし
カリユの墓参りをしてるとこを見たぐらいで意思を翻すのもよくわからない。
以上。
絵も話も良いところは凄く良いので
あとはこれを全体的に満遍なく質を維持できてればもっと評価できてます。