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NifTiSさんのTO・RA・WA・SE ~囚われの偽妃が夢みる初夜~の長文感想

ユーザー
NifTiS
ゲーム
TO・RA・WA・SE ~囚われの偽妃が夢みる初夜~
ブランド
だーくワン!
得点
90
参照数
1299

一言コメント

女体化ゲー最高傑作

長文感想

知っての通り女体化ものの商業エロゲーに碌なものはない。ライターの「とりあえず女にしてヤられまくればまぁいいだろw」といった浅薄な思想が見え隠れする駄作ばかりである(と個人的には思っている)。......が、この作品はそんな安易な「とりあえず女にしとけ」的作品とは一線を画する。

舞台は異国の城。主人公と恋人は旅行に訪れるが、急遽恋人が帰国することに。失意の中城に一人残された主人公は、2人の人ならざるものに導かれ、自らが女性となる夢を見る。夢から醒めた主人公は自らの体の異変に気付き......。

この作品の特徴は「丁寧な心理描写」と「身体が変わっていく過程の描写」にある。強制女体化モノといえば「男としての理性と女としての本能がせめぎ合い、やがて理性が浸食されていく」展開が鉄板だが、本作もご多聞に漏れず同様の展開のもと進行する。ノベルゲームという一人称視点のプラットフォームの特性上この際の心理描写が徹底されており、物語に入り込みやすい。また、作品によっては省略されがちな、段階を踏んだ身体変化もきちんと描写されている。これは好みの問題だろうが私は「本能の理性への浸食段階ごとに身体も変わっていく」作品が誤用の意味での性癖にマッチしているため、本作の当該描写を非常に楽しむことが出来た。
シナリオとしてもただの抜きゲーではなくある程度の整合性を持って作られているため満足感が得やすい。但し「ある程度」と述べたのは(大勢に影響はないものの)一部に整合性、というよりも微妙に納得できない展開があるためであることを付記しておく。また音楽も悪くなく、没入感を高めるのに一役買っていた。

総評として今まで様々な女体化モノコンテンツを楽しんできた玄人にも、初めて女体化モノの沼に足を踏み入れるビギナーにも、遍く全ての人にオススメできる作品である。一点大きな難点を挙げるとすれば、このゲームの発売により女体化モノ商業エロゲのスタンダードが大幅に上向き更新されてしまったことか。