シナリオはごく普通の出来ですが、優しい世界観が魅力的な作品です。
※2020/02/24 追記
お気に入りの作品であるため、約二年ぶりに再プレイしてレビューを書き直しました。
内容を要素別に評価します。
※点数は(得点/満点)で記載しています。総評の点数は(合計得点/満点)です。
※再評価で点数を2点下に修正(90点→88点)しました。
【本レビュー時の本体バージョン】不明(修正パッチ適用なし)
【ゲームシステム】(5点/5点)
普通のADVです。
前作のロロログと異なり選択肢はルート分岐用の1か所しかありません。
特にルートロックはありませんが、春ハルを最後に取っておくときれいに
終われます。
【環境回り】(8点/10点)
スクリプトエンジンは詳細不明ですがベースはロロログと同じようです。
少し機能強化が図られており、目立ったところではバックログからのジャンプや
お気に入りボイス機能が追加されています。
【キャラクター/声】(13点/15点)
原画が前作と同じく白もち桜先生ということで可愛らしいキャラクター
デザインです。
ロロログと比べてヒロインが典型的な属性で分類できなくなっており
分かりやすい魅力に欠けますが、個人的には総じて可愛く感じました。
天然系の女の子に弱いので春ハルが特にお気に入りです。
【立ち絵/CG/演出】(12点/15点)
立ち絵について、デザインは可愛いのですが顔の輪郭のジャギーが
気になることがありました。
CGについては自然の風景を取り込んだ彩色のきれいなものが多く、
本作の魅力を高める事に一役買っています。
演出面では画面エフェクトについて眩しすぎるものが散見されるため、
もう少し抑えてもよいと感じました。
【シナリオ】(37点/40点)
舞台は現代をベースに、魔女たちが精霊魔法を継承しているという世界観に
なっています。テキストからもどことなくメルヘンな雰囲気が漂っています。
シナリオは一言でいうとごく普通の出来です。
それではなぜ高得点を付けているかと言えば、本作の優しい世界観に大きな
魅力を感じているからです。
登場人物に悪人は皆無で、神経をとがらせることなくプレイできます。
リアリティに欠けるとむしろマイナス評価する方も少なくないでしょうが、
私にはこの世界がなんとも尊く理想郷のように見えてしまうのです。
特に春ハルルートは美しいとしか言いようがありません。結局私は二週目でも
涙を流してしまいました。
個別ルートについては共通ルートとのトーンの近さで評価すると
風祢 < ましろ < 好奏 < 春ハル
となります。
共通の雰囲気が好きで、美味しいものを後にとって置く派の方は上記の順で
攻略していくと良いかも知れません。
【Hシーン】(4点/5点)
実用性というよりはキャラ萌えを高める一環として挟まれている感じです。
個人的には作風に合っており、悪くない印象でした。
【OP/ED/BGM】(9点/10点)
インパクトのある派手な曲は少ないですが、キラキラと光る小粒の宝石の
ような曲が多いです。
タイトルにもなっている「恋するココロと魔法のコトバ」は儚さと広がりの
ある曲で、とても良い出来だと感じました。春ハルとの出会いとEDで本曲が
流れ演出面もいいです。
他には「永遠の旋律」も聴き手を別世界へと誘うようで印象に残りました。
ロロログと同じく音楽鑑賞モードで1曲ごと作曲家のコメントが見られるのも
いいです。
作風にマッチした良曲が多く、サウンドトラックが出ていないのが惜しまれます。
【総評】(88点/100点)
約2年ぶりに再プレイし、久しぶりに本作のヒロインと会って自然と嬉しい感情が
沸き起こって来ました。
出来不出来でいえばごく普通ですが、この優しい世界が私は大好きです。
初回のレビューは気分の高騰ゆえ、過度に高評価する文章を書いてしまったため、
見ていただいた方には申し訳ないことをしました。
本作の評価は世界観が気に入るかで大きく変わります。シナリオ重視派にはお勧め
しませんが、穏やかなちょっといい話を読みたい方はぜひプレイをお勧めします。