ねんがんの ダウンロードばんを てにいれたぞ!
本作は「少女魔法学リトルウィッチロマネスク」無印版+FD+フルボイスの完全版。
私がこの作品に興味を持ったのは “editio perfecta ”のパッケージ版が発売されて以降であり、
このバージョンをやりたいとずっと思っていたのだが、2013年8月現在に至るまで、プレミア価格が
継続してきたためプレイをずっと見送っていた。
しかし2013年7月末日より、某DL販売サイトで5,980円で販売開始とのことだったので、これを機に
衝動的に購入。結果として、コストパフォーマンスが非常に良い大満足の買い物となった。
今の私になら、アイスソードを頑張って買った某氏の気持ちが良く分かるというものだ。
さて本題。本作はWin7(64bit)でプレイ。動作面では何ら問題無し。とりあえずぶっ通しで
3周プレイして一旦区切りを置くことにしたのでレビュー。本作の全イベントのフルコンプは超絶的な
難易度であり、私自身もコンプ未達成である。総プレイ時間は約75時間。各回収率は以下の通り。
GRAPHIC(CG)99%、MUSIC(音楽)100%、COMMON EVENTS(共通イベント)86%、
KEY EVENTS(キーイベント)98%、LEARNING EVENTS(魔法習得イベント)100%、
QUEST EVENTS(クエスト)100%、H EVENTS(エロシーン)100%、
EPILOGUE EVENTS(エンディング)100%
本作本編は、3年間という限定された期間の中、黒の塔と呼ばれるハイスペックなタワーマンションに
集まった異種族美女達に囲まれて、毎日楽しくドタバタコメディを繰り広げながら、愛弟子ロリ2人を
一人前の魔法使いに育て上げることが目的である。
本編の攻略対象ヒロインはメインの愛弟子ロリ2人だけでなく、皇女、聖女、女剣闘士、建築家、
エルフの5名を加えた合計7名である。その他、共通エロシーンが1つある猫娘や、本編では
攻略不可の妖精王や天使が魔女が登場する。特筆すべきは、こうした女性キャラの約半数が、
ロリもしくはつるぺたであり、原画の大槍氏の手腕が如何無く発揮されている。
演出面と世界観に関して。Littlewitchの処女作「白詰草話」や前作「Quartett!」が、全編通して
FFDによる演出を採用していたのに対し、本作では普通の立ち絵形式にFFDを折衷させた演出を
採用している。それ故、漫画のような視覚的演出効果は前2作程では無いが、それでもコロコロと
変わるキャラの立ち絵に合わせて台詞が吹き出しで出てくる様は、漫画を見ているようで楽しい。
特に本作に関しては、フルボイスの効果が大きい。全体的に声優さんの演技のクオリティが高く、
キャラ達が非常に生き生きとしていて、プレイヤーを大いに惹き付けてくれる。
そしてこうした愛らしいヒロイン達や、雰囲気に非常にマッチしたハイクオリティなBGMが相俟って、
素晴らしい童話的ファンタジー世界が作り出されており、長時間滞在のプレイヤーを飽きさせることなく、
癒しを与えてくれる世界観に仕上がっている。
本作本編の全体的な流れについて。本編は共通部分がほとんどであり、3年間の期限(156ターン)で
愛弟子ロリ2人を育て上げ、ディプロマ(認定証)の有無あるいはその種類に応じて、異なる10個の
エンディングを迎えるというのが基本路線である。それと同時に、各攻略対象ヒロインに用意されている
最終クエストをクリアすると、そのままヒロインEND(7人分)に突入するという途中下車方式も
採用されている。その他、試験に落第した時のバッドエンドが3つある。
一般的なエロゲのようなヒロインの個別ルートは、各ヒロイン毎の最終クエストが該当する。これら
最終クエストは、全ボイス再生で1.5時間ぐらいの分量であり、内容も衝撃的なものはほとんど無い。
このことは個別ルートのみならず本作本編について全体的に言えることだが、シナリオそのものは
比較的平坦であり、起伏に富んだ展開を期待していると肩透かしを食らうかもしれない。
しかしながら本作本編の真骨頂は、プレイヤーが自然に周回プレイに熱中してしまう程のゲーム性の
高さと、フルコンプに至るまでのやりこみ要素である。これについて詳細は後述するが、本作を
気に入ったプレイヤーの方であれば、ぶっ通しの周回プレイなどへっちゃらだろう。
「おまけ」について。本編をクリアすると「おまけ」が開放され、FDに収められていた3つの短編と、
新規追加のハーレムシナリオをプレイできる。これらは選択肢の無い完全なノベルであり、本編では
攻略できなかったキャラのエロシーンが拝める。ただしハーレムシナリオに関しては、本編の設定
ぶち壊しのエロシーン特化シナリオであるため、人によっては地雷になるかもしれない。
<やり込み要素その1:アレアジャクタ(Alea jacta)>
レッスン次のミニゲーム。愛弟子1人につき3つのサイコロを転がし、上手く目を調整して魔法を
発動させ、スピリット(経験値みたいなもん)を稼ぐといった内容。魔法の種類、発動タイミング、
2人の魔法の組み合わせによって、得られるスピリットの点数が大きく左右される。シンプルだが
緻密なミニゲームであり、少なくとも1周目は夢中になれる程度の中毒性がある。
2周目以降は1周目で習得した魔法を引き継げるため、序盤から強力な魔法をガンガン発動できる。
それ故、パターン化されて作業プレイになってしまうのが難点だが、周回クリア次に獲得スピリットの
累積得点が集計公表されるため、ハイスコアを目指したプレイも可能である。
<やり込み要素その2:膨大な数のイベントとコンプに向けた戦略>
本作本編は主に、COMMON EVENTS(共通イベント)、KEY EVENTS(キーイベント)、QUEST
EVENTS(クエスト)、LEARNING EVENTS(魔法習得イベント)の4つのイベントが組み合わさって、
物語の全体的な流れを構築している。そしてこれらのイベントはエピソード毎に管理されており、
一旦エンドロールの流れるエンディングを見ると、回想から確認することができる。
また、これらのイベントは合計すると途轍もない数であり、1周目のプレイでは間違いなくコンプは
不可能である。私自身は3周プレイしたが、結果は冒頭の通りである。
特にCOMMON EVENTS(共通イベント)はランダム性が強く、攻略分析サイトを熟読しない限り、
プレイヤーがイベント出現をコントロールするのは至難の業である。
一方、これらイベント群の中で、プレイヤーの戦略によってコントロールし易いのが、QUEST EVENTS
(クエスト)とLEARNING EVENTS(魔法習得イベント)である。これらはプレイヤー自身の選択に
応じて出現するため管理し易い。
ただしクエストや魔法習得イベントについても、1周目だけでは双方同時のコンプは不可能である。
本編の3年間の期限という設定は長いように見えるが、ターン数換算では156ターンであり、レッスン、
ラーニング、クエストをどれか1回行なうだけで1ターン潰れてしまう。従って156ターンというのは
思った以上に短く、本編の効率的な攻略に際して、プレイヤーは戦略性を問われることになる。
また、クエストの達成と魔法の習得は表裏一体の関係である。例えば、ほとんどのクエストには
期限があるため、特定のクエストをこなすために、どの魔法がいつまでに必要で、そのためには
どのぐらいのスピリットを稼ぐ必要があるかといったように、物事を計画的に進めなければならない。
一方で、先にも述べたように、クエストの中にはヒロインの個別ENDに直結する最終クエストが存在する。
この最終クエストに到達するために、各ヒロイン毎に好感度が上がるクエストをこなしていく必要もある。
以上のように、クエストの達成や魔法の習得を狙い通りに行なっていくために、プレイヤーには
度重なる試行錯誤と吟味が要される。しかしこの作業が何とも楽しく、ついつい夢中になって
やり込んでしまう。こうしたやり込み要素が、本作本編の最大の魅力だと言っても過言では無いだろう。
<ご参考:初心者向けの1周目の進め方>
以上のように、本作本編は2周目からが本番であると言っても良い。それ故、1周目はやりたいように
プレイして、自分なりのプレイ感覚を掴むことに専念するのがお奨めだが、一方で我々の現実時間は
有限であり、初回から効率的にプレイすることを望む気持ちは決して否定できない。
繰り返すが、本作本編は、1周目だけではイベントとエンディングのコンプは至難の業である。
このことを前提に、多少なりとも効率的にプレイできる1周目のガイドラインを、自分なりに纏めて
おきたいと思う。
・1年目
クエストは少ないので全部消化。それと並行して、アリア・カヤともに魔法をバランス良く習得。
試験直前でセーブデータを作っておき、1周目の落第ENDは確実に回収しておく。
(可能なら魔法未修得イベントも回収したいところだが、これは2周目の方がやり易い。)
・2年目
2年目の最後にメレットの個別ENDが待っている。これは彼女絡みの最終クエストをクリアし、
なおかつ、2年目の試験に落第することが条件である。
2年目に突入次第、クエストが急激に増えるため、てんやわんやの状況になり易い。それ故2年目では
メレット絡みのクエスト消化を中心に行ない、余力で他ヒロインの好感度UPクエストをこなしていく
という方針が妥当だろう。
また、クエスト以外のメレットのキーイベントを回収しておくことも忘れない。これはメレットを
先生にして教室でレッスンすると、レッスン後に彼女絡みのキーイベントが発生し、CGの回収にも
影響を及ぼす。従ってメレット登場後は、4~5回程度、この条件でレッスンするのが無難。
メレットの最終クエスト「はぢめてのおつかい」に関しては、終了ギリギリまで引っ張って
セーブデータを作っておく。これによって、通常の2年目落第ENDも回収できるようにしておく。
従って整理すると、2年目落第END → メレット最終クエストクリア&メレットEND → 3年目突入
という順序で進めるのが良い。
・3年目
途中下車のヒロインENDについてだが、アリア、カヤ、フィアンナの3名に限っては、このうち
誰か1人の最終クエストが発生してしまうと、残る2名の最終クエストは発生しない。従って
同時攻略が不可能であるため、3年目突入早々に、プレイルートを3つに分けてしまう方が良い。
分け方に関しては、以下のようなパターンが効率的ではないかと思う。
ルート1:フィアンナルート
最終試験後のEND目標:ノーマルEND(同種類ディプロマが2つ以下)&最終試験落第END
途中下車のヒロインEND目標:フィアンナ、オルガ、マリエラ、オリヴィア
ディプロマ取得クエストは無視。上記ヒロインの好感度UPクエスト達成にひたすら注力すれば
目標達成は難しくないだろう。
ルート2:アリアルート
最終試験後のEND目標:ディプロマEND(同種類ディプロマが3つ)を幾つか。
途中下車のヒロインEND目標:アリア
アリア最終クエスト「災害救助」の条件として、クエスト「エルモアの試練」のクリアは必須。
必須魔法である「遠隔扉」と「融合」の取得にはかなりターン数を要するため、早いうちに
準備しておく。
その上で余裕がある範囲内で、ディプロマ取得クエストを消化していく。ディプロマENDの条件に
ついては少しややこしいので、各種攻略サイトを参照のこと。「時航者」や「コネクター」などの
ディプロマは、該当クエストが3年目終了ギリギリまで引っ張れるため、クリア直前で上手く
分岐できるようにセーブデータを作っておけばベスト。
ルート3:カヤルート
最終試験後のEND目標:ディプロマEND(ルート2で見れたやつ以外)
途中下車のヒロインEND目標:カヤ
カヤ最終クエスト「カヤの推理」の条件として、クエスト「遺跡調査」のクリアは必須。
アリア程では無いが、それでもクリアに必須の魔法取得には結構なターン数を要するため、
早いうちに準備しておく。
カヤのヒロインENDが最も優遇されているような気がするので、彼女をラストに持ってくれば
気持ち良く締め括れるのではないかと思う。以上。