一年間を通した恋愛だが時間が数ヵ月単位で飛ぶため中身は短い。睡眠導入剤と呼ばれた時代のhookを知る身としてはやや物足りなさを感じるものの今の時代にはこの長さがちょうどいいのかもしれない。中身の方もタイトル通り楽しい学園生活を表現できており、内容だけなら充分及第点だがあまりにもバグが多すぎるし、その対応もマズイ。つまらない訳じゃないのにこんな点はつけたくなかったけど流石にこんなバグだらけではゲームとして及第点を与えるのは厳しい。
E(エンジョイ)スクールライフの通り学園生活に重きが置かれた学園もの。
学園以外の活動と言えばアウトレットか動物園に行くくらいしかなく、一年を通した物語であるがあまりイベントは多くない。
夏なのに海も山もないし秋でありながら文化祭も体育祭もない、冬に至ってはクリスマスや初詣すら飛ばされる。
こう書くと微妙そうだけど主題の楽しい学園生活はきっちり描写されている。
hookお得意の独自システムが今回も健在で昼休みにモブから情報を得ることでヒロインとの話題を見つけていくスタンドトークプラスというのがあり、話す相手に自由性を持たせることで疑似学園生活に一役買っている。
主人公はかなりアグレッシブで知らない人でも物怖じせずに話しかけるし、ヒロインの好意にもすぐに気付くので変にイライラすることがない。
ヒロインやサブキャラも皆好い人でこんな学園で生活してみたいなと思える。
ヒロインはメイン4+サブ3の構成だけどどのヒロインも可愛かった。
あまり好みじゃなさそうなキャラでもやってるうちに好きになる。この恋愛描写のうまさがhookの長所であり今回もそこは遺憾なく発揮できていた。敢えて言うなら瑛美が一番好きだったかな。
まあどちらかと言えば主人公の性格とかはhookよりも姉妹ブランドのsmeeっぽいノリだったけどどちらも好きだから問題なし。
このように長さだけなら物足りなさは有るものの中身自体は充分に楽しめる。
だがTwitterでも報告されている通りバグが多すぎる。
・ヒロインやサブキャラの立ち絵の目がなくなる。また、目が顔からはみ出すなど化け物と化すことが多数。
・進行不具合のバグ。特定箇所で強制終了
・読んだはずのメッセージが未読だったりその逆もある。故にスキップが使いづらい。
・ボイスとテキストが違う。
この内、8月22日現在で修正されているのは進行不具合のバグのみ。
立ち絵の問題はあれだけ多発してるのだからメーカーも認識しているはずだが一切触れていない。
立ち絵バグってゲームによってはネタになったりするけどこのゲームはヒロインとの学園生活を純粋に楽しむものであるから単純にうんざりするだけ。まして中身自体は普通に面白いモノだからバグのダメさが際立つ。
そしてその立ち絵バグよりもさらにヤバイのがボイスバグ。
陸上部ヒロインの陣内ルートでは「そうだね」という台詞が「そうだね。まさか屋上でHしてたなんて言えないしね」とボイスで読まれる。Nintendoに喧嘩を売るのはマズイと思う。
全年齢版で流石にこのミスはいただけない。
PC版と比べて追加要素もないみたいだしこのレベルならSwitch版やps4版でなくてもpc版買った方がいいと思う。
まあSwitchは携帯ゲームとしてプレイできるメリットがあるが。
ゲームの内容自体は悪くないからシステム面が足引っ張っているのは残念。
ただ。hookがまだまだ現役だと知れたことだけでも買った甲斐はあったかな。