その昔の話。土曜日の夜10時から始まるドラマを家族と茶の間で見ていた。そのドラマは、なぜかいやらしいシーンが多数登場し、真剣に見ている自分を両親が「ほ、本当は子供が見ちゃダメなんだからね!」としかりつつ、最後まで家族で見届けてしまった、伝奇やホラーに分類される作品だった。本作をプレイして、あの時のことをふと思い出してしまった。あのドラマはいったい何だったんだろう。そして、本作はどこに落としどころがあるのだろう。そんな妙な懐かしさに包まれている三部作の一作目にふさわしい作品だった。
※この感想にはネタバレ記載が多数です。
閲覧時はその点をご承知の上で、お願いします。
まず言いたいのが、シスター久津見がムカツク。それはまぁ、いいか。
冒頭から中盤のいやらしいシーンのオンパレードには異議なし。
ヒロインの「私はどうせ売られるんだ」というあきらめムードが主人公との、どこか機械的な調教シーンを盛り上げる起爆剤になっていたのが良かった。
その後の中盤からの、感情を持ってしまった主人公の言動が登場人物たちの心を動かしていく展開が良く出来ていた。
そして、終盤の選択肢が登場するくだりでBAD ENDとTRUE ENDの分岐があるあたりに漂うせつなさに、昔見たTVドラマを思い出した。
結局、真のエンドは2作目へ継がれてしまうわけだが、本作で張られた伏線をどのように回収するのかが楽しみになる終わり方だった。
ホラーや伝奇の領域にまで広げてしまった本作が、三部作でどのような結末を迎えるのかが楽しみである。
【本作で張られたまま回収されていない伏線】
1 智哉の1年以上昔の記憶が無いのはなぜか?
2 智哉がなぜこの学園に軟禁されていて「シスター依子」として女装し、売られていく女の子の調教係をしているのか?
3 智哉が2週間も昏睡状態におちいってしまう理由は?
4 愛美璃が智哉と同居している理由は?
5 愛美璃は本当に在学生なのか、智哉側の仲間なのか?
6 シスター久津見が智哉を奴隷のように扱うのはなぜか?
7 シスター久津見、愛美璃、智哉ともに、人間なのか?
8 終盤に登場するゾンビたちは何が目的なのか? 突然火に包まれて灰になってしまうのはなぜか?
9 学園が裏売春組織だとして、そのボスは誰なのか?
10 調教部屋になぜかやってくる黒猫は単なる猫なのか? それとも何らかの監視役なのか?
11 智哉の精液を定期的に採取している理由は?
※他にもあるかと思うが、ざっとこの辺を気にしながら2作目をプレイする。