双子に釣られた。
航海はした。だが後悔はしていない。
まず非常に読みにくい。文章が。
それは決してライターの文体が合わないというのではなく、ノベライズ形式に加え、一度に出てくる文章量が多い。
テキスト速度をノーウェイトにしてるから、というのもあるかもしれないが、ワンクリック(もしくはエンター)で画面全体に文章が一気に出てくるのは如何なものかと。
そこは人それぞれかもしれないが。
システムの動作も、一々ワンテンポ遅れるのが読みにくさやテンポの悪さを助長している。
だが読み進めているとどうだろう。
中々に濃ゆく、芯があり、生きている人物が出てくるじゃないか。
主人公を含め、登場人物はとても活き活きしていると感じた。
所々別な意味で死んでもいるが。(決して生物的な死の意味ではなく。)
で、この作品。
不満点やらいろいろあるが、普通に読み進めて行くだけなら確かに面白い。
絵は好き嫌い別れそうな感じではあるが、個人的にはストライク。
声も演技が非常に上手い、というか上でも書いたように人物が活き活きとしている理由にこれが大いに貢献しているだろう。
そして"ニオイ"というものを感じた。主に情事のシーンで。
プレイ中にやたらニオイに関しての描写が多かったからか、やけに丁寧に書かれていると感じたそれは、実際に自分が嗅いでいるかのよう錯覚を思わせた。
実際にそのようなことはありえないが、そこまで世界観に浸っていたのかと。
視覚、聴覚、嗅覚と、自分でも驚くような作品だった。