フルコンプ完了。予想以上に評価が低くデータ数も少ない。このゲームですらこの有り様なんだからこの業界にとって非常に厳しい時代になりつつあるなと思う。長文はネタバレだらけだし、dlsiteのキャンペーンでこれからやる人も多いだろうからとりあえず攻略法として1つアドバイス。撲滅カルテのボーナスは補助ステータスに振るのがおすすめ。自分は火力重視で攻撃にひたすら振り分けたが終盤の大怪獣の討伐で必殺率、衝撃率、連撃率が非常に重要になるので。
1と合わせてフルコンプに2ヶ月近くかかった。
総合的に評価すると普通に面白い作品。しかし、評判が思ったよりも高くないし販売数もdlsiteだと少ない。
前作から4年経て発売しているが、その間に更に悪い方向にこの業界の状況が変わっているのが一番大きな原因かなと思う。
ソシャゲや同人ゲーの台頭で、安くて気軽に出来るゲームが最近流行しているがこのゲームはそのどちらにも反するからだ。
フルプライスかつ大作RPGでかなりの時間をとられるゲームなのでまとまった時間が取れないとクリアするのさえ難しい。
エロは不変のジャンルではあるが今のエロゲユーザーが求めるのはそういうものではないだろうし、こういうのが好きなオールドユーザーも高齢化でゲームに熱中するのが難しくなってきていると思う。ましてやエロゲ―だから家庭持ちになると大体引退だろうしね。
だからいくら面白いゲームを作っても爆発的にヒットさせるのは今の時代難しいんだろうなとどうしても考えてしまう。
昔は大手のゲームなら発売日に皆買うから例えクソゲーで評価を落としたとしても売上だけは高かったりしたんだけどね。
そういう意味で不遇な扱いの作品だと思う。
ただ、面白いゲームではあるが前作から改悪された点や、悪い部分が据え置きになっている点もあり酷評されている意見の中には最もだなと思うところもある。一方で改善されている部分もある。
以下から詳細な感想の記述に移りたい。
ストーリー
片田舎に住む青年アレク。幼少期の性体験がきっかけでエロに目覚めた彼は伝説の医者がかつて使用したというメディカの力を使い、世界中の女の子とのHを求め旅に出る。その道中に立ちはだかる謎の組織イシュタムの目的とは・・・
大雑把に書くとこんな感じで世界観も前作を引き継いでいるため、今回もエロ全開のストーリーである。
基本的には要所要所でエロが絡んでくるためコメディ色が強く、そこまで深いシナリオというわけではないがボリュームは充分にあり、シナリオ自体も悪くない。
ただ、前作と展開が被るところが多く、新鮮味の面では落ちるため前作の方が全体のシナリオとしては面白いかなと思う。
例えば前作は7つの大罪になぞらえ、章の最後で蛇紋の幹部が欲望を解放し、ボスとして立ちはだかるというのがシナリオのパターンだった。
今作ではイシュタム側の人間が七魄の解放により、章のボスとして立ちはだかる。
更に蛇紋では総帥が噛ませでフェルトンがラスボス、イシュタムはエピデが噛ませでジョンがラスボス、でありどちらも人畜無害そうなのが真のボスである。
その為ジョンが実は黒幕というのは割と読みやすかったかなと。
まあつまり何が言いたいかというと王道なシナリオを2作続けてきたため、先が読みやすい展開だということだ。
その分、大ケガしない作りにはなっているのだが2作連続でやっている身としては何かもう一捻り欲しかったかなとは思った。
その為前作ではサクサク進んだシナリオが今回は中だるみ起こした箇所が何回かあった。
それでも最後のハーメルンとの対決は盛り上がったし毎日かならず少しはプレイして長期間放棄はしなかったから飽きることは無かったけど。
また、イブニクルシリーズにおいてもう1つ重要なのが女の子との絡みであるが、前作のアスタは純粋に沢山の女の子を嫁にするのが目的で、そこに至るまでの過程は女の子の窮地を救うことによって惚れさせるという流れであった。
これも王道中の王道だが説得力としてはすんなり入りやすいため、自分は良いと思った。
一方、今作のアレクはチートスキルのメディカを持つため、よほど嫌われる人柄でなければ好感度がさして高くなくとも命のためにセックスで治療する、という展開に持っていきやすい。
そして命を救われる→その際にセックスの良さも教えられてそのまま惚れるという流れが多い。
この辺りがシナリオの薄さとかヒロインのチョロさに言及される部分だと思う。
ゆらぎはかなり素直な子だからお医者様の言うことなら~で全面的な信頼を寄せるし、プラチナ、シャロ、パトリオット、スパルタンも相当にチョロい。
メインではグリグラやキャスと比べると嫁になるまでの過程があっさりしすぎな気もするし、サブ嫁でみても前作では章ごとに登場して好感度上昇の過程が長かったトワのようなヒロインもいない。強いて言えば出会ってから嫁になるまでの期間が長いのはブラウニーだけど、あっちは種族の事情から最初から好感度高いしね。
兎に角セックス治療が万能で前作以上にエロによるごり押しが多い。
お医者さんごっこが好きな人にはいいと思うけどノーマルな自分としてはアスタの方が説得力があったかな。
もう少しメディカ以外のきっかけがあっても良かったかなと思う。
ただ、カノは良かった。幼い頃に命を救われ、その時のスキルの使用により死んでいくしかない少年に一生操を立てて生きていく、という流れは説得力として充分あり。
幼い頃にそんな男気見せられたら惚れるのはわかるし、辺境伯の娘だからその覚悟に至る考えもわかるしね。
畑が違うからこのゲームに萌えゲーや純愛ゲーのような過程までは求めてないけど、最低限まあこれならわからなくもないよねっていうくらいの理由付けは欲しいところ。
キャラクター
主人公
アレク・・・幼少期の初体験で性に目覚め非常に性欲旺盛な青年。
医者としての力は本物で前作のアスタ同様料理が得意という家庭的な一面もある。
可愛い女の子なら誰でも抱けるような男だがポピンズのブラウニーには欲情しないなど一定の基準はある様子。
王道系の主人公で特に悪い点はないが、シナリオの見せ方が淡白な事もあり平凡な印象だった。
もう少し医者という部分を全面的に生かせたら良かったと思う。
ホスピスのトップ画面で表示されている「それを聞きたかった」という台詞はブラックジャックのケチンボ婆さんのエピソードで発せられた名台詞であり最初にみたときは懐かしいネタだなと思ったが、それならいっそ行動面でもブラックジャック的要素があっても面白かったかなと。金にがめついとかそういうところじゃなくて患者に対して時には熱くなるとかそういう部分。
アレクは医者として患者は見捨てれないという使命は有るけど、性格がクールで何でも淡々とこなしていくのが平坦な印象を与える。
ただ、アダンの血による欲望の解放を受けながらもユラギへの強姦を最後まで拒み続けるなど芯が強い面もあり、このゲームの主人公としては充分に頑張っていると思う。主人公に関しては悪くない出来。
嫁
今回は前作より嫁の数が増え、凌辱も大幅削減なのでハーレム感は前作より強い。
ただ、医療行為から始まるのが前提であり、加入の経緯もやや強引なケースが多いため総合的には前作の方が嫁感は出てるかな。
素材はいいのだが引き出しきれていないのが勿体なかったかなと。
ユラギ・・・素直でいい子な王道ヒロイン。子作りはOKだけど破廉恥なHだと「めっ!です!」と言われる。作中でも線引きがどの辺りまでならいいのか?と突っ込まれるくらいの天然。前作で言うとトワに近い感じかな。一番最初に加入するヒロインなので嫁イベントもいちゃラブイベントも一番多く優遇されている。性格が性格なので嫁というよりアレクを医者として尊敬しているという側面が強いが、いちゃラブイベントで頭なでなでされると喜びやめられるとシュンとしてしまうなど可愛いところを見せてくれる。
また、OPでも使われている最後の嫁イベントのCGも素晴らしいと思う。嫁加入の経緯はお医者さんごっこだけど一緒に冒険してると楽しいヒロインで良かった。
カノ・・・幼い頃にアレクに処女を捧げた初体験の相手。嫁に至るまでの理由が一番分かりやすいため馴染みやすくて良かった。レンジャーで僕っ娘、貧乳キャラと前作のグリグラポジションのキャラ。まあ素直になれない系の性格なのでその点は異なるけど。いちゃラブイベントで金の指輪を見ながらニヤニヤしている所が可愛らしい。嫁イベントでの夏の少女仕様のCGがお気に入り。ユラン装束も夏の少女仕様ならなお良かった。
プラチナ・・3番目に加入する幼女ということでこちらも別な意味でグリグラポジションのキャラ。このゲームはほぼキャラとかの前情報無しでやったから最初に登場したときは、トップ絵の金髪とは大分違うけど別なキャラ?と思ったくらい。長い眠りから突然起こされたと思いきやヤナ達にぼこられるなど踏んだり蹴ったりな目に遭ったがパーティー加入後は癒し系幼女に。自分は幼女キャラはあまりタイプでは無いのだがグリグラといいプラチナといいイブニクルシリーズの幼女はいい味を出していると思う。
プラチナはかなり舌足らずの幼い声だから嫁というより娘に近い可愛さがある。
ツクダニのジジババに可愛がられてるシーンとかかなりはまり役だった。
それだけにエロは他のキャラに比べてもあまりいらんかなと思った。
可愛さのベクトルがちょっと違うからね。
シャロ・・最後に加入するパーティーメンバー。病気を治すという名目でピラミッド内でなし崩し的にHをするので流れがちょっと駆け足過ぎるかなと思った。好意を抱く理由も二重人格を否定せずいてくれるからっていう話だったけど、ちょっと理由としては弱さをがあったかな。どちらかと言えば友人の嫁だからそんな悪い人じゃない人だろうというのでついてきた感じ。
まあ経緯はあれだけど考古学に夢中でコレクションをユラギに捨てられそうになって焦る場面とかは前作のキャスのダメ人間っぷりに被るところがあって面白かった。胸の大きさは雲泥の差だけど()
サブ嫁
ゼロ・・・キャラとしては好きだけど嫁になるまでの展開が結構強引。しかもドラゴンは人間界に関わらないという掟があるからストーリー上重要な役割を担う事が少なく地味な役柄。
同じドラゴンでも根本的に前作のキノウ&キョウとは立ち位置が異なるためあまり目立つ場面がないので物足りなさを感じる。
まあ母娘丼要員ということだろうか。
エミーリア・・・引きこもりであること以外は作中でも1、2を争う常識人だが回りが破天荒過ぎるためいつも振り回されるポジション。こちらも嫁に至るまでの経緯が最早ギャグだがいじられ系のキャラだから意外と違和感がない。こういうキャラは好きだからツボにはまった。太りすぎ設定だけど立ち絵だとあまり感じられなかった。一方CGだとぽちゃっとしている。最初は前作に多数合った作画崩壊かなと思ったけどエミーリアだけどのCGもふくよかさが強調されてたからそういう演出かな?姉妹丼要員でもある。
パトリオット・・・脳筋女。豪胆な性格ゆえ異性への意識が薄いが姉を助けられているうちにアレクにメロメロになりメス堕ちする分かりやすいキャラ。いいキャラだしスパルタンとのスキルの打ち合いのシーンは笑った。公爵という立場上ストーリーにも良く絡んでくる為出番は多い。
スパルタン・・・普段は落ち着いた物腰だが感情が暴発すると手のつけようがないヤンデレ気質なキャラ。男性への免疫がない上にピンチを救われるといういつもの流れでアレクに盲目的な愛を抱く。ヤンデレっぽいヒロインは好きだからこれもあり。パトリオットとのスキルの打ち合いではパトリオットより遥かに黒い面を見せる。嫁イベントでも黒いオーラを出すため途中からそういうキャラ認定されてしまった。
エンデ・・・公式の紹介では敵に分類されてるけど嫁イベントがあるからこっちに記載した。
実はアレクの母親の妹でアレクの叔母に当たるという衝撃設定。まあ肉体から魂を抜き取ってエピデのクローンに移すというとんでもない実験が挟まるせいで本当の肉体は異なるというややこしい設定だけど肉体上叔母に当たるみたいなこと言ってるから近親相姦と考えて良いだろう。エンデの方から血の濃いもの同士で子供を作るのは良くないと距離を取り始めるがまさか医者のアレクの方から確率的にはそこまで高い訳じゃないと否定する流れになるとは思わなかった。ユラギとは別ベクトルの天然さが好きだった。無知天然系にはまったため個人的に好きなキャラ上位。
嫁イベントでの姉の墓の前で泣き崩れるシーンが良かった。
ヒイラギ・・・実はユラギの異母姉妹という衝撃設定その2。最初からユラギには好意的だから実は百合好きなのかなとか思ってたけど全然違った。レフトハンドの基盤を固めるために種だけ提供してもらい作られた子なので父親から一切の愛情を受けず育ったという過去があるが、ユラギのことを憎むどころか非常に大好きという懐の広いメイドさん。まあユラギの性格考えると中々嫌いになるひともいないだろうけど。とにかく妹ラブでユラギとの3pを至福に感じてしまうほどのシスコン。一方でアレクに対しては嫌いではないものの異性として好きというほどでもないというサブ嫁ながら特殊な立ち位置。だが他の嫁がほとんどアレクにぞっこんのためこういう立ち位置のキャラがいるとよいアクセントになると思う。無表情かつ抑揚の無い声で「ヒイラギちゃん、嘘つかない」などとボケを噛ますのが好きだった。
ブラウニー・・・前作のエリモと違い純粋なポピンズ。それ故にアレクの股間が反応しない唯一の女。ブラウニーの方はヤル気満々なのに毎度アレクにあしらわれる不遇のキャラで本当に嫁になるのか?と思ったが終盤でめでたく貫通。アレクに幻影を見せて大きな体のブラウニーとやってると思わせるというごり押しで笑ったけど。
キャラとしてはいいんだけど何かにつけてすぐエロに持っていこうとするのはお前少しは自重しろよ、と思わざるを得なかった。
ロナ・・・割と早い段階から登場するけど嫁リスト入りがかなり終盤のヒロイン。要所要所でストーリーに絡み、ジョンへの嫁入りイベントの儀式を行うなど前作のクロアと若干展開が似ている。合理主義者であまりデれるようなタイプではないが寝ぼけた時は途端に甘えてくるというギャップ萌えのキャラ。作中きっての天才だが見た目はロリっぽい感じで見た目は子供、頭脳は大人といった感じかな。
ボニー・・・公式の紹介ではサブ嫁となっているがもっとも不遇な扱い。詳細は後述。
聖女
マスカレード・・・当時は幼女でアスクレイピオスに相手にされなかったので処女をこじらせてしまった女。キャラがどうとかの前にまだ風音が生きてた事に驚き。昔馴染みの声優がどんどんいなくなってるから懐かしい気分になった。それだけでも価値がある。
ラブラ・・・処女の潮で虹をかけるというイブニクルらしいバカバカしい発想を実現するためにHさせられるキャラ。快活な少女。
ジェンス・・・取り返しのつかないHを実現させるためにアレクの姿を牛に変化させて処女を奪われる。その事実を知らないため終了後泣いてしまうが真実を知ったら途端に泣き止むという現金っぷり。ツンデレツインテールという王道属性。
レベル屋
マキナ・・見た目も中身もギャルjkなレベル屋。前作のソラは非攻略だが今回はエロシーンあり。実はQDの使いで本当の性格はかなりクールで本編とは似ても似つかない。アレクは本当のマキナを知らないまま終わるため、この辺りはかなりあっさりとした描写だったけどもっと掘り下げられることはあるんだろうか?
敵
前回もそうだったけど今回の敵も過去に色々とあり、それが争いを引き起こしているという構図が多い。
イシュタムを解放するという目的の為だけにずっと耐え続けてきた聖騎士ブラド、幼い頃から子供を産ませる道具としか扱われず本当に自分を必要としてくれる世界を目指し逆ハーレムの世界を構築しようとするエピデなど。
目的自体はわかるんだけどその為なら手段を選ばないのが悪役たる所以だろう。
ハーメルンはマジでヤバいやつだと思うけど。
その他
タウロス先生筆頭に物語の盛り上げ役としていい味を出していると思う。ストーリーが長いから登場人物も多い。
ゲームシステム
嫁イベント
嫁の数は増えているのだが回数を減らされてしまったのが痛い。
特にプラチナとシャロはメインヒロインなのに何故か4回で終わりという不遇。せめてここだけでも何とかならなかったのか。サブ嫁に至っては2回しかない者も存在するので一人一人の描写がどうしても薄い。
更にその枠の半分くらいをエロに使うパターンが多いので更に描写が薄くなる。
メインヒロインの最後くらいは綺麗に締めて欲しい。エロを全く重視しないからここは前作から大きく劣化を感じた。
ただユラギはメインヒロインの中では綺麗に締められていて良かった。こういうのがもっと欲しかった。
そしてもう一つの大問題。この嫁イベントにボニーは含まれない。最後まで意味がわからなかった。
そのくせ触手化したヤナに犯されるという凌辱イベントがある。
前作のロレンソは輪姦されるし3dsの闘神都市のクライアも酷い目に遭うしカラーはそういう運命なんだろうか?
だがその割にはエンディングでアレクの子供を孕んでいるのは唯一彼女だけという謎の特別待遇がある。
どう扱いたいのかが正直わからなかった。
ここは擁護できない減点ポイントと言わざるを得ない。
戦闘・冒険
戦闘システム・・・今作ではセイロガンがなくなりBPジュースも戦闘中に使えなくなるなど戦闘での制約が大幅にかけられている。その代わりメディカで回復が出来るがMPは有限であり行動力も消費する。前作のように金さえあれば行動力消費無しでアイテム無双出来るわけではないので必然的に難しくなっている。時間がない人や脳死プレイが好きな人はまずここでつまずくと思う。自分は最初は不便に感じたが慣れるとアイテムが使えなくても何とかなったのでこの辺はマイナス要素にはならなかった。むしろどこで回復を使うかというのも戦略性が出るという見方もある。ただ、時代には逆行した設計なので批判を食らっても仕方ないかなとも思う。宿は無料だけど転移魔法でいちいち戻るのはダンジョン探索中だとまた時間取られるしね。また、スキルに関してはほとんどが前作と同じ。職業が騎士や考古学者に変わってもスキルは変わらないからだ。まあ全く同じというわけではなく一部追加されたスキルもあるけど。これに関しては前作と同じ要領で冒険できるから楽という意見もあるだろうし新鮮味が薄いという意見もあるだろう。
個人的には前作同様やりやすいシステムだったかなと。
あと戦闘中にロードできるのがありがたかった。戦闘前にセーブしておけば勝ち目のないバトルを途中で切り上げる事が出来るので無駄な時間を使わなくてすむ。
英雄病・・・今回の目玉だが不評が多いシステム。まあ気持ちはわかる。発症してもすぐに直せない病気が多いからずっとマイナスステータス抱えてる感じでモヤモヤするし、体力と英雄病の2つを管理していると街に戻る回数が多くなるし。鳴き声が牛になるなど可愛らしい英雄病もありむしろこのままでもいいかなと思うものもあるが、敵のエンカウントが倍になるという面倒くさい英雄病も多いので直せるならすぐ直したいし。でも英雄病を直すことにより得られるステータスボーナスが大きいので早く次の英雄病が来ないかなと思うときもあった。転移魔法がない序盤は本当に面倒くさいけど中盤くらいまで来ると大分慣れてきたから酷評されるほどでもないかなと思った。最初にも書いたが撲滅ボーナスはとにかく補助ステータスを優先するのが推奨される。補助ステータスが高いと後述の大怪獣を倒すのが楽になる。
いちゃラブ・・・回数は前作と同じで登場順が早いと多い。ここは前作同様問題ない作り。
百景・・・なぜか103個ある。前作よりややコンプまで探しづらかった印象。コンプボーナスのドーピングアイテムは良かったがそれまでの10個ごとのボーナスがしょぼい。
女の子モンスター・・・黒ねこまたまたが最後まで探せなかった。まさかあんなほとんど用事がない場所にいるとは。幸福きゃんきゃんは前作よりも多く出会えたのでそこは助かった。またソードマスターや桜花は捕獲するまでが大変だが能力が非常に優秀であり最後まで欠かせない装備だった。
大怪獣・・・バク飼い、でか金魚、雄炎髪など序盤で出会う大怪獣がことごとく弱かったので今回は楽かな?と思ったらハニーロボが強すぎて全く歯が立たず。そのあとも定期的に倒しに行ってみるが毎回ぼこられる。80レベルまで上げてようやく倒せるようになったと思ったらグナガンとハニーキングはそれ以上に強く最初は歯が立たなかった。グナガンはとにかくユラギの衝撃率を強化してスタン状態にさせ続けることが出来ればカウンターを食らわずに倒せる可能性があるのでレベル99まで上げなくても行けるかもしれない。だがハニーキングは麻酔以外でスタンにすることがほぼ不可能なため、素早さを上げないと全く勝負にならない。レベル99まで上げて元の素でドーピングするのはほぼ必須だろう。その上で必殺率や連撃率が高いと戦闘が楽になる。プラチナは必殺からのハニ割が有効だし連撃も必殺も上げやすいカノは三回攻撃のクリティカルが狙える。今作ではカナブンがいないのでとにかく補助ステータスが非常に大きな鍵を握る。この2体が存在するうえに戦闘中のアイテム使用が出来ないこともあり大怪獣コンプはかなりの時間を取られる。時間が有るものにとってはやりがいのあるやり込み要素だしそうでないものにとってはやってられんとなるだろう。
サブクエスト・・・ストーリーに関係がないクエストがあるのは面白いのだが、前作ではショボいとは言え一応報酬として与えられた経験値すら今回はなく達成感がなかった。タクワン和尚のように攻略に必要なサブクエストならいいんだけどそれ以外は会話イベントだけで終わるし物足りない。
その他
フロントビュー→サイドビューへの変更は良かった。SDキャラが戦うから臨場感がある。
マップでアレク以外のキャラを表示できるのも良かった。実は前回結構不満だったんだよね。ストーリー上の付き添いはともかくパーティーくらいは一緒に冒険してる感じだしてほしいなと思ってたしこれはナイス改善。
レベリングは大陸にいるときは強敵や赤トゲのループだったがアカシ海叫のいる島に行けるようになってからはそこを使用した。レベル30~40程度だと死ぬほどきついがランゲン2体の組み合わせが出た時にカノの暗殺が成功すると何とかあと一体は処理できるのでそのままごり押し。これでもらえる経験値が約20万。初めて島に上陸した時点では平均経験値が5000~8000程度だったのでランゲンループを狙う方が経験値効率がよく、これでレベルをサクサク上げてレッドクロスの雑魚を雑魚殲滅で処理できるようになってからは一気に楽になった。こういうパワーレベリングは大好きなのでこの作業はかなりはまった。しかも前作のドクロの島と違い金もかなりくれるしソードマスター、桜花の女の子モンスターもいるので雑魚殲滅出来る場所を周回するよりも遥かに得るものがある。
ちなみに、宝だんごは今回は一回しか出会えなかった。確率が相当低いようだ。しかも倒して落としたのがドラペコ。7万ちょいで売れるがドーピングアイテムは購入に25万8000円かかるから完全に外れアイテムだった。
グラフィック
今回一番大きな進歩を遂げた部分だろう。前作は作画崩壊に近いCGも多かったが今回は微妙なCGもあるものの概ね高い水準でまとまっていた。この点は文句無しに前作よりプラス。
エロ
凌辱が大幅に減ったのが自分的には好評価。コーラス輪姦、ボニーが触手凌辱、スパルタンがアカメに襲われかける、暴走したアレクがユラギに襲いかかる、この四点だけだと思う。最後のはアレクが欲望に抗うけどユラギがあえて受け止めるというシーンだからいれなくてもいいかもしれないけど。あとはほぼ和姦。それ自体はいいんだけどとにかくエロの数が多い。イブニクルの世界観ではエロがないと成り立たないのはわかるけどもう少し減らしてストーリー面にリソース割いてもいいかなと個人的には思う。
あとラミアスのエロシーンはいらない。ただあるならいいけど前作のキャラが今作のキャラの前でハメ撮り披露っていうシチュは好きじゃない。
オープニング
素晴らしい。前作も悪くないけど今作のオープニングはアツいしかっこいい。榊原が歌っているだけある。アリスソフトの楽曲のなかでもトップクラス。
総評
全体的に前作を踏襲した作りであるがエンディングでは再び冒険に出るアスタ、残って患者を待つアレクと正反対の差別化をしている部分もあり、世界観は引き継ぎながら新しい物語として仕上がっていると思う。
一方で戦闘システム等は前作と大体一緒でありよく言えば慣れ親しんだ、悪く言えば新鮮味が薄いものとも言える。今回は二作目ということもありサクサク進められて良かったと自分は思う。ただエンディングを見る限り続編が示唆されており、3作目もこのシステムをそのまま流用したら流石に飽きるかもしれない。折角いいキャラがたくさんいるからパーティーメンバーを固定じゃなく入れ換え可能にするなど一工夫凝らす必要があると思う。
あとは広いマップを冒険するというシステムをエロゲで作り上げる偉業を成し遂げているからもっと色々な地域に色々なイベントがあると面白いと思う。昔、ゼルダの伝説の風のタクトで海に出れるようになったときに色々な島のマッピングをするのが非常に楽しかったけどこのゲームでも似たような事が出来る可能性があると思う。
次回作が出るときにはこの業界は更に厳しい状況にさらされているだろうから今までと同じ事をやるだけでは中々人口に膾炙するのは難しいだろう。次が本当の真価を問われると思う。
今世界は新型コロナウイルスの影響で驚異にさらされており、この状況が続けばアフレコ等も行えなくなる可能性など新作の開発には逆風だとは思う。だが一方で巣籠もり需要が高まっており、過去作の販売で資金の獲得や宣伝を積極的に出来るチャンスでもある。新規ユーザー獲得、加齢と共に離れたユーザーの復活も上手く行けば見込まれる。
こういう厳しい情勢の時こそ大手インドア勢の底力を見せて欲しい。
点数はもう少し低めに抑えるか悩んだが今の時代にこれだけのゲームが出せるのは普通に凄いと思うし何だかんだカンストまでやりこんだのでこの点数で。
記憶が新鮮なままレビューを書いたから久々に長くなってしまった。
大分書ききったと思うがまた思い出したことがあれば追記するかも。