ErogameScape -エロゲー批評空間-

Lucyさんの妻しぼりの長文感想

ユーザー
Lucy
ゲーム
妻しぼり
ブランド
ALICESOFT
得点
90
参照数
1976

一言コメント

ようは「エッチもしてくれるベルダンディ(ああっ女神さまっ)」>咲良

**ネタバレ注意**
ゲームをクリアした人むけのレビューです。

長文感想

システムは10年前のエロゲー(褒め言葉)。
今時こんな七面倒くさいモノを作れるアリスには驚くやら呆れるやら(褒め言葉)。
メインの姉妹だけ追ってると後半イベントがスカスカ――とか、律子は円との絡み部分だけで良いじゃん――とか、その分を円にリソースまわしてよ――とか、せっかくお泊まりイベントがあるのに、るみな&咲良の「お姉様」イベントが銭湯だけなのは残念――とか、性欲と精力がリンクしないのはどう考えても理不尽――とか、細かい注文や欲は尽きないが、近年これほど夢中になって遊んだエロゲーは他に無い。

メインヒロインである咲良は、ぶっちゃけて言えば「エッチもしてくれるベルダンディ(ああっ女神さまっ)」そのままで、無闇に丁寧な台詞回しや抑え気味の演技もソレを意識しているとしか思えないわけだが、無論単なるパクりではない。
残念ながら神の御加護は無いので夫と死別する不幸に見舞われたり、溢れる慈愛に付け込まれてレイプされちゃったり、基本的に快楽に弱い&多淫の気があったりするが、諸々含めて作り物の(それも狙い澄ました)キャラクターと知りつつ愛されるだけの人格が与えられている。
これはちょも山さんの包容力&色気溢れる絵と、一色ヒカルさんの熟練&達者な演技に依る部分ももちろん大きいが、一番の功労者はライターであるTAMAMIさんであろう。
咲良がこの上なく魅力的な(というか反則的に男にとって都合の良い)女性として描かれているからこそ、このゲームは成功しているし、少々の粗も笑って許せる。

とはいえ、おかげで姫香が鬱陶しいことこの上ない役回りになっていたのは不憫だったし(修羅場は楽しめたけど)、本来の見合い相手である円を選んでも小姑よろしく付いてくるのにはさすがに閉口…。
強制猥褻・不法侵入・覗き・窃盗(下着)・脅迫・強姦・傷害(同意無き膣内射精)と、躊躇無く犯罪行為を重ねる京弥を最終的に受け入れてしまうのもねぇ……もはや慈愛や母性の問題じゃねぇだろ、と。
ショタっぽいキャラクターに寝取らせるのはスタッフの趣味(?)らしいけど、いい加減に懲りてくれよ…(アリスの館を見る限り懲りていないのがいそうで不安になる)。
男性ライターが書くロリータキャラは女性から見てさぞかし不快なことと思うが、男性が京弥に対して抱く不快感は多分それとよく似ている。
少年特有の情緒や感性がまるで無い、単なる生殖能力だけの異性物なんだよなぁ。
寝取り要員ってだけで嫌われてるんじゃないと思うぞ?妻みぐい2だけじゃ懲りなかったんか?
やってる事は鬼畜&狡猾でも、それを自覚している良治の方が幾分マシに思えるのが何とも。